これは科学的なのか占いなのか?四柱推命鑑定師の記者が声紋による「潜在意識アセスメント」を受けてみた!

  by 古川 智規  Tags :  

一昔前は広い意味で自分を変えるという自己改革や自己啓発というワードが流行っていた。もちろん現在でもそういったセミナーはあるが、それよりもまずは自分を知るということの方に軸足を置いている人が多いようだ。
自分発見のための旅等で発見できれば良いが、なかなかうまくはいかない。第三者から見た自分や俯瞰的に見てれる人がなかなか周りにはいないのも要因かもしれない。
そこで「己を知り、未来を拓く。」をコンセプトに持つワンネスが提供するサービスのうち、個人向けの「潜在意識アセスメント」というものを受けてみたのでレポートする。

潜在意識アセスメントとは、声紋により12の要素を顕在意識、前意識、潜在意識に分けてグラフ化し、どのような人なのかを読み解いてくれるサービスだ。俯瞰的に自分を知るための手段の一つだ。事前にPCM録音で自分の名前を連呼して、当該フィルを送ることで分析結果が出る。写真はグラフの見方の例で、記者のものではない。

ところで、記者は日本占道協会の四柱推命認定鑑定師でもあるので、話を聞く前に若干ながら占いに似たようなものを感じていた。占いは現在のところ科学的な根拠はなく、四柱推命はどちらかというと数千年にわたる事例を基にした統計学的な要素が拠り所になっている。よって記者の四柱推命の知識でわかる範囲で比較しながらレポートする。

写真はあらかじめ提供された記者の声紋を分析したPDFファイルである。大まかな見方としては、意識的なものは顕在意識として円の外側に色がつき、潜在的なものは潜在意識として内側の円に色がつく。中間の円は前意識と言い、無意識に行動はしているものの意識レベルにまで持ち上がっていないものを指す。円の弧は12分割された要素を示す。

さて、あらかじめ録音した音声は自分の名前を連呼した10秒ほどのものだが、自分の名前を発声することにより他人ではなく自分のことが声の周波数に現れるという。また録音した時の声紋であるため、その当時の意識が出る。よって出てくる結果は毎回変わり得る。このあたりは声紋分析として科学的であり、音は空気の振動で声帯を震わせて、体全体で共鳴して伝わるという証明された事象を利用していることがわかる。

またグラフについて本来は全体的に色が出ているものの、顕著な要素を強調するため、あえて感度を下げて表示している。よって色が付いていないからといって、当該要素は自分にはないという意味ではないことに注意亥する必要がある。パッと見では記者の場合、顕在意識(外側の円)では全体的にどの方向にも色が付いているように感じる。

写真は記者のグラフの部分を拡大したものである。判定をしてくれたのは同社の声紋分析心理士で関ひとみさんだ。
要旨、次の通りの判定だった。

12の要素(色)が全体的に出ているのは、全方位にアンテナを意識的に張っている状態で、心配されることは頑張りすぎる状態なのかもしれないということ。
特に聴感覚と視感覚(聞く力と見る力)があり、今の仕事(記者)で必要な要素が備わっているので向いている。
優しい面が強く、自分や不特定多数よりも目の前の人を幸せにしたいという感情が強い。
不足しているものをあえて言えば、わくわく感だと思われるが、そういう感情の時に声紋を取れば違った結果が出るかもしれない。

この判定を聞いていて、記者ができる四柱推命との比較をしてみた。
まず占いには3つの占術がある。一つ目は生涯変わらない生年月日で占い命術で四柱推命はこれに当たり、いつ占っても同じ結果が出る。次に偶然性から現れる事象で占う卜術で人気のタロットや、なじみ深いおみくじはこれに当たり、毎回結果は変わり得る。最後は相術で、すぐには変わらないが年単位で変わっていく事象で占い、人相や手相がこれに当たる。

同サービスは声紋という科学的要素をもとにしているが、その内容は四柱推命と似ており判定内容は多岐にわたるので命術のような結果として聞くことが可能な心象を得た。しかしその時々の声紋の要素は変わり得るので、この点においては卜術に似ており、占いを基準に同サービスを聞くと、命術と卜術のハイブリッドな感じがした。

決定的に異なるのは将来を占うという要素が同サービスにはないことだ。声紋で将来は分からないのは考えてみれば当たり前だが、実は占いのとらえ方と同じなのだ。占いはそれ自体が何かをしてくれるわけではなく、自分の背中を占いを通じて押してくれるものだ。決して予言や預言の類ではない。未来を切り開くのはあくまでも自分なので、占いの内容を聞いて人生を歩んでいくのは自分自身であって、本サービスの内容を聞いて自分を知り、将来の傾向と対策を立てるのも自分だ。よって、どちらも自分を知るツールとしては非常に有効で、科学的な要素を取り入れた同サービスを利用するか、数千年の歴史で集積した統計を使う占いを利用するかの違いだけだ。知りたい要素で使い分ければよいと感じた。

ちなみに、まったくの他人だとどういうグラフになるのかを、記者が良く知る若い女性で試したところ、写真のようにまったく異なるものになり、判定結果もなるほどと頷くことができる内容だったので一意なものでないことだけは確かだ。

たまたま四柱推命鑑定師だった記者が自己発見のための科学的なサービスを受けることになったが、顕在意識の判定内容は概して自覚していることが多いので、占いでいうことろの「当たっていること」であり、深層心理は通常は自分では自認していないことが多いので、この点においては占いの「当たっているとは思えないこと(=外れていること)」だと感じる。
いずれにしても大切なのはサービスのとらえ方であり、当たっていること(自覚していること)はあまり大きな収穫ではなく、当たっていないこと(潜在意識で自己認識していないこと)の方が重要だと感じる。この部分を自分の隠れな長所や能力として開発していけば、自己啓発や自己開発への近道になることだけは間違いないだろうと結論した「潜在意識アセスメント」だった。

※写真はすべて記者撮影

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