『ハードボイルド・レシピ』眉村ちあきインタビュー、主人公像は「自分が集中している時の一面を引き出したら怖くなると作られたもの」

  by ときたたかし  Tags :  

インディーズ映画としてヒットしたドキュメンタリー『眉村ちあきのすべて(仮)』に続いて、眉村ちあき・主演&松浦本監督の再タッグが実現した最新アクション映画『ハードボイルド・レシピ』が公開となります。

昨年年末の先行上映でも話題を集めた本作は、眉村さん演じる悪党専門ボディガードの少女が、裏取り引きの運び屋をガードすることでさまざまなことに巻き込まれていくサスペンス・アクションです。

主演のみならず、エグゼクティブ・プロデューサーと音楽も担当した眉村さんにお話を聞きました。

■公式サイト:https://www.hardboiledrecipe.com/ [リンク]

●演じられた悪党専門ボディガードの少女は、闇の任務も普通の仕事として捉えているなどギャップが楽しいキャラクターですよね。

それでも最初はどういう意味か分からなくて松浦監督やマネージャーさんに質問しながら、少しずつキャラクターを理解していきました。監督の脳内が未知すぎてほわほわしていました(笑)。

●松浦本監督とは、長くともに仕事をされていますよね。

そうですね。わたしは株式会社会社じゃないもんという会社を設立しているのですが、その映像担当で社員としていてもらってもいるんです。ただ、5年くらい一緒にいますが、いつも何を食べているのかも分からないし、全然本人のことは分からないです。撮影の日はコーヒーしか飲まないなどミステリアス加減がレベチで(笑)。わたしもミステリアスな女を目指しているのであこがれています。

●そういう眉村さんの個人的な要素もキャラクターに反映されているような印象も受けましたが、その点はいかがでしょうか?

今回のキャラクターを作る上で松浦監督がおっしゃっていたことは、「眉村さんはライブなどで一緒になったアーティストさんや他の方を見ている時の目が怖いんですよ」と。普段でも集中している時は目が鋭いらしいんです。なので、その面を引き出してみたら怖くなるんじゃないかと言っていました。だから彼女はわたし自身なのかも知れない(笑)。

●個性的なキャラクターがたくさん登場しますが、気に入ってるシーンはありますか?

新宿の街で凶悪三姉妹”マニラシスターズ”の長女を尾行していて、わたしと運び屋役の藤本ルナさんが歩きながらアタッシュケースを運んでいるシーンの、あの余裕そうな感じが好きです。たぶん尾行されていることも気付かれていると思うんです。それでも絶対に巻き返せると余裕そうに歩いてるシーンが好きです。ふたりの余裕そうな顔が好きです。

●そして今回、映画音楽も担当されました。

面白かったです。インストゥルメンタルを初めて作ったのですが、思っている以上に地味にしたほうが、映像が映えることを知りました。音を少なく、単調くらいにしたほうが映像を邪魔しないことに気付いて。初めて音で主張ではなく、映像を主張するための音作りをやらせてもらって、そういう学びがありました。

●今回の作品、ファンの方にはどうアピールを?

わたしのファンの方たちは、わたしがニコニコをしている姿しか知らないはずなので、冒頭から「え、そんな顔するの!?」って驚くと思います。びっくりすると思いますが、松浦さんや近くのスタッフしか観たことがないようなサイコな睨み顔が観られると思ったら、映画館に来てもらえるのかなと思うので、わたしのファンの方にはひとり残らず絶対観てほしい です(笑)。

■ストーリー

海外のある犯罪組織が日本進出をスタートし、裏社会が緊迫する年の暮れ。組織は争いを最小限に抑えるべく、悪党専門のボディガードを用意する。それはこの国の人々に溶け込み、ターゲットを守り、必要とあらば迎撃もこなす少女だった。

いよいよ始まる大型の取り引き。運び屋の女を守るべく配属されたボディガードの少女。そして大金の匂いを嗅ぎつけた悪党たち、凶悪三姉妹、汚職刑事たちが集い、強奪を企て始める。悪いやつら同士の監視と追尾、一触即発の危険な取り引きが始まろうとしていた。

©松浦企画/SUPER BENTO ENTERTAINMENT

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo