『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』や『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』などの国民的ゲームの開発に携わり、さらに『弟切草』や『かまいたちの夜』『街 ~運命の交差点~』『トルネコの大冒険』などの名作を世に出してきた人物といえば、麻野一哉さんである。
現在の麻野さんは『テクテクライフ』のディレクター
現在、麻野さんはスマホの位置情報アプリゲーム『テクテクライフ』のディレクターとして活躍。
このアプリは実際に移動した場所を塗りつぶしていくゲームで、散歩したくなるワクワク感、旅をする楽しさ、塗りつぶす気持ち良さが魅力となっており、なんと兵庫県の公式イベント『ひょうごフィールドパビリオン』とコラボ。『テクテクライフ』をプレイしつつ、塗りつぶしながら兵庫県の魅力的な名所を巡れる展開をしている。
『テクテクライフ』位置情報ゲームなのに移動しなくても楽しめる。ありがてえ。【夏のおすすめゲームレビュー】https://t.co/wOU5mx1cDx
地図を塗るだけの簡単システムがクセになる。お出掛けの際は駅やお店のスポットにチェックイン。観光名所を訪れて夏の思い出を残そう。#テクテクライフ pic.twitter.com/2SOBTqTe50
— ファミ通.com (@famitsu) August 10, 2024
麻野さんが兵庫県の職員と淡路島に
そんな麻野さんが、兵庫県の職員とともに淡路島のドラゴンクエスト記念碑などを巡り、新たな展開としてスタートした『テクテクひょうご温泉めぐり』のコラボレーションをアピールする動画撮影をするとのこと。
兵庫県の温泉地を巡りつつ、テクテクライフ内でスポットにチェックインして楽しむコラボだ。
この件について『テクテクライフ』のプロデューサー・田村寛人さんに話を聞いたところ「一緒に行く? 連れて行くよ」とのこと。マジか。いいのか、そんな軽いノリで県庁の仕事に同行して! いいのか!? 行く。
この前、淡路島のスーパーに入って謎に思ったのが、このアイス
マルチアイスって、何? pic.twitter.com/jp1DLDJR7I
— 麻野一哉 (@asanokaz) August 3, 2024
ドラクエ開発者からゲーム情報を聞きだせ!!
実は、同行しようと思った「裏の理由」がある。ドラゴンクエストといえば、アプリゲーム『ドラゴンクエストウォーク』が大人気。
しかも2024年11月14日にはHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(DQ3)が発売される予定で、いまもっともアツいゲームシリーズのひとつ。みんな最新の情報を知りたがっている。麻野さんならば、誰も知らない、まだ公開されていない秘密情報を知っているのでは!? 同行すればそれを聞きだせるのでは!? と思ったのである。
ということで、神戸からバスで淡路島・洲本市へと向かったのであった!
もちろん『テクテクライフ』をしながらバス移動!!
これじゃなかった。
こっちだった。
すごいなー淡路島! でっかい橋! ずっと橋!
麻野一哉さんと兵庫県の職員さんたちと合流
洲本市に到着して、麻野さんと兵庫県の職員さんたちと合流。さっそくドラゴンクエスト記念碑で記念撮影。そこでドラゴンクエストの開発秘話を語る麻野さん。それを動画で撮る職員さんたち。なかなかシュールである。
ゲームの裏情報を教えておくれよ
ドラクエ開発時の裏話を語るようすは兵庫県の公式YOuTube動画で公開されているのでそれを確認してほしいのだが、こちらとしても、誰も知らないスゴいゲームの秘密情報を知りたい。教えてほしい。
さっそく「なんかゲームの裏情報ないですかねぇ?」と聞いてみたのだが、「うーん、すぐには出てこんなぁ」とのこと。そうか、そりゃそうだ。すぐに話せないからこそ裏情報なのだ。旅に同行しつつ、交流を深めて聞き出していくことにした。理解!
堀井雄二さんのサインと記念撮影する麻野さん
麻野さんとともに、ドラゴンクエスト記念碑に隣接する建物『S BRICK』にやってきた。中に飾られている、堀井雄二さんのサイン。そこで記念撮影。ドラクエ開発者なのにファンにしか見えない!
紡績工場だった『S BRICK』でアート
この『S BRICK』はもともと紡績工場だったらしく、いまはレストランや子供たちが遊べる人工芝の室内広場がある。
糸や廃材などを使用してアート的作品を作ることも可能。工具も用意されているので、カンタンに作れるらしい。……ということで、麻野さんも挑戦。
テクテクがらみの仕事で、50年ぶりくらいに淡路島に来て、「工作してください」といきなり言われ、50年ぶりくらいに工作する pic.twitter.com/hISasceoyy
— 麻野一哉 (@asanokaz) July 22, 2024
このアートから裏情報のヒントを読み取れということか!
途中、作品がちょっとセンシティブじゃないかなと不安に思ったが、まったく問題なかった、安心した……。それにしても奇妙なアートである。何かのモンスターに思えなくもない。
……まさか、これ、ゲームの裏情報と関係するアートなのでは!? 気になったので「これの名前は何ですか!?」と聞いたところ意味深な表情で「なんだと思う?」とのこと。
……はっ! このアートから裏情報のヒントを読み取れということか! 深い。深すぎる。筆者が未熟すぎるのか、このアートからは何も伝わってこない!! もっと精進せねば。
なんかゲームの裏話とかないですか?
