日本のニュースで『Ｘで炎上騒ぎ』が起こると、騒がせた当人なり企業が謝罪するのがお決まりになっているようですね。大企業などは公式Ｘにも細心の注意を払い、問題は起きにくい対策が練られているでしょうが、あまり知名度がない…と言っては失礼ですが、炎上騒動の発端となった、大阪市住之江区の大型商業施設ATCシーサイドテラス内にある『南港ストリートピアノ』の公式Ｘの発信は感じ悪かったですね。
「練習は家でしてください。練習を重ねてつっかえずに弾けるようになってから、ここで発表して頂けたら幸いです」
「誰かに届いてこそ『音楽』です。手前よがりな演奏は『苦音』です」
これはキツイ！ 非常に印象の悪い文面で、読みながら文章に対し拒否反応を覚えます。
この『南港ストリートピアノ』はＸ投稿他、声明文も出しておられます。
「この南港ストリートピアノはフードコートの中にあります。つっかえてばかりの演奏に多くのクレームが入っており、このままだとこのピアノを撤収せざるを得ない状況です」
「練習は家でしてください。練習を重ねてつっかえずに弾けるようになってから、ここで発表して頂けたら幸いです。誰かに届いてこそ『音楽』です。手前よがりな演奏は『苦音』です」
ここまで来ると冷血にすら感じます。でも、言わんとする気持ちも分からないではないんです。商業施設に置かれたピアノでつたない演奏をされたら、耳心地はよくはないと思いますよ。私自身は下手な演奏のストリートピアノを聴いたことがなく、ストリートピアノに挑む方々は腕に自信がある方々に思っていました。
たまたま、つっかえた演奏者が弾き出したので、ハードルが低くなったと言うか、レベルの低い方々が、その商業施設で我も我もと弾き出したのかもしれません。イヤな言い方かもしれませんが”偏差値”が落ちていることに運営側は警鐘を鳴らしたかったのでしょう。
ある番組を見て感心したことがあるのですが、ある観光ホテルはピアノ演奏の上手い方には、ホテルロビーのグランドピアノの演奏と引換えに、宿泊代、食事代がタダになるそうで、両者にとりいい関係ですよね。ピアノ演奏の能力の対価を宿泊＆食事代で賄っているのです。これはあくまで”取り引き”ですから、ストリートピアノとは全く主旨が異なります。
ストリートピアノは『街中・街角などの公共の場所に設置された誰でもが自由に弾ける状態のピアノの通称』とあります。そして『演奏するために許可が必要な物はストリートピアノとは呼ばれない』からして、自由に弾いていいピアノのように思えますね。運営側がストリートピアノの定義を知らなかったと言うか、理解不足だったのでしょう。
そして、炎上騒動により、自分達のＸ投稿に問題があったことに気付いたのでしょう。結局、『南港ストリートピアノ』は謝罪文を発表し、ピアノ自体撤去検討でしばらく使用休止とされるそうです。
人間はあらゆる失敗をしでかします。人間は言葉をつかうので、この言葉で失敗することは多いです。『口は禍の元』ということわざもありますし、世界一のベストセラーである聖書にも言葉による失敗に関する御言葉があります。
「私たちはみな、多くの点で失敗をするものです。もし、ことばで失敗をしない人がいたら、その人は、からだ全体もりっぱに制御できる完全な人です。」（ヤコブ3:2）.
そうなんですよね、このストリートピアノの問題に関しても、多くの著名人がコメントを出され、更に注目されておりますが、もし、『南港ストリートピアノ』のＸ投稿に愛やユーモアーがあれば、ここまで炎上することはなかったと思います。あの、Ｘ投稿は苦虫を嚙み潰したようなイヤな後味しか残りません。
世の中のニュースは決して他人ごとではなく、自分に置き換えて、そして、言葉遣い、言わない事の選択に注意を払いたいと思います。
