アリ植物というものがある。アリ植物は、アリと共生関係を持ち、その植物体の上にアリを常時生活させるような構造を持つ植物のことである。日本には確実なものはないが、世界各地の熱帯域にその例が知られる。
アリは小さいが肉食性が強いものも多く、丈夫で攻撃力もあり、しかも大きな集団で活動するので一部の特殊な動物以外はそれを避ける傾向がある。そのため、アリが多くいるところにはそのような動物は寄りつかないか、アリによって排除される。
そこで、自分の体の上でアリが暮らせるように進化した植物がある。それがアリ植物(myrmecophyte、ant plantとも)である。このような植物では、アリが巣を作るための腔所が植物体のどこかに作られ、またアリが好む蜜を分泌するなど、アリを誘引し、栄養供給を行う仕組みを持っているものが多い。
今回、アカシアという植物が出す蜜が酵素を含んでおり、その酵素はアカシアの蜜以外の養分を消化できなくするはたらきがある。アカシアの蜜を舐めたが最後、アリはアカシアの奴隷となってしまうのだ。
参考 National Geographic news:アカシア樹液でアリを奴隷に変える Wikipedia:アリ植物
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