舞台は、イギリスのワイト島にあるテラスハウス。テラスハウスの住人であるマデリン(若村麻由美)を作家であるフランシス(久世星佳)が訪ねるところから物語は始まる。
マデリンはフランシスの元夫のマーティンの元愛人。二人の共通の話題はマーティン。舞台の会話は、マーティンの話題が中心だ。元妻と元愛人の会話なんて恐ろしくもあるが、二人の会話からお互いの知らないマーティンの姿が見えてくる。フランシスに警戒しまくりのマデリン。マデリンからできるだけマーティン話題を引き出そうとするフランシス。二人の女の対話が夜通し嵐のように巻き起こる。
マデリンは独身、キャリアウーマン。フランシスは主婦から作家になった。この二人芝居は、マデリンとフランシスのキャラクターの違いがわかりやすい。若村のマデリンは、フランシスへの警戒心や苛立ちを表現している。久世のフランシスは、淡々としながらも、整理がつかない心を表していた。
後半、マデリンがマーティンとの愛人関係になる流れを語る部分が長く感じた。重要な場面なだけに残念だと思う。
それにしても男という生き物は、妻でもなく、愛人でもなく、若い女性と結婚して出直そうと思うのだろうか?筆者には、とても不思議である。
平成26年度(第69回)文化庁芸術祭主催公演
二人芝居ー対話する力Vol.1
『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』
東京公演:10月26日まで 新国立劇場小劇場[THE PIT]
兵庫公演:11月1日 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
画像:足成 http://www.ashinari.com/