松田凌&田鶴翔吾インタビュー 「恋が始まるかも知れないので自販機の前に立ってみようと思うかも(笑)」 映画『その恋、自販機で買えますか?』公開中

  by ときたたかし  Tags :  

SNSで話題となり、単行本が累計20万部を超えるなどBLコミックを代表する作品のひとつでもある原作を映画化した『その恋、自販機で買えますか?』が、現在公開中です。

数多くの映画・舞台で活躍中の松田凌(『進撃の巨人 the Musical』)、田鶴翔吾(『HUNTER×HUNTER』THE STAGE)がダブル主演を務め、大人同士なのに、まるで初恋のようにじれったい、胸キュン必須のピュアラブ・ストーリーを魅力的に紡いでいます。

共演の感想など、おふたりにお話をうかがいました。

■公式サイト:https://sonokoi-jihanki.com/ [リンク]

●人気原作の実写化ですが、出演が決まった時はいかがでしたか?

松田凌(以下、松田):BLというカテゴリーの作品に自分が入ることも初めてでしたし、今回は映画ということで翔吾とふたりで主役というカタチでやらせていただくということで、いろいろな巡り合わせが重なってやらせていただく作品だなと思いました。

田鶴翔吾(以下、田鶴):僕自身もBLというジャンルを、この作品がきっかけで知ることが出来たんです。凌君のことは違う作品で知っていたのですが、これほどまでに重なるのかと思いましたし、原作の表紙を見た時に「俺だな」と思ったんです(笑)。経験が少ないジャンルだったので、ワクワクとドキドキが入り混じるのは、こういうことかと思いました。

松田:恥ずかしながらお声がけいただいた時は、まだ作品のことを知らず、改めて読ませていただきました。その世界観、雰囲気を自分でも確かめたくて、ぜひやらせてくださいと思ったことを覚えています。

●共演そのものは初めてなわけですね。

松田:初めてお会いした時に、とても物腰柔らかく、礼節がしっかりしている人だなという印象でした。衣装合わせの日だったと思いますが、撮影が楽しみになりました。人のことをとても気遣ってくれるし、本当に成熟した方でした。イメージよりももっと素敵な方という印象でした。

田鶴:作品を一緒に作る上で、相性が合う合わないはあると思うのですが、とても好きな方だなと思いました。人として僕が大事に感じられたことが、率直にうれしかったですね(笑)。

●恋の始まりの描写は目が離せない感じでしたが、物語そのものの感想はいかがでしょうか?

松田:BLモノなのですが、男性と男性という意識というよりも、ひとつの恋の物語として僕は観ていました。それこそ今言われたように恋で人を好きになるって、こういう始まりだったなと。それがたまたまこのふたりだったわけで、出てくる障害もあれば越えなくてはいけない壁もある。でも、このふたりだからこそ、乗り越える姿を応援したくなるんですよね。

田鶴:素直な気持ちで人と人が惹かれ合う、そういう理由を見直すきっかけになる作品だなと思いました。原作を手に取った時に、自分も体験したことがあるような気持ちも描かれていて、ドキュメンタリーみたいだなとちょっと思ったのですが、たまたま男性だっただけの話なんですよね。

松田:それも含めて、心の中にジワジワと染み入るようなものがある作品だなと僕は思っていて、しかもこれはすぐ自分の隣で起こっているような出来事なので、本当に浮世離れしたものではないんですよね。

●おふたりはこの共演を機に親睦を深められたのでしょうか?

田鶴:お茶に行かせていただいた時に思ったのですが、僕は自分が話したいことを話せる方が好きなんです。その意味で、凌君はとても心地よかったですし(笑)、同じ兵庫県出身で、いろいろと合うところが多かった。

松田:僕も自分の話をするよりも、翔吾のことをもっと知りたかったと思いましたかね(笑)。翔吾って、いろいろな言葉を紡いで話をしてくれるので、それは彼の魅力のひとつだなと思いました。

●最後にこの映画を待っているファンの方へ一言お願いいたします。

松田:この日を迎えられることはとてもうれしいですが、ひとつの映画を作るって、本当に大変なことだと思うんです。それが産声を上げることはとてもうれしいですし、先生が書いてくださった原作が、少しでも多くの方々へ伝わるよう、その力添えがこの映画で少しでも出来たらと思っています。まずは劇場に足を運んでいただいて、応援してほしいです!

田鶴:映画は映画で、凌君と監督と作り上げた世界がありますので、新しい解釈として原作の世界観を楽しんでいただければと思います。意外と身近に、もしかしたらあるかも知れない恋の話です。自販機の前に立ってみようかなと、始まるかもと、映画を観た後に思ってもらえたらうれしいです(笑)。この作品を通して新しい世界を見てもらえればうれしいです。

■ストーリー

アラサー会社員の小岩井歩は、職場へ来る自販機補充員のお兄さん、山下諒真に密かな恋心を抱いていた。ある日、勇気を出して話しかけたら、まさかの急接近…!?
連絡先を交換し、何度も会ううちに2人の距離はより一層近づいてーー。

勘違いしそうになる、と真っ赤になりながら告げる小岩井に、「勘違いしていいですよ」と答える山下。

大人同士なのに、まるで初恋のようにじれったい、胸キュン必須のピュアラブ・ストーリー!

撮影=オサダコウジ

(C) 2023『その恋、自販機で買えますか?』製作委員会
(C) 吉井ハルアキ/メディアソフト

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo