クリィミーマミ30周年を記念し、中野ブロードウェイ内にあるpixiv Zingaroで原画展が開催されている。さほど広い展示場ではないが、その分マミや優の美麗イラストを間近で見ることが可能だ。
開催期間:2013年4月11日(木)~ 4月23日(火)
12:00~19:00 ※水曜定休日場所:pixiv Zingaro
入場無料
「クリィミーマミ」の魅力とは?
「魔法の天使クリィミーマミ」は、1983年7月1日に放送が開始されたテレビアニメ。製作は「しろくまカフェ」や「NARUTO」を手がけるスタジオぴえろ。それまでの魔法少女アニメは「魔法使いサリー」からはじまり、「魔法少女ララべル」といったエブリデイ・マジック(日常に非日常が入り込むロウ・ファンタジー)が中心だった。しかし、「魔法のプリンセスミンキーモモ」の後に放映された「クリィミーマミ」はそのマジックを芸能界に置き換え、現実味のある非日常として表現した。単に成長する魔法ではなく「アイドルになる」という、もしかしたら現実世界でも叶うかもしれないバーチャルな夢を演出することで少女たちの心を掴んだ。
クリィミーマミの魔法の実態は、平凡にすごす少女・森沢 優が成長してアイドルに生まれ変わり天使の歌声で人々を魅了すること。シンデレラのような変身だが、空を飛ぶわけでも世界を救い出すわけでもない。しかし、そのファッションと、優の健気で複雑な恋心が、少女たちの憧れと共感を呼び、グッズ効果も相まって大人気となった。
原画展へ行ってみよう!
原画展の入り口にはこのようなあいさつ文が掲示されている。
物語のクリィミーマミはわずか1年間の活躍として描かれていますが、移り変わりの激しい世の中で、その後30年間もファンの皆様にご支持され続けているという事実は、何よりも“マジカル”なことだと思えます。
入り口付近はクリィミーマミが世に打ちだされた当時の原画からはじまり、フロアの奥に最新の絵が展示されている。放送された当時のマミのファッションや肉感は、1980年代の流行やスタイルが色濃く反映されていることがわかる。最新のイラストでは、大人になった優と大伴 俊夫とのツーショットなど、メモリアル感に満ちた構図が目立つ。注目したい原画は描き下ろしである「星の窓」の優と「月の船」のマミだ。このタイトルだけでぐっとくるファンもいるだろう。まさに「THIS IS Creamy Mami」と表すべき象徴的なイラストで、洗練された軽やかな筆致で描かれている。この描き下ろしこそ、ファンがパッと思い浮かべる魔法少女スタイルの二人だ。明るくて透明感のある清らかさと無邪気さが融和しており、マジカルという表現がふさわしい。
一部の作品は販売されており、最高値は70万円台の原画も。筆者が鑑賞した時点では、50万円台の一枚が既に売約済みだった。ちなみに線画は10万円前後から販売されている。アニメやカラーイラストのカラフルなマミも魅力だが、線画には羽のような優美さが漂っていた。眺めているだけでも空に連れて行ってくれそうな浮遊感がある。まさに眼福だ。
原画はなかなか手が届かないが、お勧めしたいのは、ポストカードサイズの複製版画のセットだ。純白の化粧箱に収められており、少しお高いが5000円弱で手に入る。魔法のコンパクトやルミナスターがブランドロゴ風にあしらわれたアイパッドケースやアイフォンケースもある。持っていれば元気が出そうなグッズばかりで、プリクラやガシャポンも設置されていた。
4月20日(土)15:00~からはサイン会が予定されている。グッズを3000円以上購入すると整理券が配布されるのだが、筆者が到着した時点ではあと3枚しか残っていない盛況ぶり。整理券の入手は困難かもしれないが、天使に等しいアイドル・マミの原画の数々は圧巻だ。無料で拝めるのだから、最近の魔法少女しか知らない方も、根っからのファンも、足を運んでみてはいかがだろうか?
魔法の天使クリィミーマミ30周年記念特設サイト【リンク】