6月13日、アメリカ政府は、内戦が続くシリアでアサド政権が化学兵器を使用したと結論づけ、オバマ大統領は、反政府勢力に対して新たな軍事的な支援を行う方針を明らかにした。今回、化学兵器を使った攻撃で100人から150人が死亡したとみられるという。(NHKnews 2013.6.14)
一方、トルコでは、反政府デモが2週間余り続いた6月15日夜、エルドアン政権は抗議行動の拠点となってきたイスタンブール中心部の公園に警官隊を突入させ、デモ隊を強制排除した。
エルドアン政権はデモの抑え込みを続ける方針で、一夜明けた6月16日は、公園一帯に多数の警官隊を展開させ、厳重な警戒態勢を敷いている。これに対して、デモ隊は公園周辺の少なくとも3か所に場所を移して数百人規模の抗議行動を続けており、警官隊が一部のデモ隊に向けて催涙ガスを発射するなど混乱は収まっていない。
アメリカが、他国に起きている紛争についても、「人権」を正義の基準として介入するのは、アメリカらしい行動だ。日本人を何人拉致されても、北朝鮮に対して何もできない日本政府とは雲泥の差がある。ノーベル平和賞のオバマ大統領が、他国に軍事介入できるかどうかが注目される。
化学兵器というと、サリンなどを思い浮かべるが、トルコで使用されている催涙弾も化学兵器に含まれるという。戦争行為での催涙ガスの使用はジュネーブ条約で国際的に禁止されており、一般市民に対して用いる行為が問題とになっている。数年前の「アラブの春」では、各国政府がデモ制圧に利用、多くの市民が負傷し死者も出た。