俳優・画家 国広富之インタビュー「僕の絵を介して幸せな気持ちになってくれれば」 油絵約20点を日本橋三越本店で展覧中

  by ときたたかし  Tags :  

俳優の国広富之(71歳)氏による作品展が、10月22日(火)まで東京・日本橋三越本店 本館6階で開催中だ。俳優のみならず、画家として成熟し進化し続ける国広氏独自の神秘的な世界観を堪能できる特別な展示会だ。

表現者としてテレビ・映画・舞台に加え、絵画制作も行い、多方面で活躍している国広富之氏の作品展。1990年に池袋・安田生命ギャラリーで初個展を開催して以来、数々の画廊で個展を精力的に開催している。

本展では、近年の新たな境地を表現した作品を中心に、油絵作品約20点を展覧。来場した国広氏本人に話を聞いた。

「精力的にやっています」と年に何度も個展を開いている国広氏。「抽象画の見方が分からなくても、『何だろうこれは!?』とちょっと5分くらい考えてほしいんです。人間は興味を持ち出すと、自分と対話して考え出すもの。抽象画は自分の鏡のようなものですから」とその魅力を語る。

油絵作品約20点を展示。すべてが抽象画だが、カラフルでポップな作品も多数ある。「複雑で分からないものほど面白いものですが、分からなくても僕の絵を介して幸せな気持ちになってくれれば。愛の波動で自己肯定をしてほしいんです(笑)」と想いを作品として発表していると語る。

20代半ばから描き始め、40年以上作品を生み出し続けている。最初は鑑賞だけだったが、「人の絵を観て面白いと思えば買っていました」と振り返る。「僕は幸いなことに芸能界にいましたから、ちょっとお金がありました(笑)。いいなと思ったら小遣いで買っていましたね。心が動くと、今度は自分にも描けそうだとなる。それで始める人は多いですよ」。

70代に入ったが、絵画の創作意欲は衰えない。「60台前半の頃に、自分の絵を肯定出来たような気がしたんです。それを機に、アイデアが尽きることなく描いて来た。この先、どんな絵を描いていくのか自分でも楽しみなんです」。最終日、2024年10月22日(火)は午後5時終了。

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo