ドミノピザで昭和にタイムスリップ!当時を生きてきた方も若い方も昭和60年代を知ろう

  by 古川 智規  Tags :  

ドミノ・ピザ ジャパンは、10月10日(火)にオープンする「ドミノ・ピザ 江東区古石場店」をもって、国内1000店舗目の出店を達成する。これを記念して、ドミノ・ピザが日本に上陸した 1985年の創業当初の人気メニューを復刻した「1980’s・クワトロ(エイティーズ・クワトロ)」を同日より期間限定で発売する。
発売に先立ち、報道関係者向けに行われた試食発表会で食べてみたのでレポートする。

昔ながらのピザという感じと、じっくりと焼き上げた感じがして、懐かしさと世代を超えた味覚の違いを感じた。1985年といえば昭和60年で記者は15歳。バブル景気スタートの年で、まさか昭和がこの4年後に終わるとは夢にも思っていなかった。まだソ連があってゴルバチョフがソ連共産党書記長に就任し、雪解けムードの中でバブルに突入していった。プラザ合意で円高不況から長い経済低迷の時代が現在まで続く。
そんな世情で宅配ピザが登場したのだが、こんな味だったかなぁ?とピンとこなかったものが、かみしめて当時の様子を思い浮かべると、思い出す経験とともに味がよみがえってきたような気がする。

4種りのピザは以下の通りだ。
まずはドミノ・スーパーデラックスで販売期間は1985年9月~2010年1月頃だ。人気トッピング8種類をぜい沢に使用した定番人気商品として十数年に渡り愛されてきた。販売終了後も「ExtravaganZZa(エクストラバガンザ)」という商品名にリニューアルして再販された。塩味の強い素材の味で勝負といった雰囲気だ。
2番手はドミノ・ツナスペシャルで販売期間:1986年~2000年8月だ。日本のドミノ・ピザが独自開発し、ピザにツナをのせる当時では画期的なアイデアでブレークした。優しく安心する味わいで、幅広く親しまれた。本商品を契機に「まよツナ」「ツナ・デライト」「まよツナ&コーン」「ツナクリーム」と、ツナを使った商品が続々と開発され、ツナ人気の立役者となった商品である。今となってはツナは当たり前のトッピングだが、当時はオイル漬けの缶詰くらいしかなくサラダに添えられるものだった。

3番手はドミノ・デラックスで販売期間は1985年9月30 日から現在も発売されているロングセラーだ。創業当初から唯一現在も販売しているもので、トッピング食材は時代に合わせて少しずつ変化させているものの、基本のレシピは何十年も変わらない、ドミノ・ピザを代表する「迷ったらコレ」的な存在だ。
最後はドミノ・ベジーで販売期間は1985年9月~1993年9月頃だ。シンプルにフレッシュな野菜とトマトソース、チーズと生地で素材の味を楽しめる商品として、販売当初から日本人のみならず外国人にも人気が高い商品。本商品をきっかけに「フレッシュ・ベジー」「オールスター・ベジー」「グルメ・ベジー」「グリル野菜たっぷりのピッツァ」など様々な野菜ピザが商品化された。今ではベジタブル系のピザはむしろ好まれて注文されるが、当時は肉がメインで野菜は添え物程度の認識だったように感じる。

このように、時代とともに変化する志向や味覚の変化に対応して現在のピザメニューがあるわけだが、どこかのタイミングで昔を懐かしむことは悪いことではない。暗い話ばかりをするつもりはないが、当時を生きてきた人にとっては少しの間だけ謳歌したバブルがはじけ、その後に起こる大変な経済危機を乗り越えて今を生きているはずだ。そんな苦労を思いかみしめることにより、同世代の人とピザをつまみながら苦労を語り合うのもいいだろう。

折しも今は昭和レトロブームだ。若い方には昭和が終わる4年前に上陸した味をぜひとも賞味いただきたい。この時代に何があったのかを昭和世代の人に聞くことは興味だけではなく、多くの教訓も得られるはずだ。
長く国民に愛されてきた日本式のピザを見て懐かしんで食べて味で昭和にタイムスリップというのも悪くはない選択だ。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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