「THE VOC@LOID M@STER」(略称ボーマス)とは、ボーカロイドに焦点をあてた同人即売会のことだ。同人と企業が一体となって、イベントを盛り上げているのが特徴。今年は「企業ブースが熱い」という噂を聞きつけ、池袋サンシャインの文化会館に取材に行ってきました。
とにかく、建物を取り巻く長蛇の列にびっくり。いったいどこが最後尾なのだろう、と思うほどの盛況ぶりで、改めて、ボーカロイド人気の高さを印象づけた。入り口近いところには、YAMAHAブース。今年、夏、発売になったばかりの「ZOLA_PROJECT」が大きく展示され、柴咲コウさんのアイディアでうまれたボカロキャラによるCD「ギャラ子 SUPER BEST」が即売され、注目を集めた。アンケートに答えると、キャラクターイラスト付のポスターやクリアファイルが無料でもらえ、人気を博していた。
また、近く発売が予定されている、i-style Projectの新ボカロキャラ、メルリの中の人として、注目を浴びている声優、鎌田美沙紀さんも応援にかけつけ、CDやグッズの即売の盛り上がりに花を添えていた。
結月ゆかり、氷山キヨテルといった人気ボカロライブラリーを手がける株式会社AHSのブースでは、新ソフト「キャラミんstudio」が注目を浴びた。これは、楽曲にあわせ、3Dのキャラクターが歌い、踊る、というもので、ボカロP初心者にとって、敷居が高かった動画づくりに特化した意欲作だ。
新作ラッシュとあって、各企業ブースとも熱かったが、それにも増して、同人の新作CD、等の即売会の盛り上がりには、驚きを覚えた。人気のボカロPさんのブースでは、即興のサインを求める長蛇の列。突然のことに、「自分でいいの?」と、サインに戸惑うPさんもいた。また、人気のボカロやアニメのキャラクターに扮したコスプレイヤーも、会場のあちらこちらに見受けられ、ここは、日常とかけ離れた、ハレの場所、そう、別世界のように思われた。イベントを裏で支えるスタッフ、同人、企業が一体となった、「THE VOC@LOID M@STER 27」は成功裏に終わったよう。