全国のラーメンを食べ歩くラーメンライター、井手隊長です。
東京・神保町にある「キッチンきらく」。「麺や 七彩」の店主・阪田博昭さんの手がける、阪田さんの頭の中がそのままお店になったような宝箱のようなお店。ラーメンだけでなくいろんなメニューがあって、行くたびに新メニューが追加されていて凄い。
そんな「キッチンきらく」で気になっていたメニューがある。その名も「カツカレー焼きそば」(2500円)。
名前だけで情報量が多い。カツカレーなのか、焼きそばなのか。その両方なのか。メニュー名を見た瞬間から「大人の夢」が詰まっている。
しかもこの料理、会津にあった名店の味を阪田さんが再現した一品なのだという。ただのデカ盛り系や色物メニューではなく、しっかりルーツがあるところに惹かれる。今回はついにその一皿に挑戦してきた。
「大盛無料」の誘惑に抗えず、せっかくなので大盛で注文。待っている間から周囲のお客さんの視線が少し気になる。そして運ばれてきた瞬間、思わず笑ってしまった。デカい。
皿いっぱいに盛られたソース焼きそば。その上に堂々と鎮座する揚げたてのカツ。さらにその上からたっぷりとカレーがかかっている。炭水化物、揚げ物、カレー。人類が好きなものを全部重ねてしまったようなビジュアルだ。
だが、ただ豪快なだけではない。
まず驚いたのが焼きそばの完成度。ソース焼きそばというと味が濃くなりがちだが、この焼きそばは絶妙な塩梅。カレーがかかることを前提に設計されているのか、単体では程よい味付けになっていて、カレーと合わさった時にバランスが完成する。これが実に面白い。
カレーにソースをちょっとかけると美味しい、という感覚があるが、その相性の良さを焼きそばで立体化したような感覚なのだ。スパイス感のあるカレーとソースの香ばしさが混ざり合い、口の中でジャンクさと奥深さが共存する。
そして、カツもしっかり厚みがあり、衣はサクッと、しっかり肉感がある。カレーに浸っている部分と、まだサクサク感が残る部分で食感の違いを楽しめるのもいい。
さらに嬉しいのが、野菜と豚肉がたっぷり入っていること。こういう夢メニューは勢い重視になりがちだが、この焼きそばはちゃんと具材感がある。キャベツの甘みや豚肉の旨みがソースと絡み、単なる大盛り料理では終わらせない説得力を持っている。
食べ進めるうちに、だんだんと戦いになってくる。ボリュームがすごい。
途中から箸を持つ手が重くなってくる。物理的に腕が疲れる。だが不思議と飽きない。カレー、焼きそば、カツという三位一体の構成が、最後までテンションを維持してくれる。
そして完食。
「いやぁ〜食った食った!」自然とそんな言葉が漏れる。満腹感だけではなく、面白いものを食べたという高揚感も残る一皿だった。
神保町には名物カレー店が数多くあるが、「キッチンきらく」のカツカレー焼きそばは、そのどれとも違う独自路線を突き進んでいる。B級グルメ的な楽しさがありながら、ちゃんと料理として成立している。しかも、どこか懐かしさもある。神保町で腹いっぱい夢を食べたい日には、ぜひ挑戦してみてほしい。
キッチンきらく
東京都千代田区神田神保町1丁目5 M2神保町 1F

