ノーベル物理学賞が「ヒッグス粒子」に決まった。これは早い受賞だ。なにしろ、発見されたのが昨年、2012年7月4日のこと。そのときの存在確率は「99.9999%」以上であり、さらに実験を進めて確度を高める必要があった。
東京大や高エネルギー加速器研究機構などの国際チームは、ヒッグス粒子が崩壊して別の素粒子に変わるパターンなどを調べ、質量が陽子(水素の原子核)の約134倍にあたる125.5ギガ電子ボルトと判定。素粒子の自転を表す量「スピン」も理論通り「ゼロ」と確認。
これらの結果から「学術的に発見が確定した」と結論付け、欧専門誌「フィジックス・レターズB」で公表したのが、昨日(10月7日)のこと。こんなに早いノーベル賞の受賞となったのは、物理学者が100年かけて作り出してきた「標準理論」の17の素粒子のうち、一番最後の素粒子だった「ヒッグス粒子」の発見が確実になったからであろう。