主に事務用品を販売しているファンも多いおなじみキングジムだが、収納用品や事務用品が主で旅行用品として発売しているものは少ない。しかし、使い方によっては立派に旅行用になるものを厳選して実際に旅行してみたので、用途の一例としてレポートする。
東京から新幹線と在来線を乗り継いで行ったのは三重県伊勢市の神宮参拝だ。通称、伊勢神宮と呼ばれるが正式には「神宮」が正しい。そのうちの代表的な2社が皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)である。昨年の神札やお守りを返納して、新しいものを授与してもらい、参拝したことを証する御朱印を受け、内宮に接続するおはらい町を散策しながら食べ歩きを楽しむといった旅行の場合、何よりも両手が空いていてかつ、御朱印帳やカメラのメモリーカードやバッテリー等の出し入れが容易であることが旅行を楽にこなす肝となる。では、持って行ったキングジムの用品の数々を用途別に紹介する。
チアーズ ワイヤーポーチ
基本的な使い方は女性用の化粧品ポーチが代表格の「チアーズ ワイヤーポーチ」は、透明な収納力抜群のポーチだ。メーカーの想定では女性用の化粧ポーチとしての用途が例として紹介されているが、ガバッと開くので比較的大きなものでも立てたまま安定して入るので、デジタル系の小物を収納するのに便利だ。移動中に取り出すものではなく、出先の安定した場所で取り出すものを収納しておくのに向いている。最近は観光旅行に出てもリモートで仕事ができるので、宿泊先やカフェのWIFIを利用してのPC作業も可能で、その際に必要になるACアダプターや充電機器を収納しておくと便利だ。記者の場合は取材で動画収録する機会もあるので、簡易型のガンマイクも入れておけるので便利だった。
ホルポ
最近は駅のごみ箱はめっきり減って、自分で持ち帰ることが多くなった。新幹線や特急列車ではゴミ捨て場があるが、ちょっとした小さなごみはその都度捨てに行くのは面倒だ。そこで「ホルポ」が役に立つ。簡単に言えば「ゴミ箱ポーチ」と言えるだろうか。
本品は底の部分にロール状のゴミ袋を仕込んでおいて、ケースの中で1枚を展開してその中にごみを入れていく。お菓子の包み紙や、ガム、ウエットティッシュなどは本品に詰め込んでおけばよい。特にグループ旅行の際には人数が多い分だけ小さなごみが散乱しがちだが、本品を置いておけばみんなごみを入れるので散らからない。最後はロール状のゴミ袋を切り取って口をしめてゴミ箱へ捨てて降車すればよい。ゴミ箱がない場合は宿泊先までそのまま持っていくことで処分ができる。今回は2つ折りタイプを使用したが、そうでないスタンダードタイプもあるので好みで使い分けが可能だ。
フラッティ ワンマイル
「フラッティ ワンマイル」はいわゆるポシェットのような街歩き用の収納ケースで、サイズは3種類。今回は最小のMINIと最大のMサイズを使用した。本品の特徴は、中身が見えることと、裏面には見えないポケットが付いていること、マチが意外と大きいので収納力に優れることだ。
MINIは単独でもたすき掛けで使用可能だが、リュックの肩掛けベルトに装着しておけばすぐに取り出す可能性のある小物を入れておくことができる。例えばタバコ、カメラのバッテリー、レンズキャップ、モバイルバッテリー等々だ。マジックテープでフタを閉じておく形状だが、実は内側にジッパーも付いておりふたを開けただけでは中を容易に取り出せないようにもでき、防犯上も有効だ。
そしてMサイズは腰の部分にまでかけてポシェットとして利用できるが、今回は御朱印帳を入れて神社参拝に利用した。サイズによっては中間のSサイズでも可能だが、授与された神札やお守り、また昨年の返納する神札やお守りも入れておけるので、リュックを降ろしてその都度取り出す手間から解放される。裏面のジッパー付きポケットには食べ歩きや立ち寄った観光地でのパンフレットやレシートをとりあえず突っ込んでおけるので、後で旅の思い出の整理をするのに役に立つ。
「ロッツ」
「ロッツ」フルオープンケースは、紙製のドキュメントケースでもあり小物ケースでもある。書類を入れるケースとしても使用可能だが、ガバッと全部開くので小物を収納したりPCそのものを入れておくことも可能だ。
また仕切り版と本体との間に折れ曲がっては困るものを外から入れるような工夫がしており、何とも不思議なケースだ。記者は「フラッティ ワンマイル」にとりあえず収納しておいた神社で授与された角祓(神札)を宿泊先で収納替えして折れ曲がらないようにして東京まで持ち帰った。パンフレット等の思い出の紙片もここに収納すれば安全に持ち帰ることができるだろう。
キングジムの製品は同社マニアは当然のことなのだろうが、一般的には事務用品という認識しかない。しかし旅行用品としても立派に流用可能なものばかりか、旅先でリモートで仕事をする際には事務用品の本領発揮とばかりに役に立つ製品が多い。
このような多様な仕事の環境が提供されている今だからこそ、旅と仕事を両立させるための製品流用が面白い時代になってきているのかもしれない。
※写真はすべて記者撮影