市原隼人インタビュー WOWOW×テレビ東京『ダブルチート 偽りの警官 Season2』の主人公は「つかみどころのない人物。最終話でどこに着地するのか追いかけていただけたら」

  by ときたたかし  Tags :  

俳優の市原隼人さんが主演を務める「WOWOW×テレビ東京 共同製作連続ドラマ ダブルチート 偽りの警官 Season2」が現在、WOWOWにて放送・配信がスタートしています。

Season1の向井理さんに代わり市原さんが主演の本作では、詐欺師たちの世界を舞台に、手に汗握るスリリングな本格クライムサスペンスが展開。市原さんはかつて海外拠点の特殊詐欺で逮捕された経験を持ち、出所後に詐欺会社・ライドクリーンに入り込み、圧倒的な詐欺の知識とセンスを武器に、成り上がっていく田胡悠人を演じています。

ご本人にお話をうかがいました。

■公式サイト:https://www.doublecheat.com/ [リンク]

●人気作のシーズン2ということで、出演が決まった時はいかがでしたか?

WOWOWとテレビ東京の共同製作ということで、(この2社)ならではのものを期待しました。僕は元々WOWOWのファンです。他媒体ではなし得ないほど生々しくテーマを掘り下げて提供するクオリティが高い作品ばかりですので、本当にうれしかったです。

根本的な作品の理念のようなものは変わっていないと思いますが、シーズン1とはまったく違うテイストだと思っていただいてよいと思います。シーズン2の意義としては、深く役の心情を掘り下げ、潮の満ち引きのように一気に感情があふれ出すようなテイストになっています。

●作品の魅力については、どのように受け止めていらっしゃいますか?

本作のシリーズを通して、本当の正義というものは何なのか、悪にも正義というものがあるのかどうなのか、必要悪というものはあるのか、何かを犠牲にした上で成り立つ正義というものはあるのか……いろいろなことを考えた上で、結局自分が決めた正義は、自分勝手なところがあるのではないか、そのような事を考えさせられました。

誰かの犠牲の上に成り立っている正義かも知れないということは、それは詐欺師だけでなく、すべてのところに共通する部分なのかなと思うんです。僕の演じる田胡悠人という人物を観て、お客様ご自身の環境や、生活、生きるということ、なぜ生まれたのか、なぜ生きているのか、我々は死後何を残すべきなのか、そういうことを考えるような作品になっているなと思いました。

ひとりの詐欺師の個人的な物語であって、それは(シーズン1のように)決して誰かを救おうという気持ちではないと思うんです。ですので美化されるようなものではないのです。脚本には書いていなかったのですが、現場で気付いたら涙が止まらない事がありました。良いのか悪いのか、正解が分からない。いいものが撮れましたと監督に仰っていただきましたが、それでも正解かどうかは分からない。常に迷いの苦悩の中にいました。とても繊細な感情で、弱くもあり、強くもあり、そんな姿を観ていただいて、共感してもらえることもあると思うんです。

●田胡悠人は複雑なキャラクターだと思いましたが、何を大切に演じていたのでしょうか?

もともとは愛に満ちあふれていた人間でした。それが一線を超えてしまってから、何が正義か分からなくなってしまった部分があり、そこから誰かを犠牲にして自分の中で作り上げた道理だけを信じてしまう部分があったと思うんです。とにかく迷い続けたい想いが、現場でもありました。詐欺師を演じながら孤独な時間も演じるのですが、孤独な時間の中ではつねに逡巡の中にいる役でした。田胡自身は自分がどんな人間か分かっているけれど、どうしていいかが分からない。ですが、分からないことがひとつの答えなのかなと、その答えがないことの中にお客様に投げかける大きなテーマがあると。

つかみどころのない人物ではあると思うんです。でも、そんな人物が最終話でどこに着地するのか追いかけていただけたら幸いです。

■ストーリー(第1話)

詐欺師を欺き、悪を裁く詐欺師“K”の顔を持つ多家良(向井理)は警察に追われる身となり、謎のサロンの主宰・海藤周(陣内孝則)からも命を狙われる。多家良の身を案じる捜査二課のひかり(内田理央)は、彼の相棒だった矢柴(荒川良々)を訪ねるが、同じ頃、海外拠点の特殊詐欺で逮捕歴がある田胡悠人(市原隼人)が、多家良の前に現われる。果たして田胡の目的とは…? 予測不能のクライムサスペンスが幕を開ける――。

ヘアメイク:大森裕行 (VANITES)
撮影=オサダコウジ

「WOWOW×テレビ東京 共同製作連続ドラマ ダブルチート 偽りの警官 Season2」
WOWOWプライム・WOWOWオンデマンドにて、毎週土曜日 午後10:00~放送・配信中
WOWOWオンデマンド、WOWOW公式YouTubeチャンネルでは、第1話を無料見逃し配信中

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo