インドカレーはどうして日本人の味覚を虜にするのだろうか。突如として食べたくなるインドカレー。一度食べたくなったら最後、インドカレーを食べるまでその気持ちは収まらない。強く人を惹きつけるグルメ、それがインドカレー。
実際に食べて本当に感動したインドカレー・ネパールカレー10選
今回は「実際に食べて本当に感動したインドカレー・ネパールカレー10選」と題して、心から本当に美味しいと感じた国内外のインドカレー・ネパールカレーのお店をお伝えしていきたいと思う。調べて2025年に営業していることを確認しているが、年末年始、ゴールデンウイーク、お盆、シルバーウイーク等の休日を含め、臨時休業があるかもしれないので、行く場合は事前に確認してほしい。
今回の10選には、パキスタン、バングラデシュ、スリランカなど、インド・ネパール以外の比重が多い店は含めていない。それらの名店は改めてお伝えしたいと思う。
1. 警察公式ポリス食堂
ポリス食堂はチェンナイ警察本部の敷地内にあります。敷地内には警察官の寮があり、警察官だけでなく、その家族も住んでいる。まずはじめに、ライスと根菜カレー、漬物、パパド(インド式せんべい)、ゆで卵が盛られた皿を渡される。
あとは自分でスープ(サンバル)やヨーグルトをお好みでかける。筆者はかけまくった。警察官によると、まず最初に渡されたままの状態で食べ進め、あとからスープやヨーグルトを足して食べると良いとのこと。
どうやら、最初からすべての食材を混ぜて食べる流れは一般的ではないっぽい。「最初にこれを食べて、そして次は……」と細かく教えてくれた。優しい。「Police Mess」(Old Commissioner office, Komaleeswaranpet, Egmore, Chennai, Tamil Nadu India)
2. ちょうたら
そもそもここ、隠れ家的ではあるのだが、本当の意味で隠れ家ともいえる店舗。入口の看板以外、どこからどう見ても民家である。民家の玄関らしき場所はあるが、そこからは入らない。
民家っぽい店舗の横道から庭に行き、庭で靴を脱いでから、縁側から入る。まさかの縁側イン。民家っぽく、庭があり、縁側もある。確実に民家的。ミールスをオーダー。さまざまなカレーや総菜がセットになったもの。サンバル、ラッサム、カレー、ポリヤル、ダルフライ、アチャール、チャトニ、バスマティライス、パパドがひとつの皿に盛られている。実においしそうなスパイスの薫りを放っている。丁寧に作っている感がハンパない。カオスに盛られているようで、極めて丁寧に、気を使って盛られている。もはやアート。
このアートを崩したくないが、食欲に負けて崩して食べるが、アートを崩した罪悪感は、そのおいしさによって一瞬で消える。うまい、うますぎる。言うまでもなく、食後のチャイも美味である。シメに飲みたい。「ちょうたら」(静岡県下田市吉佐美2167-3)。
3. タンガラージ
インドで一番ウマいと信じて疑わないインドカレー屋がココ。それはポートブレアにある野外大衆食堂「タンガラージ」(Thangaraj / MP9Q+JWM, Biggie Line, Sri Vijaya Puram, Andaman and Nicobar Islands)です。朝の5時から営業していて、朝食から夕食まで地域住民にとって欠かせないお店になっている。チャイ、パン、カレーをセットにして食べることができた。店員さん、外国人だとわかったようで、席取りや料理の説明など、親切にしてくれた。優しい。
インドパンはいろいろな種類が用意されているが、今回はパロタをオーダー。そこに豆カレーや野菜カレー、スープなどが盛られる。食べ放題なので、どんどんカレーが出てきた。パンも「いらない」と言うまで追加される。この店に来て満腹にならない人はいない。
玉子焼きをカレー等に浸して食べると絶品。そもそもカレーやスープがかなり素朴でストレートなテイスト。食材の味の良さを最低限の塩味で引き出している感がある。つまり、毎日食べても飽きないインドメシ。「Thangaraj」(Thangaraj / MP9Q+JWM, Biggie Line, Sri Vijaya Puram, Andaman and Nicobar Islands)。
4. コチンニヴァース
ここのインド料理のウマさは伝説級。そもそもこのようなディープなインド料理店が存在していること自体が神話級。「コチンニヴァース」は住宅街にポツンとある。店内は激しく狭い。かなり狭い。筆者が知ってるカレー屋さんのなかでダントツで狭い。そんな狭い店内にテーブル席とカウンター席がある。カウンター席のおかげでひとり客も入りやすいから嬉しい。
メニューは豊富。何をオーダーしても絶品だが、オススメはレモンライスとほうれん草系カレー。でも今回はチャパティとパロタ(パラタ)とキーマニルギリとマトンペッパーマサラにした。チャパティとパロタは他店と大きく違っていて独特。