その後、テクテクライフで地図を塗りつぶすべく、職員さんの案内を受けながら洲本市の商店街を歩く麻野さん。
ダメモトで「なんかゲームの裏話とかないですか?」と聞くも、「暑い」とのこと。
夏なんだから暑いのは当たり前だよね。とか思いつつも、「暑い」という言葉に何かしら裏情報のヒントが!? 気になる!!
暑いなら海だ!
ということで海にやってきた職員さんと麻野さん。
……おっさんたちが海で何をやってるんだ。
全ての行動に裏情報のヒントが隠されている!?
しかし、海にやってきたことにも意味があるはず。意味もなくおっさんが真夏の海で砂遊びするはずがない!
麻野さんは気がついてほしいと思っているはず。全ての行動に裏情報のヒントが隠されていることに!
でもわからない。まったくわからない! それより暑い。
そして……、そうだ! 山に行こう。山に吹く風ならば涼しいはず!! みたいな流れになって山に移動することに。
もっと暑かった。
……が、絶景だった。
まるでドラゴンクエストの竜王の城かのように山のてっぺんにそびえる洲本城。かっこいい。
この洲本城から裏情報のヒントを読み取れということか!?
……えっ、ちょっと待って。もしかして、これものすごいヒントなのでは。この洲本城から裏情報のヒントを読み取れということか!? 麻野さん、深すぎる!!
でも……。名もなき不思議なアート、暑さ、海、ドラゴンクエスト記念碑からも見える洲本城、どんどんヒントが集まってきた気がする!! ドラゴンクエストに関する重大な裏情報が隠されている気がしてきた!!
そろそろゲームの裏情報教えてくれないかな
山をのぼって疲れ気味の麻野さん。テクテクライフで地図を塗りつぶしはするものの、体力の限界。
ゲームの裏情報がないかと聞いても「暑い」と言うばかり……。
麻野さんは思っているはず。「こんなにヒントを与えているのにまだわからぬのか」と。すみません、まったく理解できない。未熟すぎて。答えがわからない。
夜に居酒屋でビールを飲ませてゲームの裏情報を聞くしかない
麻野さんは暑さでクタクタになっている。ドラクエでいうところのHP1くらいの状態。FFでいうところのHP1くらいの状態。さらに筆者もヒントをまったく理解できず、頭がフットーしそう……!
もうコレはアレだ。これは夜に居酒屋でビールを飲ませたときに、酔った勢いで話させるしかない。淡路島のウマいもん食いながら酔えば、その勢いで凄いゲームの裏情報を教えてくれるかもしれない!
……ということでやってきた居酒屋。ガンガン飲んで、ゲームの裏情報聞き出すぞ……!
筆者「ヒントまったくわかりません! 降参です!!」
麻野「ヒント? ん?」
筆者「裏情報を教えてください! もうすぐドラクエ3リメイクが出ますし、裏情報を知りたいです!!」
麻野「あるかなぁ~。もう言い尽くした気がするんだよなぁ……」
筆者「あるくせに! もったいぶらないで!! さあ、ビールもグビグビ飲んで!」
麻野「ああっ! ある! これ私しか気がついてないと思う」
筆者「キター! マジすか! 教えてください」
麻野「いつも行くトレーニングジムのインストラクターさんがゲーム好きで、セガの『龍が如く』が好きらしいのよ」
筆者「ふぁ!?」
麻野「その主人公、桐生さんっていうんだけど、ゲームキャラなのに「さん」付けなんだよ。マリオさんとか、クリボーさんとか、リンクさんとか、カービィさんとか言わないじゃない? なのにみんな桐生さんだけ桐生さんって呼ぶんだよ、なんで桐生って言わないの? それに気がついてしまったんだよ私は」
筆者「……」
麻野「不思議だよね。桐生さん、どんだけ尊敬されてんのって話」
筆者「ドラゴンクエストの裏情報を知りたいです。ドラゴンしか共通点ないですよ」
麻野「桐生さん……」
麻野さんが桐生さんの話しかしなくなったので帰った。
そうめんとおでんを食べる麻野さん
翌日、現地のうまそうな食堂でランチ。そうめんとおでんを食べる麻野さん。実にうまそうに食べる。
きっと食べながら心のなかで思っているのだろう。「あれだけヒントをあげたのに何もわからないとは未熟者よのう」と。
得るものはたくさんあったといえるかもしれない
結局、筆者は桐生さんの話しか得るものがなかったのであった。……そもそも、それは得たといっていいのか。何も得ていないのではないだろうか。最後に残ったのは、テクテクライフの塗りつぶした地図だけなのであった。
いやしかし、旅の思い出は永遠。淡路島にあるテクテクライフのスポットもチェックインできたし、温泉にも行けたし、海にも行けたし、山にも行けたし、城も観れたし、絶景もあったし、得るものはたくさんあったといえるかもしれない。
桐生さん……。
とあるバーに行ったら、ワンオペで超忙しいマスターが、デザートにこんなの作ってくれた! pic.twitter.com/SaskDr4i0I
— 麻野一哉 (@asanokaz) August 8, 2024
取材協力: テクテクライフ
※記事画像は『テクテクライフ』『ドラゴンクエストウォーク』より引用