巌流島ってどんな所?

  by 大林憲司  Tags :  

 宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘したことで知られる巌流島。この名前はよく聞くのではないかと思いますが、実際に巌流島を訪れた人はそれほど多くないでしょう。
 現在の巌流島がどんな所なのかご紹介します。

☆巌流島は関門海峡の彦島の近くにある無人島

 巌流島は住所で言うと「山口県下関市大字彦島字船島648番地」になります。山口県と福岡県の間を流れる開門海峡に浮かぶ無人の小島で、昔は「船島」と呼ばれていました。

 関門海峡のちょうど真ん中辺りに浮かんでいるイメージをお持ちの方も多いでしょうが、実際は下関市にある彦島のすぐ近くにあります。その近さですが、私の友人が始めて巌流島に到着した時、「向こう(彦島)とは繋がっていないんですか?」と聞いたくらいです。つまり場所によっては、巌流島と彦島は陸続きになっているように錯覚するくらい近いのです(実際は彦島と巌流島の間には海がありますが、門司側と比べると格段に狭いです)。

 巌流島は埋め立てにより、昔に比べると6倍ほどの大きさになっています。島内は下関市が整備した公園部分と企業が所有する部分があり、企業が所有する部分には立ち入ることはできません。

 巌流島は無人島ですが、昭和の一時期には人が住んでいたこともありました。

☆現在の巌流島は下関市の観光地の一つ

 人が住まなくなってから、訪れる人もいなかった巌流島(アントニオ猪木とマサ斉藤が巌流島で戦ったのは、そんな状況の巌流島でした)。しかし、大河ドラマ『宮本武蔵』の放映に合わせて、下関市が島の一部の土地を買収して公園化し、下関市唐戸との間に定期航路が開設されるなどして、下関市の観光地の一つとなりました。

 現在では島内でコンサートやプロレス、それにリレーマラソンなどのイベントが行われることがあります。

☆巌流島内のご案内

 巌流島の北側に浮き桟橋があり、ここに定期船が到着します。浮き桟橋から小さな丘が見えますが、丘の周囲が昔からある巌流島の主要部分になります(丘とその丘の上に生えていた松が船と帆柱に見えたことから「船島」の名前がついたと言います)。

 あまり知られていませんが、丘の北側に小さな社があります。巌流島の土地神と竜神を祀った祠で、彦島にある彦島八幡宮の末社となっています。

 南へと遊歩道が伸びているので、それに沿って進みましょう。途中には船の形をした記念碑や東屋、それにトイレがあります。

 なお、知られざる島内の名所としては「佐々木巌流の碑」があります。遊歩道から外れた丘の南側にひっそりと立つ石碑で、巌流こと佐々木小次郎を記念したものです。
 佐々木小次郎のお墓というわけでもないのですが(明治以前には卵型をした佐々木小次郎の墓と呼ばれるものがあったのですが、今は所在不明です)、毎年四月にはこの碑の前で佐々木小次郎の慰霊祭が行われます。

 さらに遊歩道を進んでいくと平坦な丘があり、その上に現在の巌流島のシンボルとなっている、宮本武蔵と佐々木小次郎像の銅像があります。この銅像は大河ドラマの放映に合わせて建てられたもので、ここが巌流島観光のメインと言っていいでしょう。ここからは関門大橋を初めとする関門海峡の風景がよく見えます。

 丘の先には人工の砂浜が作られていて、「武蔵が乗ってきたという設定の小船」が置かれています。

 ほとんどの人はそこで引き返しますが、その先にも遊歩道は続いていて島の南端まで行くことができます。島の南端は東屋の置かれた展望所となっていて、北九州市小倉方面を眺めることができます。なお、その先は企業の所有地となっていて、立ち入ることはできません。

 なお、巌流島にはタヌキが住んでいます。人の来ない社有地を主な生活の場にしているようですが、たまには公園部分にも出てきて姿を見ることができます。

 決闘の行われた巌流島のタヌキなので、「他を抜く」、つまり見た人は勝利を得られるとも噂されています。

☆巌流島への航路

 巌流島へは、下関市の唐戸と北九州市門司港から船が出ています。どちらかというと、下関市唐戸からの航路を利用する人が多いでしょうか。。
 どちらの航路も関門汽船という会社が運営していますが、土日祝日に限り、下関市唐戸から(株)チャレンジという別の会社が船を出しています。「フロンティア号」という黄色の目立つ船なので、土日祝日にはそちらを利用してもいいでしょう。
 なお、往復とも同じ会社の船を利用する必要があります(おそらく、島内に取り残される危険を防ぐため)ので、注意が必要です。

関門汽船
http://www.kanmon-kisen.co.jp/
巌流島上陸クルーズ フロンティア号
http://www.challenge-8.com/timetable.html

☆巌流島観光の留意点

 巌流島にはトイレはありますが、売店や自動販売機はありません。またゴミ箱もないので、ゴミは持ち帰る必要があります。
 基本的に巌流島は、関門海峡の眺めを楽しみ、宮本武蔵・佐々木小次郎像を見ながら二人の決闘に思いを馳せる場所です。

 実は幕末に坂本龍馬とその妻のお龍が、この巌流島にやってきて花火を上げて楽しんだのだそうです。当時の巌流島は無人島なので、花火を上げても問題ない所だったからでしょう。

 巌流島は過剰に何かある場所ではありませんが、関門海峡の雄大な眺めを見ながら、歴史を振り返る場所なのでしょう。

巌流島ホームページ
http://www.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/kanko/ganryujima/

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