
周期的に襲ってくる『北斗の拳』病の最中、
「てめえらの血は何色だーー!!」と叫べるものなら叫びたい男が、
乱世に生きた北斗な男たちの研究結果を勝手に語る!!
<第1回>
~雲のジュウザ~
栄えある第1回は、私もみなさまも大好きな”雲のジュウザ”大先生を取り上げたい。
いや、それこそ勝手に個人的に、まさに心の師であり、
二次元のキャラで、後にも先にも「こんな男になりてー!」と思えた人物は彼だけである。
まあ、私に限らず近いことを思った”北斗世代”(←世紀末あたりのころに思春期・もしくはドウテー男)は多いと思われるが、
そんなこの物語史上、屈指の”漢”(おとこ/以降、この文字で統一)の魅力を、
作中の軌跡&世の漢たちへ与えた影響を踏まえて分析してみたいと思う!!
●”自由”というキーワード
彼は南斗聖拳最後の将を守る、南斗五車星の一人として登場。
五車星とは、”風・雲・炎・海・山”の称号と役割を持った拳士たちで、
この漢の称号は自由の象徴”雲”である。
敵の頭上から小便を放ったり、女湯に乱入し、「ほれほれほれ~!」と、美女相手に湯をかけてはしゃぐ無頼っぷり。
「俺は誰の指図も受けぬ!雲のように生きるのさ。食べたい時に食べ、抱きたい時に女を抱く」
「我が拳は我流! 我流ゆえに無型! 無型ゆえに誰にも読めぬ!」など、当時のドウテー漢だったら
一度は口にしたいカッコよすぎのフレーズのオンパレード。
”自由”という、まさに雲を掴むかのような永遠の憧れをさらりと言ってのけるその生き様に、
我らドウテー漢たちはどれだけシビれてきたことか。
大人になった今でも彼のように生きたいと思っている漢たちは、多いのではないかと。
●短いスパンの登場キャラながらも、圧倒的な人気、そのカリスマ性と実力
実質、彼の出演スパンは、登場からラオウに倒されるまで、数話程度。
が、主人公を凌ぐ圧倒的な人気、北斗好きな漢同士が語ると話の中心になる確率が極めて高いこの漢のカリスマ性は、
先に述べたあくまでも自由を貫くその生き様もさることながら、北斗史上、屈指の実力者という一面もあるのではなかろうか。
読んだことがない人でも名前くらいは知っている国民的ボスキャラ・ラオウ に、ケンシロウ、トキ以外で唯一ダメージを与えた男。
ここで、他の五車星メンバーの作中での役割分担を簡潔に考察してみよう。
・風のヒューイ&炎のシュレン……ラオウの強さを際立たせるためと五車星の数合わせなだけの、単なるかませ犬キャラ兄弟星。
共にラオウにより瞬殺。
ちなみにアニメ版ではヒューイの実弟である、なんちゃら(名前忘れた)とかいうヤツも出てきてたような気もするが、
こいつもアニメ放映の進行が原作連載に追いつかないように出されたとみられる、
本当に「はよ、進めや!」とイラだちを隠しきれなかった…いや、宿命に殉じた哀しき漢。
・海のリハク……「天才軍師」という設定だが、ラオウに仕掛けた罠は全て通じず。
「この海のリハクの目を持ってしても見抜けなかったか!」が口癖の、見抜けた試しのないヘッポコ軍師。
・山のフドウ……五人いれば一人はいなきゃならない、デカブツキャラ。
ラオウが幼き日に唯一恐怖を感じたという、かつては鬼のように残虐な男だったという人物だが、どうにも後付け設定感も否めない。
が、それなりの実力はある。
…と言った感じなわけだが、他の四人に比べても、いかに雲のジュウザが別格の扱いを受けていたかがおわかりになるはずである。
南斗聖拳の中では五車星より位の高い六星拳よりも、実質的にはおそらく実力は上だというところからも、
作者の彼に対する力の入れようが伺えよう。
●後続キャラへの影響
ラオウ編後の元斗皇拳編で、同じような性格と気質で、幼き娘を守るために生きるアインという漢が登場するわけだが、
彼は明らかにジュウザのフォロワーキャラだということは、北斗好きにとっては、周知の事実。
とゆーか、ラオウ死後も、人気があったから連載を続けなければいけなかった作者の
「あ~!!終わらせてくれないなら、俺が好きな感じの漢、また出しちゃうよ、もう!!」といった心の叫びが聞こえてきそうで、
今、読み返しても、乱世だったあのころ(ジャンプ最バブル期)を思い出し、
「胃カメラって、やっぱいてーのかなあ…?」などと、無駄に歳くった自分を恥じている真最中なわけである(苦笑)。
…まあ、んなことはともかくとして、おそらく作者はジュウザというキャラを思いつき、読者からの絶大な支持も得たことによって、
こいつは主役にできる!とも確信したのではと。
それが後の『花の慶次~雲の彼方に~』という時代モノの、前田慶次というキャラに繋がっていることは、
これまた北斗好き漢にとっては、もはや常識。(~雲の彼方に~って、サブタイトルがまた、ジュウザを彷彿とさせてイカす!)。
他者が描いた漫画のキャラへの影響としては、『WORST』の花木九里虎、『銀魂』の銀ちゃんなどが挙げられるとも思われるかと。
つーことで、誰に頼まれたわけでもなく、今後も北斗な男たちについて、
勝手に吠える! 媚びぬ! 退かぬ!!