長期保存可能な非常食はどうやって食べる?ローリングストックという考え方を実践してみた!

  by 古川 智規  Tags :  

日本が災害の多い国であることは日本国民であればだれもが知る事実であり、多くの災害を経験してきた。記者が個人的に経験した大規模災害は阪神大震災が初めてであり、当時はまだなかった震度7を兵庫県西宮市で経験した。ライフラインは途絶え、これほどの大規模災害に対しての備えも十分ではなかった当時はとにかく水と食の問題が最初に解決すべきことであり、衛星や住環境等は二の次で、避難所が満足に開設されることもなく方々を駆け回り食料を確保した記憶がある。

その後に東日本大震災を東京で経験したが、そのころにはある程度の災害インフラが整っており、阪神大震災当時ほどの困難さはなかったが、津波の被害に直面した東北ではまた別の問題が多く発生したのは記憶に新しい。食料については、レトルト食品や缶詰が一般的に備蓄されるが、災害備蓄に特化した長期保存用のものも開発され実際に販売されている。それでも家庭単位では十分に備えられているとはいえず、今後の課題でもある。

そこで、アルファー食品(島根県出雲市)が提唱する「誰もが食べられる備え」の普及についての問題意識に基づいた食品を食べてみたのでレポートする。同社の問題意識とは、その非常食が「すべての人にとって食べられるものか」という視点まで考慮されているかどうかだ。

同社の長期保存食シリーズの賞味期限は5年~7年である。ご飯(アルファ化米)を中心に、おこげ、レトルトのおかゆやスープなど約30種類を取り揃え、非常時でも「誰もが食べられる」ことを諦めない備えを提案している。記者が試したのは「安心米9食セット」で、ご飯が4種類9食分で3日分がセットになっている。賞味期限は5年である。

裏面に調理方法が書かれているが、基本的には箱のままクローゼットやキャビネットや本棚等の取り出しやすく災害が起きてもつぶれにくくわかりやすい場所に置いておけばよい。最低限必要なものは水だけである。

特に発熱材が同梱されているわけでもなく、開封すると脱酸素剤とスプーンが入っている。脱酸素剤とスプーンを取り出して、底部のマチを作り立てやすいようにする。そして注水線まで熱湯を入れて15分待つのが基本の作り方だ。

しかし、いつでも熱湯が手に入るとは限らない。災害初期は水を確保するので精いっぱいでお湯を沸かすまでの余裕はないし、燃料を確保するのはまだ先の話である。その場合は長期保存水があれば水を入れて約1時間で調理可能なのが本品の利点である。

ひとまずは白米を熱湯で調理してみた。若干水が多かったような気もするが、ふっくらと炊き立てのご飯が出来上がった。

ただし、白米だけを食べるというのは江戸時代ならいざ知らず、現代社会ではそう多くはなく何かしらのおかずが必要だ。缶詰でもあれば問題ないが、できればふりかけを入れておくとずいぶんと食べやすくなる。セット内にはふりかけはないため、自前で用意しておくと安心だ。ここだけが本品のウィークポイントかもしれない。

おこわはちゃんともち米が使用されていて、冷めても美味しい。水だけで作ってもおこわならば問題なく食べられ、腹持ちも良い。ちなみに本品1袋の米飯の量は大盛り1杯分はあるので、足らないということはないだろう。非常時に1日2食にすれば4日分はある計算になる。4日もあれば援助物資が到着するはずだし、避難所での炊き出しも行われているだろうから食の心配はなくなり、次の衛生環境や住環境の問題に対応することができる。

このレビューをしている最中に、たまたま体調がすぐれない日があり、記者は迷わず本品を開封してお湯を多めにしておかゆ状にして食べた。無理して起き上がり外に出ることもなく、調理らしきことする必要もなく、カトラリーを用意する必要もなく乗り越えることができた。災害時でなくても、体調がすぐれない時に迷わず本品を開封すればとりあえず1食はその場で食べることができるのは安心感につながる。

長期保存が利く非常食であってもいつかは賞味期限は切れてしまう。その際にローリングストックという考え方が現在では一般的だ。賞味期限が切れる前に実際に食べてみて調理方法や味を知っておくということだ。消費した分は買い足してまたストックしておくのだ。最低限の食料と水さえあれば、けがの問題は別としても生きてはいける。食の問題は災害時にひと時の安心感を与え、パニックにならずに今後に対処する冷静な考えをまとめる原動力にもなる。コメはぶどう糖に分解され、すぐに脳の栄養として供給される利点もあるので、まずは落ち着いてご飯を食べるということを忘れずにいたいものである。機会があれば他の非常食についてもレビューしていきたい。

※写真はすべて記者撮影

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