東京・神田の人気カレー店『カレーノトリコ』(東京都千代田区神田鍛冶町3-5)。スパイスカレー界のなかでもトップクラスでウマイと絶賛されている名店で、多くの人たちが訪れ、そのスパイスが織り成すカレーのおいしさに感動している。
スパイスの存在を強く感じる絶品カレー
実際に『カレーノトリコ』で複数回カレーを食べてみたが、どれもスパイスの存在をライブに感じる仕上がりで、多くの人たちがドハマリするのも納得のおいしさ。自家製レモネードの完成度の高さにも注目したい。
スパイス料理研究家・一条もんこ先生も絶賛
スパイス料理研究家の一条もんこ先生は『カレーノトリコ』のカレーに対して「スパイスが繊細」「想像を超えている」「オーダーがきてからチキンを焼いている! それをやっているのがスゴイ!」と大絶賛している。
カレー屋『カレーノトリコ』の近くにカレー屋『カレーの虜』開店
そんな『カレーノトリコ』と店名が類似する『カレーの虜』(東京都千代田区鍛冶町2-9-5-B1)が、同じ地域にオープンし、物議を醸している。
注文ないのにUberの配達員が来るからおかしいなと思ったらこういうことか。
さーてどうしましょ😃 pic.twitter.com/ZIVwod4iIz— カレーノトリコ (@currynotrico) November 2, 2023
『カレーの虜』のカレーは『バズレシピストア』で販売しているもの
カレー屋『カレーの虜』はウーバーイーツ専門店として営業。取材により、JR神田駅前の居酒屋『一期屋』のキッチンで調理し、配送していたことが判明している。店員に話を聞くと、やはりここがカレーの虜であるとのこと。
また、『カレーの虜』で販売しているカレーはすべて、株式会社デセールクレアが運営する『バズレシピストア』で売られているものであることも判明した。そのカレーは、スパイスカレーマニアの印度カリー子さんと、タレントの岸明日香さんのふたりが開発したカレーとのこと。
印度カリー子さん: 至福のチキンカレー
岸明日香さん: ウルトラガーリックカレー
『カレーの虜』広告塔として印度カリー子さんと岸明日香さんの写真が掲載
『カレーの虜』には公式サイトがあることも判明。確認してみると、広告塔として印度カリー子さんと岸明日香さんの写真が掲載されていた。
また、『カレーの虜』と『バズレシピストア』のコラボレーション企画も掲載されていた。
今回は、当店が当事者になりましたが、このような行為を認めさせる前例は作りたくないので全力で戦いますのでどうぞ見守っていて下さい!
もう一度言いますがお相手様にご迷惑をかけるような行為はご遠慮下さい。
こう見えて怒ると怖いんだぞ pic.twitter.com/lCLcPuGQD1— カレーノトリコ (@currynotrico) November 6, 2023
指摘を受け『カレーの虜』カレー販売停止
この件に関して『カレーノトリコ』の店主は不快感をあらわにし、公式X(旧Twitter)にて言及。すると『カレーの虜』はカレーの販売を停止し、公式サイトに謝罪文を掲載した。謝罪文が公開されたのち、内容が変更された謝罪文が改めて掲載された。よって謝罪文がふたつある。
<カレーの虜の謝罪文1>
「関係者の皆様、お詫び申し上げます
カレーノトリコ様
印度カリー子様
岸明日香様この度、当店(カレーの虜)が無許可で「名称」並びに「肖像権」を使用し、関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けしたことを心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
「カレーノトリコ様と類似店舗名で営業していたこと」
「印度カリー子様と岸明日香様に許可なく名前や写真を使用していたこと」当店の勝手な行動により、関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けして猛省しております。この件での責任は全て当店にありますので、本日をもって「カレーの虜」の運営を終了いたします。この度は関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けして大変申し訳ありませんでした。
