4日から始まった『ブギウギ』第23週が終わった。この週は、スズ子(趣里)がアメリカ公演に出かけたこともあったが、やはり何と言っても梅吉(柳葉敏郎)の死去と、実母・キヌ(中越典子)との再会だろう。
「危篤」という知らせを聞いて、香川にいる梅吉のもとへ愛子(小野美音)とともに駆けつけるスズ子。梅吉は病床にあり弱っていたものの、まだかろうじて会話ができる状態だった。梅吉は「嬉しくて2時間ほど寿命が伸びたわ」と冗談を言う。
かつて経営していた銭湯では、ツヤ(水川あさみ)に任せて酒ばかり飲んでいた梅吉だったが、香川では若い頃、写真館を営んでいたという。当時梅吉が撮った写真を懐かしそうに眺めるスズ子。この後、水着の女性の秘蔵写真が発掘され、スズ子が「何これ!?」とドン引きする一幕もあった。
この後、スズ子は、医者から「今夜が山だ」と聞かされる。スズ子は、寝ている梅吉に、両親、そして六郎(黒崎煌代)と血がつながっていなかったことが引っ掛かっていたことを打ち明ける。だが梅吉は「ワシとツヤちゃんのホンマの子やけん、何も言う必要ないやろ」「心と心でつながってんのや」と返す。そして『東京ブギウギ』の替え歌、『父ちゃんブギ』を2人で涙ながらに歌うのだった。
“親子”の最後のやり取りにネットでは、
・泣けて泣けて仕方がない
・「父ちゃんブギ」のアイデアすごいね。あれは泣かされるよ…。
・父ちゃんブギ、名曲
といった声が寄せられた。
といった声もある。
梅吉が亡くなり、葬儀が執り行われる。スズ子はそこに参列した、白髪で杖をついて歩く女性に目を奪われる。それは15年前、一度だけ会った実の母・キヌだった。あのとき幼かった、父親違いの2人の子どもも立派に成長していた。
スズ子は息子たちに愛子と遊んでもらい、キヌと2人で話す時間をもうける。その場所はスズ子が幼い頃、出生の秘密を聞かされ、走り抜けた思い出の松林だった。
スズ子はキヌに「また、会いましょね」と語りかける。キヌはぎこちない笑顔で「はい…また…」と返す。その会話には、やはり15年の空白がある。キヌは目に涙を浮かべながら立ち去ろうとする。その背中ごしで、愛子が「あのおばあちゃん誰?」とスズ子に聞く。スズ子は「マミーのマミーや」と答える。キヌはこの言葉に、心揺らぎながら、涙をこらえ、礼をするのだった。
直接、キヌに言うのではなく、愛子に語りかけるという演出が憎らしい。
ネットでは、
・過去一泣いた キヌさん、雪解けして良かったね
・スズ子のたくさんの伝えたい想いがマミーのマミーとの説明の中に入ってて、キヌさんには伝わったのがほんと良かった
・スズ子の「マミーのマミーや」。スズ子がキヌさんを受け入れた究極の一言。これ以上の親孝行ってありますか…?
といった声が見られた。
血のつながりがなかった梅吉との永遠の別れ、そして実母・キヌとの再会と別れ……。波瀾に富んだスズ子の人生。その心の傷が、彼女がたくましく生きる原動力となっているのかもしれない。