創業は大正3年、西暦で1914年。すでに創業から100年以上が経過している天ぷら食堂がある。『八ツ手屋』(東京都千代田区神田司町2-16)だ。
天丼のランクにより同じ食材でも部位が違う
店舗からも年季を感じるが、初代から伝えられてきた天ぷらのおいしさも高い評価を得ている。天丼には複数の種類があり、中と上が人気。天丼好きならば中と上を食べ比べしても良いかもしれない。中と上には一部同じ食材が使用されているが、同じ食材でも部位が違うため、食感も味も異なる。天丼好きならば中と上を食べ比べしても良いかもしれない。
まさに江戸前の天ぷらといえる仕上がり
ここの天丼の天ぷらは、けっこう多めにかけられたタレが特徴。さらに衣はクリスピーというよりは柔らかくフワフワに仕上げられている。まさに江戸前の天ぷらといえる仕上がり。よってサクサクな天ぷらが好きな人には意外な食感とテイストに感じるかもしれない。
「ほわっ!」とした海由来の旨味が広がる
当然ながら天ぷらはアツアツ。食べるとシットリとした食感とともにフワッと千切れた衣から食材が姿を現す。たとえば海老、タレをしっかり含んだ柔らかな衣が海老と相まって「ほわっ!」とした海由来の旨味が広がる。
心地よい食感が楽しめる天丼上
今回は上と中の両方を食べ比べてみたが、中のほうはイカのゲソのほうを使っているのか、歯ごたえのある食感が楽しめ、上のイカはより柔らかい身のほうが使われていて心地よい食感が楽しめた。なるほど、これはどちらも別物だ。
確かに個性的でおもしろい
歴史ある店内で、歴史ある技術で揚げられた天ぷら。そんな天ぷらを江戸前形式で仕上げた天丼、確かに個性的でおもしろいものだった。この技法、これからも200年、300年、1000年と続いて行くことを心から願う。