カレーの虜」
<カレーの虜の謝罪文2>
「関係者の皆様 この度、当店が開設する店舗について「カレーノトリコ」様と類似する名称を使用したこと、当店で提供する商品の関係者の「名称」及び「肖像権」を許可なく使用したことについて、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
当店の勝手な行動により、関係者の皆様や多くのカレーファンの方々に多大なご迷惑やご心配をおかけしたことを猛省しております。また、一部の記事や投稿において、当店の運営者が一期屋様やバズレシピストア様であるかのような内容が拡散しておりますが、当店がバズレシピストア様から商品を購入し、一期屋様の場所をお借りして調理して販売する形態をとっていたものであり、バズレシピストア様や一期屋様が当店の運営をしていた事実はありません。両社にもご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ありません。
この件での責任は全て当店にありますので、2023年11月3日をもって当店を閉店いたしました。
2023年10月27日に開店してから営業日にして2日間という短い期間ではありましたが、当店をご利用いただきまして誠にありがとうございました。
ご迷惑をおかけしました皆様には重ねてお詫び申し上げます」
謝罪文には、いっさい『カレーの虜』の運営会社名や責任者名、連絡先は書かれていない。
『カレーの虜』は株式会社デセールクレアが運営しているのか
『カレーの虜』と『バズレシピストア』には関連があるのではないか。その推測のもと、その関連性について株式会社デセールクレアに話を聞いてみた。対応した女性スタッフによると、『カレーの虜』は株式会社デセールクレアが運営しているとのことだった。
取材の質問状には誰も返答せず
この騒動が大きくなり、株式会社デセールクレア、印度カリー子さん、岸明日香さんに対して取材の質問状を送ったものの、いっさい返答はなかった。特に問題解決のキーを握っていると思われる株式会社デセールクレアには質問状を二度送ったが、やはり返答は得られなかった。
ここまで取材を進め、それぞれの主張がまったく違うことがわかった。
<それぞれの主張 / 要約>
一期屋: うちはカレーの虜です
デセールクレア: うちはカレーの虜です
カレーの虜: 一期屋は場所を借りた。バズレシピストア(デセールクレア)ではない
※記事執筆時点での情報
印度カリー子さんがお気持ちと詳しい状況をツイート
『カレーの虜』は自社名や責任者名を出さず、株式会社デセールクレア・印度カリー子さん・岸明日香さんは完全に沈黙。もはや法的な手段で動き、『カレーの虜』が何者なのか調べるしかないと思われていたが、印度カリー子さんが自身の公式Xで、いまのお気持ちと詳しい状況をツイートし、注目を集めている。
<印度カリー子さんのXツイート>
「大変恐縮ですが、巻き込みでリプライをもらっているのでご返信させていただきます。
今回の件について、「私」がカレーの虜というUberをグルになって出したと考えられておりますが、それは間違いです。それは絶対にあり得ないので説明させてください。
まず、私は以前よりカレーノトリコさんを存じ上げておりました。有名店で、ファンの方も多いですよね。私自身、「印度カリー子」を商標登録しているくらいなので、商標を真似することに関してはセンシティブです。なので私が認知している上で似た名前の店を出すことはあり得ないです。これは商標登録をされているか否かは別として、似た名前の店舗を尚且つ近隣の土地で出すことはモラルに反することだと思っています。
また、以前カレーノトリコさんはそのアカウントで、私のポストに対して、リポストする形で誹謗中傷の言葉を投稿されています。私はそれを拝見して、正直傷つきましたし、悲しかったです。そのことからカレーノトリコさんは印度カリー子を嫌いだということを知りました。それを知っている上で、どうして私がわざわざ同じ名前で店を出すんですか?
