大桑マイミ インタビュー 10代から活動し続けて来たモデルとしての意識の変化 「歳を重ねたことで出てくるものを何かで表現していけたら」

  by ときたたかし  Tags :  

現在「STORY」などのモデルとしての活躍のほか、ドラマや映画、バラエティ、2019年からは「LIFEsmileMARCHÉ」のプロデューサーとしてイベントなども手掛ける大桑マイミさん。私生活ではドイツ人の夫と娘、息子の4人家族の母親としても日々を送るなか、次の目標を探す時期に来ていると言います。リルケア南青山本店(2月1日オープン)のレセプションパーティーに出席した大桑さんにお話をうかがいました。

●ご職業柄、今日のようなレセプションパーティーに出られることも多そうですが、今回の参加の感想はいかがでしょうか?

雑誌の撮影の現場などと同じなのですが、情報交換の場でもあるんです。昔だったらモデル同士で恋愛の話などが主流でしたが、やっぱり歳を重ねてくると健康や美容の話、お子さんがいる方とは子どもの話でもちきりになるので、会話の内容が変わってきた感覚はあります。本当に健康についての話題が多くなりましたかね(笑)。

●その美容法についてですが、昔から欠かさずご自宅でやってることはありますか?

美容法というほどではないのですが、食べるもの、寝る時間に気をつけています。若い時は寝ないでも全然行けるみたいな感じでしたが、やっぱり根本は睡眠、食べもの、あとは運動。ここが整っていなければ、たとえばいいサプリを採ったところで意味がないような気がしていて。その軸をまずしっかりさせようと、最低限を確保している感じです。

●ちゃんと基本的な生活をするということですよね。それとは別に最近ハマっていることはありますか?

最近の話ではないのですが、竹踏みをしています。芝生の上に立つみたいなことなどもそうなのですが、しっかりと大地の上に立つみたいなところに戻っていくと、それまでちゃんと立てていなかったということに気づくというか、ブレていることに気づくんです。だから、ちゃんと地面を捉えるためにも、血流をよくするためにも、竹踏みをしていますね。地味ではあるのですが、20代からずっとやっています。

●そういう継続が大切なわけですよね。

お金をかけずに…じゃないのですが、健康や美容にいいものはたくさんあるけれども、毎日続けられて昔からあるもので、これはいいなと思うので、続けている感じですかね。

●大桑さんはモデル業と並行してマルシェを開催されたり、グラノーラをプロデュースされたり、SDGsなどにも関心がおありとうかがいました。

ファッションには、ちょっと持続可能性と反している側面があるなか、素材やメイクなどのプロダクトの持続可能なものって何だろうと、そういうことにとても興味があります。だから、自分ができることは協力したいと思うし、そういうブランドさんを応援したいとも思いますし、できればそういうものを使っていきたいです。

実は今日着てきたコートもダウンやグースではなく、植物からできているものです、ヘチマみたいな形のカポックという植物の綿を使ったお洋服なのですが、軽くて持続可能なものだと思うんです。そういうものを極力着て、子供たちに譲るとか、次世代に伝えていきたいです。

●家族の存在で意識も変わられたのでしょうか。

そうですね。今まではそこまで意識していなかったのですが、やっぱり子供ができたことによって、「この子たちの未来ってどうなるの?」って考えた時に、向き合うようになった感じはあります。いろいろと採り入れるものが変わりましたね。

やっぱり素晴らしい活動をしてる方たちが、いっぱいいらっしゃるんですよね。そのことを、ファッションを通して教えてもらえたりもするんですよ。この間もデニムを作るのに、ものすごく大量の水を使うみたいなこととか。そして、それを防ぐためにしていることもあるとか、ファッションを通してみんなでできることを楽しみながらも向き合ってるみたいな情報を知れたりすると、いいほうを選択しようという意識に変わってきましたね。

●2000年がモデルデビューだとすると、来年で25周年になるわけですが、たとえば次の25年に向けての目標や夢などはありますか?

実は今、それを見つけている最中で、ターニングポイントとでも言いますか、見つけている時に来てるのかなと思っていました。ちょうど今、わたし自身が自分に問いかけているんですよね。モデルとして頑張って自分の人生を生きてきましたが、ここまでをまだ半分だと思って(笑)。

今までは着飾って綺麗な洋服を着てモデルとしてキラキラするっていうことがメインで、洋服をよく見せる、メイクをよく見せるということをやってきたけれど、やっぱり年を取ると外見もですが、昔のようにキラキラしてるわけではなくて、内面から出てくるものが大事。今までの経験を活かした新たな表現なのか、新しい事なのか、今そこを考えてる時期ですね。

●自分自身を表現していくことで、メッセージを送ることができそうですよね。

探していること、やりたいことまでは、まだ明確に見つかってはいないのですが、今までは子育ても忙しかったので、今度は自分のパーソナルにもう一回戻ってみようかなみたいな、ちょっと余裕ができたってことだと思うんですよね。

だから、「みんなもどう?」じゃないけれど、「こんなことをしたら幸せだよね」とか、「ちょっとしたことでも幸せだよね?」っていうことが何かで表現できればいいなと思っているんです。それはモデルかもしれないし、モノづくりかもしれないし、本を書くことなのかもしれないし、モデル育成なのかもしれないし、自分から出てくるもの、歳を重ねたことで出てくるものを何かで表現していけたらなと思っています。

公式サイト:https://www.lespros.co.jp/models/maimi-okuwa/

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo