【MUSABI短編映画祭】美大発・SF映画が初公開!映画祭受賞作も多数上映

12/16(火)・17(水)、武蔵野美術大学 映像学科で制作された400本を超える映像作品の中から選抜された11本の短編映画を上映する〈第1回 MUSABI短編映画祭〉が開催される。

映画祭入選・受賞作を多数輩出する武蔵野美術大学 映像学科

1990年に開設され、今年で35年目を迎える武蔵野美術大学 映像学科は、これまでにカンヌ国際映画祭の学生部門をはじめとする数々の映画祭の入選・受賞作を輩出してきた。

学部・大学院併せて、2年間で400本を超える作品が制作され、オウ・セイ(2024年度卒業)の修了制作『手/Hand』はアヌシー国際アニメーション映画祭にノミネート。井上優衣(映像学科4年)が授業内で制作した『ロ-16号棟』はぴあフィルムフェスティバル2025で審査員特別賞を受賞している。

今年、映像学科の客員教授に就任した佃尚能による「これらの作品が一堂に会した、上映機会を作った方が良いのではないか?」という提唱から立ち上がったのが、武蔵野美術大学 映像学科の上映イベント〈第1回 MUSABI短編映画祭〉だ。

アップリンク吉祥寺で2日間、11作品のセレクション上映

共催に名乗りを上げたのは、若手映像作家の育成・応援に力を入れるアップリンク吉祥寺12月16日(火)・17日(水)19時半から、2024年-25年に学内で制作された作品の中から11本の短編が上映される。

前述の『手』『ロ-16号棟』の他に、今年のソウル国際女性映画祭に選出された、ゴーアサン・メイドゥオの『シャオシェンの物語』、澁谷インディペンデント・フィルム・フェスティバルで最優秀賞を受賞した中田未空の『そうぞう』など、アニメ・CG・実写など様々な手法による映像作品を織り交ぜたラインナップとなっている。

【映画祭詳細】https://musabi-tanpen.peatix.com/

注目作品は 2学科コラボで作られたSF短編映画『ストケシア』

注目作品は、学部2年生と3年生が履修する今学期の授業〈映画ⅢB〉で制作され、初公開となるSF短編映画『ストケシア』

美術を空間演出デザイン学科、映像制作を映像学科が担当する2学科コラボレーションによって制作されたこの作品では、美術監督・内藤愛の指導の下、学内スタジオの床一面に水が張られ、森と教室が融合した美術セットが創られた。

物語の舞台は、人類の記憶をコントロールできる装置『ストケシア』が開発された未来。全ての人の記憶を消すと存在まで消えてしまうことが判明し、科学者の伊津原は、装置の開発過程で何か重要なものを消滅させてしまったことに気付く。「私たちは一体何を消したのか…?」を探す物語。

3人の学生が草案を持ち寄り、『牙狼<GARO>』シリーズの脚本家・梅田寿美子が1つの話にまとめた。音楽は『江ノ電ものがたり』の作曲家・堀田ゆき。連続テレビ小説『虎に翼』などで活躍する女優の江守沙矢山﨑みらの、映画『はたらく細胞』で話題の子役・堂口環那が出演。監督は映像学科3年の河合あんずが務める。

『ストケシア』予告編を含む 主題歌MVが先行公開

『ストケシア』の主題歌は、シンガーソングライター・仲街よみが物語に合わせて書き下ろした『追憶の花』。収録最終日に、MVも本編と同じセットで撮影され、インターネットで先行公開された。

『ストケシア』は〈第1回 MUSABI短編映画祭〉ラインナップの1本としてアップリンク吉祥寺で2日間上映される。未来の映像作家たちのこれからに注目したい。

仲街よみ『追憶の花』MV
(短編映画『ストケシア』主題歌)
https://www.youtube.com/watch?v=AWmWnuzdvGk

映画、映像、エンタメ系Webライター。国内外エンタメマーケットの現場から、日本のエンタメを取り巻く空気感をお伝えします。

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