ご自身のパターンで置き換えて考えて欲しいです。カレーノトリコさんが2店舗目を出店しようとした際に、キッチンカーで尚且つ「ハ⚪︎ドリカレー」という名前で出店しますでしょうか。
今回、カレーの虜のUberに出されているカレーは、私が以前発売した至福のチキンカレーを使ったものでした。その時に提供した写真を丸々使っていたので、すぐに製造元もしくは販売元が勝手に始めたことだと分かりました。私としても、私の商標や肖像の無断利用をされていますし、レシピや販売権の不正利用をされています。直ちに辞めていただく様に連絡をし、詳細を聞くと、販売元が無許可で勝手に行った行為だということが発覚しました。私も岸さんも知りませんでしたし、他の人からの知らせで知った事実で晴天の霹靂です。
また、本来であれば、これは法的に処理すべき事項だと思っています。カレーノトリコさんも商標登録されているようであれば法的に闘うことは可能です。私も被害者なので応援できます。
今回は、私が販売元に舐められていたんだと思います。だから、無断で利用された。
そのせいで無関係のカレーノトリコさんにご迷惑をお掛けしてしまったことは申し訳なく思っております。不快な気持ちにさせてしまい申し訳ありません。
ただ、はっきりと言わせていただきたいことは
私がカレーノトリコさんの名前やファンの皆様を傷つけようという気持ちは一ミリもありません。真摯に活動されて、周りの皆様から愛されているお店やお仕事を侮辱するような行為は、私は絶対にしません。
以上、読んでくださりありがとうございます。
これからも皆様から愛されるお店でありますよう祈願しております」
大変恐縮ですが、巻き込みでリプライをもらっているのでご返信させていただきます。
今回の件について、「私」がカレーの虜というUberをグルになって出したと考えられておりますが、それは間違いです。それは絶対にあり得ないので説明させてください。…
— 印度カリー子 (@IndoCurryKo) November 22, 2023
印度カリー子さん「傷つけようという気持ちは一ミリもない」
印度カリー子さんとしては「カレーの虜とグルではない」「これは法的に処理すべき事項」「私も被害者」「傷つけようという気持ちは一ミリもない」という点を強く伝えたいようだ。
<印度カリー子さんの発言 / 要約>
『カレーノトリコ』の存在は知っていた
『カレーの虜』とグルではない
商標や肖像の無断利用をされた
レシピや販売権の不正利用をされた
販売元が無許可で勝手にやった
印度カリー子は被害者側
法的に処理すべき事項だと思う
店や仕事を侮辱する行為は絶対にしない
応援する
販売元が『カレーの虜』を展開した?
この印度カリー子さんの件で特に注目したいのは「すぐに製造元もしくは販売元が勝手に始めたことだと分かりました」「販売元が無許可で勝手に行った行為だということが発覚しました」という点。印度カリー子さんの発言が事実であれば、彼女の『至福のチキンカレー』の販売元が『カレーの虜』の展開に関わったことになる。
カレーの虜を運営している者の正体
印度カリー子さんだけでなく、すべての関係者が「カレーの虜を運営している者」の名をいっさい公表していない。そのため『至福のチキンカレー』の販売元がどこなのか明確に断言できないが、『至福のチキンカレー』は株式会社デセールクレアが運営する『バズレシピストア』で販売している。
問題の完全解決まで追及していく
印度カリー子さんの『至福のチキンカレー』を『バズレシピストア』に卸している販売元の会社があるのか? そこが「カレーの虜を運営している者」なのか? その点も含めて、問題の完全解決まで追及していきたい。
カレーノトリコは僕のすべて
僕を形成する全ての出来事の集大成です
今までどんな思いでやってきたと思います?
僕だけじゃ出来なかった
スタッフ、友達、そしてもちろんお客さんがいて作ってきたお店なんやで
僕が許したら今回のような事象は起きると思います— カレーノトリコ (@currynotrico) November 16, 2023
いつまでも言うのも応援してくれる方に負担になると思います
でも言わんとなかったことにされるし、それはしたくない
なるべく早く解決出来たらいいなと思ってます
解決出来んでごめんやで
きっと全ての飲食店の人が納得する答えを持ってこようと思っているのでもう少しご辛抱を
力不足ですいません— カレーノトリコ (@currynotrico) November 16, 2023
そう、解決してないですよ
風化されたくないです https://t.co/SeTwqt5zrM— カレーノトリコ (@currynotrico) November 21, 2023
※記事のキャプチャ画像は『カレーの虜』『バズレシピストア』公式サイトより