1939年のノーベル生理学・医学賞は、ドイツの生化学者、ゲルハルト・ドーマクが発見した薬剤「プロントジル」の抗菌効果の発見に対して贈られた。
「プロントジル」というのは、赤色アゾ染料の一種。1932年ドーマクが、赤色プロントジルを調べたところ、レンサ球菌に感染したマウスを治療できた。レンサ球菌による感染症は重篤なものも多く、ヒトに対して効果があれば貴重な薬品となる。
このとき、偶然ドーマクの娘がレンサ球菌感染症に感染し、他の治療がすべて効果を発揮しない段階に至って、赤色プロントジルを投与したところ完治し、確証を得た。
プロントジルの効果は抜群であった。ドーマクの愛娘を皮切りに、有名、無名をとわず、数多くの人の命を次々と救う。イギリスの首相ウィンストン・チャーチルの命も、その一つであった。もし、プロントジルがなければ、1942年にチャーチルは死亡、第二次世界大戦は違ったものになっていたかもしれない。
後に、染料が重要なのではなく、この化合物から分解して生じるスルファニルアミドが効力の本質であることがわかり、スルホンアミド (-S(=O)2-NR2) 部位を持つ合成抗菌剤・化学療法薬(サルファ剤という)が数多くつくられた。サルファ剤は、生物由来ではないので、抗生物質とは違う化学療法剤である。
サルファ剤は、どういう仕組みで働くのだろうか?
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参考HP HONZ:歴史を変えた魔法の弾丸 Wikipedia:ゲルハルト・ドーマク サルファ薬