市毛良枝インタビュー 「越路吹雪さんと岩谷時子さんの歩みは、日本の文化史そのもの」 音楽のある朗読会「あなたがいたから~わたしの越路吹雪~」開催

  by ときたたかし  Tags :  

俳優の市毛良枝さんが、音楽のある朗読会「あなたがいたから~わたしの越路吹雪~」を開催します。昭和の大スター越路吹雪と、そのマネージャーであり希代の作詞家・岩谷時子の物語を音楽とともに綴ります。

市毛さんは以前ドラマで岩谷時子さんを演じており、岩谷時子没後10年の2023年、再び岩谷時子として愛と葛藤の日々を語る、音楽のある朗読会を上演することに。ご本人にその魅力をうかがいました。

■公式サイト:https://www.amuse.co.jp/artist/A8448/ [リンク]

●今回開催の<音楽のある朗読会「あなたがいたから~わたしの越路吹雪~」>は、昭和の大スター越路吹雪さんではなく、そのマネージャーであり希代の作詞家・岩谷時子さんにスポットを当てたお話だそうですね。

越路吹雪さんという日本の象徴のようなある時代を彩ったエンターテイナーと、当時マネージャーと言われ、作詞家でもある岩谷時子さんとの出会いと別れまでを描きます。わたしが演じる岩谷時子さんの死の直前までを演じるのですが、その間にあったエピソードをつなげた朗読劇です。

なので、基本的にはわたしが岩谷時子さんを演じているのですが、時々越路吹雪さんになったり、ほかの人にもなったりするので、ひとりでいろいろなことをしなければならないんです。音楽も越路さんの曲は流れますが、歌詞のある楽曲は出てこない。演奏、メロディーだけで公演します。

●岩谷時子さんとは、どういう方だったのでしょうか?

岩谷さんは、もともと宝塚歌劇団の機関誌である「歌劇」に投稿していた方で、わたしの友だちも投稿していて掲載されたことがあるんです。なので、わたしの友だちみたいな方が、あのようになっていった、という感覚もあるんです。とても近い感じがしました。このあたりのエピソードは、もう当時みんな知っていることではありましたね。しかも岩谷さんの音楽が讃美歌や教会音楽がベースにあり、わたしの家もそうだった。どこかわたしの青春時代ともリンクするような感じですね。

●越路さんと二人三脚で歩まれ活躍されたものの、越路さんのマネージャーという立ち位置は崩さなかったと聞いています。

越路さんが上京する際に岩谷さんも同行されていたわけですが、岩谷さんがいなければ越路さんの活躍もなかったと言われるくらい、支え続けた方です。当時は政財界の方たちも越路さんを応援していたようで、そういう方々とも岩谷さんが直接さまざまな交渉ごとをなされ、それにより越路さんがあれだけ大きく輝く存在になっていったという。つまり、日本の文化史みたいなところもあるんです。今とはまったく違う時代ですよね。

●そして実は作詞家としても著名ですよね。膨大な数の作品が残されています。

影の存在ではあったと思いますが、作詞家・岩谷時子としても大変な数の作品を残されています。3000曲もヒット曲を出していますが、作詞家・岩谷時子として前に出てはいなかったように思います。「越路吹雪のマネージャー」として生涯を貫かれた。誰もが聞いたことがある曲が満載で、「サインはV」とか「この曲も!」と驚きますよね。

●今回、市毛さんおひとりによる朗読で、おふたりの人生を表現されるわけですよね。

先ほども少し言いましたが、わたしは岩谷時子さんを演じるのですが、時々越路吹雪さんにもなり、ふたりで会話したりもするんです(笑)。ある意味で落語です。果たして、無事に出来るのでしょうかと、ただいま悩んでるところではあります。以前、似たような形式でやったことはあるのですが、今回は途中で音楽が入って2時間近くあるんです。無謀だと思ってはおりますが、楽しみにしていただければと思います。

■公演について

昭和の大スター越路吹雪と、そのマネージャーであり希代の作詞家岩谷時子。

2018年テレビ朝日系列の『帯ドラマ劇場』で放送された「越路吹雪物語」は、ふたりの偉大な天才が辿った数奇な運命を描き、越路役を大地真央、岩谷役を市毛良枝が演じて話題となりました。

そして岩谷時子没後10年となる2023年。

市毛良枝が再び岩谷時子として愛と葛藤の日々を語る、音楽のある朗読会「あなたがいたから~わたしの越路吹雪~」を上演することが決定しました。

脚本は、演劇・映画・オーディオドラマなどで幅広く活躍し、「バスで行く人」「幸福な部屋」で文化庁芸術祭優秀賞、「満天のゴール」でギャラクシー賞奨励賞を受賞した井出真理。

演出には、これまでにミュージカルや朗読劇など数多くの作品を手がけ、脚本家としても演劇・映画・テレビドラマから新作落語まで幅広く執筆し、第41回紀伊国屋演劇賞個人賞・第15回鶴屋南北戯曲賞を受賞している劇団「ラッパ屋」主宰の鈴木聡。

「愛の讃歌」を始めとした、ピアノ・チェロ・バイオリンが奏でる美しい名曲の数々と共に、今尚語り継がれるふたりの物語をお届けします。

■音楽のある朗読会「あなたがいたから~わたしの越路吹雪~」

公演日:2023年12月12日(火)
開場:13:30 開演:14:00 / 開場:16:30 開演:17:00
会場:けやきホール
(東京都渋谷区上原3ー6ー12 古賀政男音楽博物館内)

作 :井出真理
演出:鈴木 聡
音楽:滝澤みのり
出演:市毛良枝 (朗読)
演奏:伊藤友馬 (バイオリン)
   福井 綾 (チェロ)
   滝澤みのり(ピアノ)

料金:前売り・当日とも 7,800円(全席指定、税込)
チケットは各プレイガイドにて発売中。

【プレイガイド】
◎チケットぴあ
https://pia.jp/
セブン-イレブン店舗設置の「マルチコピー機」での直接購入も可能(Pコード 522-294)
◎イープラス
https://eplus.jp/anaita/
ファミリーマート店舗設置の「マルチコピー機」での直接購入も可能
◎ローソンチケット
https://l-tike.com/anatagaitakara/
ローソン・ミニストップ店舗設置の「Loppi」での直接購入も可能 (Lコード:32909)

*未就学児童の入場はご遠慮ください
*当日券は開演の1時間前よりけやきホールにて発売いたします
*公演に関するお問い合わせは090-2328-8111(アミューズ)まで

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo