国民健康保険料の金額は、所得によって大きく金額が変わります。簡単にいえば、稼げば稼ぐほど保険料が高くなるわけです。不景気なご時世、「払いたくないでござる」な人の気持ちは理解できますが、義務なので、払わないといけません。
職業によっては「保険料を減らす」ということも可能
最近は、所得がそんなに多くなかったとしても「保険料が高すぎる」との声が出ており、ネットの書き込みを読んでみると、保険料で生活苦に陥っている人もいるようです。支払いが苦しいときは役所に相談するとよいと思いますが、職業によっては「保険料を減らす」ということも可能です。
文芸美術国民健康保険に加入するという選択肢
たとえば、漫画家、イラストレーター、アニメーター、画家、デザイナー、作家、カメラマン、ジャーナリスト、ライターなど、文芸や美術などの職業に就いている人向けに「文芸美術国民健康保険」があります。略して文美国保。これに入ると、所得額に関係なく、一律の保険料になります。
多くのアーティストたちが加入しており、漫画家の「やしろあずき先生」や「あんじゅ先生」も加入報告をXでツイートしています。
<やしろあずき先生のXツイート>
「国保がアホほど高すぎるので文美に入ったんだけど、保険証にハンドルネーム入ってるのめちゃくちゃ笑いました」
国保がアホほど高すぎるので文美に入ったんだけど、保険証にハンドルネーム入ってるのめちゃくちゃ笑いました pic.twitter.com/H36F7sC3k6
— やしろあずき (@yashi09) July 4, 2018
<あんじゅ先生のXツイート>
「【国民健康保険を安くする方法】やったー!!! 承認証が届き 漫画家協会に無事に入会できたぞ!! これで文美国保に入れる 国民健康保険がッ 税金がッ 安くなるぞぉおおおおおおっっ」
【国民健康保険を安くする方法】
やったー!!!承認証が届き
漫画家協会に無事に入会できたぞ!!これで文美国保に入れる🤩
国民健康保険がッ
税金がッ
安くなるぞぉおおおおおおっっ(詳しくは #フリーランス税本 ) pic.twitter.com/jaiLjeq3n5
— あんじゅ先生 (@wakanjyu321) August 5, 2022
マンガでわかる文美国保はこちらです
また文美国保に加入するための加盟団体一覧も載せとくよ。この本、すごいよ賢く節税できるからみんなも読んだほうがいいよ
⇩ pic.twitter.com/gmbd4E7fi6— あんじゅ先生 (@wakanjyu321) April 23, 2024
文美国保の保険料は月額25700~31400円
文美国保に加入すると、令和6年度の場合、保険料は1人月額25700円(医療分19900円 / 後期高齢者支援金分5800円)になります。満40歳から64歳までの被保険者は、そこに介護保険料として5700円が上乗せされます。つまり1人月額31400円。
文芸美術および著作活動に従事している個人事業主が対象
文美国保に加入するには「文芸美術および著作活動に従事している個人事業主」である必要があり、さらに「組合加盟の各団体の会員」である必要もあります。なので、まずは文美国保組合加盟の団体に加入してから、文美国保に申し込むという流れになります。
<ざっくりまとめるとこんな感じ>
文美国保組合加盟の団体に加入申請する
↓
加入できた! おめでとう
↓
文美国保に加入申請する
↓
加入できた! おめでとう
↓
今まで加入していた国保の脱退手続きをする
↓
完了
<文美国保への加入申込について>
「当組合は、文芸美術および著作活動に従事している個人事業主の方(小説家や画家等を職業として生業としている方)がご加入いただいている組合です。また、当組合への加入お申し込みは、日本国内に住所を有し、組合加盟の各団体の会員の方が対象です」(文美国保公式サイトより)
実際に文美国保の加入に挑んでみた
そこで今回、筆者は実際に文美国保への加入を試みました。まず、文美国保公式サイトに掲載されている組合加盟の団体リストから、自分の職業に合った団体を探します。団体によっては「団体会員の推薦が必要」なケースがあるので、加入しやすい団体を選ぶとよいかもしれません。
団体が文美国保への加入手続きをしてくれた
加入する団体を決めたら、そこに問い合わせをし、身分が証明できる書類や実績がわかる書類を送り、審査を待ちます。筆者が加入申し込みをした団体は、審査が通ったら自動的に文美国保に加入手続きしてくれました。
1~3か月あれば「団体加入→ 文美国保加入」が可能
今回、記入漏れがあったため、通常よりも1か月ほど時間がかかりましたが、通常1~2か月、遅くとも3か月あれば「団体加入→ 文美国保加入」が可能だと思います。問題なく加入が認められると、保険証が簡易書留で届きます。
団体加入で入会費と年会費が発生するケースあり
ひとつ要注意なポイントがあります。確かに文美国保の保険料は所得額に関わらず、1人月額25700~31400円でお得。しかし、団体加入により、入会費と年会費が発生するケースがあります。その支払いがあったとしても文美国保のほうがお得という人に加入をオススメします。
筆者も団体に入会費と年会費を支払いました。よりお得にしたい人は、最初だけ必要な入会費よりも、毎年支払う必要がある年会費の額のを重要視して加入する団体を決めたほうがよいかなと思いました。
ちなみに日本ゲームシナリオライター協会は入会費無料、年会費12000円。漫画家協会は入会費10000円、年会費20000円。日本ネットクリエイター協会(JNCA)は入会費10000円、年会費24000円。日本デジタルライターズ協会は入会費無料、年会費10000円とのこと。
日本の文藝美術に貢献したい!?
今回、筆者は無事に文美国保に入れたので、しっかりと日本の文藝美術に貢献したいと思ったのでした。……できるかな。
<ざっくりまとめるとこんな感じ>
文美国保は所得額に関係なく保険料が一律
保険料は1人月額25700円
満40~64歳は1人月額31400円
加入には加盟団体の会員である必要あり
加盟団体に入会費と年会費を支払う必要がある場合あり
1~3か月あれば「団体加入→ 文美国保加入」が可能
※詳細は文美国保公式サイトでご確認ください
文美国保に入りました。今後も日本の文芸美術の発展のため頑張ります https://t.co/yZPHEOpFrP pic.twitter.com/m94fl2TA9W
— クドウ秘境メシ (@kudo_pon) September 29, 2024
あんじゅ先生も日本の文化発展のために保険証もってます!!!
ペンネーム入りうらやましい https://t.co/6QjrxNYQij pic.twitter.com/Ni4MOu4tss— あんじゅ先生 (@wakanjyu321) September 29, 2024
※記事内のキャプチャ画像は文美国保公式サイトより引用