特にパロタは10年前から少しずつ変化している気がしなくもない。かつてはもっとオイリーでインド感があったが、現在のパロタは硬めで油感は少なく、ふわふわ感もない感じ。独特!!「コチンニヴァース」(東京都新宿区西新宿5-9-17)。
5. カーシヴィナーヤガーメス
ランチタイムに行ってみると、店の前にはたくさんの人たちがいた。店内は満席。店内に入って代金を支払うと整理券が渡されるので、そこに書かれた番号を呼ばれるまで店の前で待っているわけだ。
料理の美味しそうな薫りが漂っていて、早く食べたい気持ちが高ぶる。価格は110ルピー(約190円)です。待つ間に手を洗う。お店の入口に手洗い場があるので、そこで洗う。この手洗い場は、食べ終えたあとも使える。
素手で食べるの手洗いは必須。素手で食べるのだが、意外と熱い。少しずつ冷やしながら食べる。うまい、うますぎる。過剰な味付けはされておらず、かなり繊細で食材の旨味を生かした仕上がり。この素朴さがヤミツキになる。たまらない。「Kasi Vinayaga Mess」(No 5, 58/2, Akbar Sahib St, Police Quarters, Triplicane, Chennai, Tamil Nadu India)。
6. 三燈舎
ナンはないが南インド料理としては定番のドーサかバトゥーラ(揚げナン)からパンを選ぶことができ、どちらを選んだとしても生地の香ばしさがカレーのスパイスの旨味を盛り上げて絶品。もし興味がわいたならば、カレーとカレーを混ぜて生地を浸して食べてみてほしい。
カレーが三種類ついてくるが、ラッサムやスパイシーなスープのサンバルも他のカレーとミックスして食べてみるのも楽しい。あくまで私見だが、南インドで食べるインドカレーよりも旨味が深いと感じたのは気のせいだろうか。スパイスが食材から旨味と甘味を引き出しているようにも感じた。「三燈舎」(東京都千代田区神田小川町3-2)。
7. ニューラーマットレストラン
ボルネオ島の都市コタキナバルに行くことがあって、夜中にお腹が空いたならば、インド料理が美味しいハラル料理店「New Rahmat Restoran」に行くといい。この店はインド料理をメインに数多くの料理を堪能できる食堂。
現地の言葉や英語が分からなくても大丈夫。メニュー表に書かれている料理や、陳列されている料理を指さしてオーダーすればいい。そして親切な店員が対応してくれるし、外国人にも非常に優しい。ハラル料理の店でもあるので食材は限られるが、それでもどれも絶品だ。
この店の味をカンタンに言えば、素朴だがしっかり美味い。つまり毎日食べたくなる味。スパイスを使用していながら辛くなく、でも薫り高い。調味料で誤魔化さず、素朴なパンを素朴な料理とともに食べる。南アジアの家庭料理に近いといえる。「New Rahmat Restoran」(1, Jln Tugu, Kampung Air, 88000 Kota Kinabalu, Sabah)。
8. 豊平峡温泉
豊平峡温泉(ほうへいきょうおんせん)はその名のとおり温泉なのだが、温泉施設の中に入るとカレーの薫りがただよっている。「インドカレーを食べる人」と「温泉に入る人」で会計が分かれているのもユニーク。インドカレーが食べられる食堂を覗いてみると、かなりの大盛況。インドカレーをおいしそうに食べているお客さんたちが大勢。
ちなみにこの温泉、お土産人気ランキングの1位が温泉の石鹸、2位が温泉まんじゅう、そして3位がビリヤニだ。なにかがおかしい(笑)。ナンが軽い食感なので、かなり大判ではあるものの、どんどん食べ進められるのも良き。
やや粘度が高めのチキンマサラは絶品。爽やかでありながら強めの酸味が楽しめ、香ばしくハードタイプに仕上げられたナンにバッチリとマッチする。これ、温泉施設のインドカレーとは思えないレベルであり、信じられないハイクオリティ。「豊平峡温泉ONSEN食堂」(北海道札幌市南区定山渓608−2)。
9. ネーブル
グルメなフランス人が推すのも理解できる味。ひとつひとつが素朴でありながら素材を最大限に生かし、地味じゃあないおいしさに仕上げてる。
特に注目したいのがチャパティ。ナンではなくチャパティを食べてほしい。チャパティの湿度が絶妙で、極薄ながら表面はカラッと、内部はモチッとしているのが最高のチャパティだと思うのだが、まさにそれが「Navel」のチャパティ。
チャパティをカレーにどっぷりと浸して、食べれば、カレーのスパイスが味覚にダイレクトに辛味を伝えつつ、チャパティに染み込んだカレーが新たな旨味を生んで強いコクと、尾を引く奥深さを奏でる。「Navel」(4 rue de Suez paris france)。
10. スパイスツリー
スパイスをふんだんに使用し、注文を受けてからじっくりと手間をかけて調理。もちろん下ごしらえも十分にしてあることから、魅惑の味を解き放つまで「悠久の時間」をかけているといえよう。
彩り豊かな盛り付けで登場するプレート。シンプルに単品のカレーを堪能したのち、ふたつのカレーをまぜて食べれば、まさにディープな南アジアの風が吹く。最後にヨーグルトも混ぜて、爽やかなテイストでシメたい。
よくあるインドカレー屋と決定的に違う点は、味のグラデーションが深いこと。美味しさの一波だけでなく、二波、三波とスパイスとコクの奥深さを感じさせるのである。これほどまでに美味しい南アジアの風を感じる店は非常に希少といえよう。「スパイスツリー」(神奈川県逗子市逗子7-6-25)。
11. ハスティ・テイスティ
料理のオーダーはカウンターでするファストフード店タイプ。コーヒーやシェイクやホットスナック系も充実してて、おそらく現地人はファストフード感覚で使用してる。めっちゃお客さんいまくりで大盛況。観光客的な人、あまり見かけない。
ファストフード的だけど、店員さんがしっかりチャパティやパラタが手作りだった。チャパティを手に持つと、めっちゃ熱い。いま焼いたばかりで、焼いて1分経ってないと思われる。でもこのチャパティ、油がジュワ~とジューシー。チャパティってカラッとしててパサパサしてる点が魅力だが、ここは違う。
……そうか、パパドの油をチャパティが受け止めているのか。だから熱いわけだ。食べる。チャパティに激アツのパパドアブラ浸透しててうまい。カレーは素朴。カレーは煮物であると考えれば、これは間違いなく真のカレー。「Hasty Tasty」(27V8+4M3, Gandhi Rd, Chauk Bazaar, Darjeeling, West Bengal India)。
12. ホットスプーン
店内に入ると、テーブル席のほかに小上がりの座布団席もあって、雰囲気としては和風も混在している不思議空間。そしてなによりワクワクするのは、店内でインド食材が多数販売されている点。もはやここはインド食材商店。
ここでは間違いない定番のインドカレーが食べられる。いや、定番でありながら「定番を徹底的にインド寄りに追求したインドカレー」が食べられる。真の意味での本場がそこにある。
カレーはかなり濃厚で、味が濃厚なのは言うまでもないが、その濃いおいしさが、密度の高い具材とスパイスからもたらされていることがわかる。ここのカレー、液体ではなく固形を食べている感が強いのである。ハフムシャッと食べ進めればインドの風を感じるはず。「ホットスプーン」(富山県射水市戸破3662)。
13. やっぱりインディア
インデアンターリーはカレー3種類、ナン、サフランライス、パパドがセットになっている。カレーはポークチリキーマカレー、家庭料理風フイッシュカレー、豆とほうれん草カレー、バターチキンカレーから3つ選べる。
ナンはプラス100円でチーズクルチャ(チーズナン)に変更可能。ちょっと待って。たった100円でチーズクルチャにできるなんてお得すぎる。普通300円くらい追加する必要があるのに、良心的すぎる価格設定。嬉しい。
ポークチリキーマカレー若干スパイシーでうまい! 豆とほうれん草カレーまったりうまい! バターチキンカレー甘くてうまい! ライスが絶妙な硬さと水分量で、しっかりカレーを吸い込み纏ってうまい! なによりチーズクルチャがチーズ大量で満足度高め。生地にもまけないチーズ量なので「生地ばかりでチーズ感少ない」なんてことはない。ポークチリキーマカレーとの相性も良き。「やっぱりインディア」(東京都豊島区南大塚3-50-3)。
14. TANE
もしスパイスカレーマニアなのであれば必食の店といえる。美しいだけでなく、魅惑のスパイスと食材が味覚を刺激する。
素朴な汁物、スパイシーなカレー、そしてそれを受け止めるライスと、刺激を付加する添え物。最初はひとつずつ単体で食べ進めたいが、大半はミックスしてガッツリと豪快にいただきたい。これぞスパイスのマリアージュ、辛味、酸味、甘味、旨味、そしてそれらがシンクロすることで生まれる新たな味覚を抱擁するかのような刺激、そのすべてがたまらなく絶品。
別府といえば温泉や郷土料理の街ではあるが、このようなハイレベルなスパイスカレーのお店が誕生した以上、「別府はスパイスカレーを食べに行く場所」という新たな概念が生まれるかもしれない。「TANE」(大分県別府市駅前本町10-2)。
間違いなく美味しい体験ができるインドカレー・ネパールカレーのお店
あまりにもおいしくて素晴らしいインドカレー・ネパールカレーの名店が多いため、10選では収まらなかった。ここで紹介したお店は間違いなく美味しい体験ができるので、もし機会があれば立ち寄ってほしい。
ちなみに、味だけでな雰囲気や独自性も含めて選んだお店を紹介したが、ほかにも多数の素晴らしいインドカレー・ネパールカレーの名店があるので、今後、それらもご紹介していきたいと思う。あなたが行きたいと思ったお店はあっただろうか。
※画像とその価格は撮影時のもの

