コロナ騒動の最中はワクチンが行きわたるまでの間、とにかく「免疫」というワードが報じられない日はなかった。自己免疫を高めるにせよ、ワクチンや感染で免疫を獲得するにせよ、いずれにしても免疫というものがこれほど重要なキーワードになったのは初めてではないだろうか。予防と免疫のおかげでコロナの騒動はおさまるまでにある程度の時間を要したが、気が付けば毎年大流行するインフルエンザは鳴りを潜めたのも事実だ。
現在でもその精神は生かされ、町の店舗やトイレに行けば必ずといっていいほどエタノール消毒が待っているし、予防で手洗いやうがいを励行する人も多い。これも教訓なのかもしれない。自己免疫というのは目には見えないのでわかりにくいが、医学と科学技術の発達により解明されたものも多い。疫病が流行すると中世では怨霊や祟りを鎮めるための加持祈祷、果てはアマビエまで登場して実際にコロナ騒ぎの中で脚光を浴びた。現代ではさまざまな自己免疫を強化する物質が発見されており、食品メーカーもそれらを取り入れた製品を開発する。しかし医薬品ではないので飲めばすぐ効いて病気を治すものでもない。何事も継続して体を強くする予防医学の範疇なのだ。
キリンビバレッジが11月5日(火)に発売した「キリン iMUSE(イミューズ)グリーン」は、コロナなのか季節的にインフルエンザなのかはわからないが、発売5日間で年間販売目標の約7割に当たる540万本を突破しということだ。これは2024年に新たに発売した「プラズマ乳酸菌」入り飲料の中で、最速での販売推移のようだ。「iMUSE」シリーズは自販機やコンビニ・スーパーでよく見かけるが、合計5商品のラインアップになっているのは知らなかった。健康や意識が高い方は積極的に飲んでいるのだろうが、記者はお世辞にもよく飲んでいるとは言えない。そこで5商品のうちイメージが付きやすい2商品について試飲してみた。
よく見るのは左のヨーグルトテイストだ。プラズマであろうが何であろうが「乳酸菌」と名が付けば、連想する味はヨーグルト風味だろう。それ以外はないといっても良い。乳酸菌飲料やヨーグルトは万人が好む味なのでこのままでも問題はないのだろうが、前述したように免疫ケアという点では摂取し続けることこそが大切で、いくら意識が高くても毎日同じものを飲み続けるにはさすがに飽きがくる。
インフルエンザとは言わないまでも、ちょうど風邪のシーズンでもあり、みかんをはじめとする柑橘類でビタミンをとろうと思う今日この頃なので、柑橘系のフレーバーだけではなく果汁を使用して需要の高いビタミン類もプラスしちゃえというのが右のグリーンだ。
本品には1000億個のプラズマ乳酸菌と1日に必要なビタミン類(B1,B6,C)が配合されている。本品は機能性表示食品なので、届出がなされている。機能性表示食品の内容は、届出表示として「本品には、プラズマ乳酸菌(L. lactis strain Plasma)が含まれます。プラズマ乳酸菌はpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています。」と明記されている。医薬品ではないので治療等を目的としたものではないのは言うまでもない。
実際に飲んでみると、いわゆる乳酸菌飲料の思っていた味ではない。果汁としてグレープフルーツ、レモン、りんごを使用しているので、グレープフルーツの味と風味が強い。味そのものはスポーツドリンクに近く、ジュースとは遠い。よってグレープフルーツ味のスポーツドリンクにレモンや乳酸菌の酸味が少し加わったという感じだろうか。総合的にはサラッと気軽にミネラルウォーターの代役にもなりそうだ。
普段はヨーグルト風味の方でも冬の時期はグリーンに切り替えてみるのも、長続きするコツなのかもしれない。
※写真はすべて記者撮影