九州限定・ローソンの「官兵衛ゆかりの幕の内弁当」を食べてみた

  by 大林憲司  Tags :  

この1月から始まったNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」。関東地区ではあまり視聴率がよくなかったとも聞きますが、北部九州地区では初回の視聴率24.8%と好発進。やはり黒田家が藩主となった大分県中津や福岡県では黒田官兵衛で盛り上がっているようです。
そこで福岡県における官兵衛ブームを伝えていきたいと思います。

さっそく1月から九州地区のローソンでは「新春官兵衛祭」を実施。官兵衛にちなんだ商品を投入してきました。そのメインとなるのが「官兵衛ゆかりの幕の内弁当」です。
ローソン【九州】「官兵衛ゆかりの幕の内弁当」発売
http://www.lawson.co.jp/company/news/084787/
歴史好きな私はさっそく買ってみました。

見た感じ、和風幕の内弁当ですね。でも、ローソンのHPによりますと「今回の企画は、『軍師官兵衛』福岡プロジェクト協議会事務局、福岡県、福岡市、大河ドラマ『軍師官兵衛』推進協議会(中津市)に後援を頂きました」とのことで、結構力入ってます。
どうやら黒田家に関係ありそうな食材と、大分県中津と福岡のうまいものを集めたお弁当のようです。

ローソンのHPによると黒田家に関係するのは、れんこんきんぴらと筑前煮。

レンコンは黒田官兵衛が非常食として城の周囲に植えさせたとも言われており、現在でも福岡城のお堀には蓮の花を見ることができます。
筑前煮はその名前の通り、福岡の郷土料理です。福岡では『筑前煮』とは言わず、『がめ煮』と言います。一説には「いろんな食材をがめ込んで煮る」からだとも言われます。(この『がめ』は『がめつい』の『がめ』だと思っていただければ。)

その二つの味付けに使っているのは福岡市の老舗『ジョーキュウ醤油』の醤油だそうです。
このジョーキュウ醤油は、福岡市大名というファッショナブルな店が並ぶ街中にあります。大名を歩いていてジョーキュウ醤油を見つけた時、「こんな街中に醤油の店が?」と驚いた記憶があります。
話は飛びますが、ジョーキュウ醤油の近くには、剣豪の宮本武蔵がしばらく滞在していたとの話もあるようで、そんな歴史のある街で作られた醤油だと言えるでしょう。

その他は、福岡と大分中津のうまいものを集めたお弁当になってます。
まずご飯は、福岡を代表する辛子めんたいこを乗せたご飯と大分の鶏飯の二種類。

単に白い飯にしなかったのがいい選択でした。どちらもうまかったですよ。
おかずのメインはなんと言っても鶏のから揚げでしょう。大分県に住んでいない限り、中津の名前を聞くことはそれほど多くはないと思います。でも、福岡では『中津からあげ』の名前をよく見ます。『中津からあげ』はからあげのブランドと言っていい存在で、当然のことながらこのお弁当にも入っているわけです。
ただ、このから揚げはあっさり目で、むしろ大分名物『とり天』に近い感じがしました。

この「官兵衛ゆかりの幕の内弁当」は、全体的にあっさり目ですが、から揚げでバランスが取れている、いい幕の内弁当だと思いました。

ただ、こういうキャラ系のお弁当としては、もっと「けれん味」を出してもいいように思います。たとえばよくある「これは官兵衛の赤合子をイメージしました!」ぐらいのことはやってもよかったと思いますよ?

そして一番問題なのが「この料理は大分県に由来します」などの説明書きが全くないことでしょう。実はローソンのHPにアクセスしない限り、入っている食材がどんな理由で入っているのかわからないんです。
「ほう、子供の長政が筑前太守だから『筑前煮』が入っておるのだな」と感心しながら食べるのが、この系統の商品の楽しみのはずです。

もし、九州地区以外でこの「官兵衛ゆかりの幕の内弁当」が発売されることがありましたら、そこら辺は考えていただけたらと思います。

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