映画『FLY!/フライ!』でハト集団のリーダー・チャンプ役を演じたヒコロヒー「一歩踏み出すテーマがあります。新しい環境で頑張っていく人たちにも観てもらえたら」

  by ときたたかし  Tags :  

大ヒット作『ミニオンズ』『怪盗グルー』『SING/シング』『ペット』シリーズのほか、全世界の興行収入13億ドル(約2000億円)越え、日本でも140億円突破の特大ヒットとなった『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を手掛けたイルミネーション。同スタジオが『SING/シング』以来7年ぶりの完全オリジナルストーリーで贈る最新作『FLY!/フライ!』が、現在公開中です。

とても家族思いだけれどちょっと神経質な父親のマックを堺雅人さん、明るく頼れる家族の要・母親のパムを麻生久美子さん、好奇心旺盛で自立にあこがれる兄ダックスを黒川想矢さん、そして元気いっぱいでお転婆な妹グウェンを池村碧彩さん、トラブルメーカーとして一家を振り回すものの、どこか憎めないダンおじさんに羽佐間道夫さん、一家が旅の途中で出会う不気味で年老いたサギのエリンを野沢雅子さんなど、豪華日本語吹替版キャストが本作に命を吹き込んでいます。

今回、一家が旅の道中で出会うハト集団のリーダー、チャンプ役のヒコロヒーさんに話を聞きました。

●今回、映画『FLY!/フライ!』で日本語吹替え声優が決まった時、心境としてはいかがでしたか?

これまでサンリオさんのアニメーションの声優やナレーションの仕事はあったのですが、日本語吹替え声優の経験はなかったので、ちょっと大丈夫かな、みたいな気持ちでした。なので、ご迷惑をかけないようにしようという感じでした。

●実際やってみていかがでしたか?

楽しかったですし、大変でしたけれど、勉強になりました。この映画、 怖いけれど一歩踏み出そうみたいなテーマもあったりするんですよ。なのでわたしも出演の話が出た時に、「したことないからええわ」って言っていたら、出会えなかった人たちもたくさんいた。本当に映画と相まみえるような始まりだったなと思います。

●そして今回演じられたキャラクターは、NYのワルなハト集団のリーダー・チャンプでした。

ニューヨークで生活していて、ニューヨークはたぶんとても鳩が多いイメージだと思うのですが、その鳩の集団のリーダーをやっている、ちょっと不良っぽい女の子。チャンプは威勢がいいし、口も悪いところがありつつ、周りの人を放っておけないところもあるキャラクターです。

●公式の説明だと親分肌的なキャラクター・性格だそうですが、ヒコロヒーさん自身と比べていかがですか?

いやいや、もう全然近くはないんじゃないですかね(笑)。親分ではない。思ったことを言う、ちょっと言葉使いが荒いなどは似ている気がしますが。

●声だけのお芝居の難しさみたいな点はいかがでしょうか?

堺雅人さんもおっしゃっていたのですが、台本を見て、次に映像を見て、また台本を見る、台本を見ていると映像を見られないし、映像を見ていたら台本を見れないしで。本職の声優の方たちは、どこを見てお芝居をされているんだろうと、そこはすごく難しかったです。なので、監督が丁寧に提案してくださったので、それに従う感じでしたね。

●先ほど一歩踏み出す勇気がヒコロヒーさんご自身の気持ちとも重なったと言われていたと思いますが、改めて本作のテーマについて心動かされたところはありますか?

壮大なテーマがあると思いました。鳥がいろいろなところに行って旅をして、その冒険が大きなテーマなのですが、その中でも大人が見ても子供が見ても分かるような瞬間があったり。この映画を観て久しぶりに思い出したのですが、そういえば小さい時って空を飛んでみたいとかみんなたぶん思ったことが一回はあると思うのですが、そういうことを体感できる、そういう映画だなって思いました。

●子供だけでなく、全世代に響くものがある点が素晴らしいですよね。

そうですね。家族であったり、一歩踏み出すところであったり、そういう局面で何を選択するのかということも描いていたりするので、誰が観ても楽しんでいただけると思います。ちょうど今の時期、新しい選択があったり、不安の中、新しい環境で頑張っていく人たちも多いと思うので、そういう人たちに観ていただいてもいいですよね。怖い瞬間もあるよね、不安に思うこともあるよねって。でも、説教臭くなく楽しく感じてもらえる映画だと思うので、本当にいろいろな人に一回観ていただけたらなと思います。

撮影=オサダコウジ

『FLY!/フライ!』
公開表記:大ヒット上映中!
©2023 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.
配給:東宝東和

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo