金曜ロードショーとスタジオジブリの貴重な資料や遊び心いっぱいの体験も!「金曜ロードショーとジブリ展」を体験(モデル:田名部生来)

  by ときたたかし  Tags :  

この夏、スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』が大きな話題になりましたが、それに先立って開催が始まった展示会「金曜ロードショーとジブリ展」も大きな人気を集めています。昨年ジブリパークも訪れたジブリ大好きの田名部生来(たなべみく)さんに体験してもらいました。

東京では天王洲の寺田倉庫B&C HALL/E HALLで開催中の同展は、“金ロー“とジブリのヒストリーを辿る資料など膨大な展示物が鑑賞できます。1984年の『風の谷のナウシカ』から2020年の『アーヤと魔女』まで、スタジオジブリのほぼ全作品の絵コンテを展示するほか、日本テレビ制作のジブリ関連番組など貴重なアーカイブ映像も特別公開しています。

今回の東京展では、2018~19年に開催の展覧会「ジブリの大博覧会」富山展のために作られた、巨大な「ジブリの幻燈楼」が初登場しています。

「幻燈」とは、フィルムや造形物などに強い光を当てて、レンズで幕などに拡大映像を投影して見せることができる装置のこと。キャラクターをモチーフとしたガラスに光を照射することで、映画の世界観を音と光に包まれながら体感できます。とても幻想的な空間で、時を忘れるほど。

そして階段を上ると、同じく東京、初登場という「ジブリ映画ポスタースタジオ」が。

これは、スタジオジブリ作品のポスターの中に飛び込み、主人公のように撮影できる新しいフォト空間のこと。階段を上がっていくためか、まるで架空のスタジオに迷い込んだような場所で、作品の主人公の気分を楽しめるのですが、かなりのリアリティーで撮ってみて驚きました。

撮影可能な作品は『千と千尋の神隠し』をはじめ、

実はトリックがある『猫の恩返し』、

そして『魔女の宅急便』。まるで本物のポスターに入ったかのように楽しめます。※混雑状況により、作品数が増減する可能性があります。

こちらは『もののけ姫』。田名部さんもキマッています!

ちなみに同エリアには、不思議なAR体験が楽しめる「アリエッティの世界AR」も。これはARコンテンツで、 アプリ「SATCH X」をダウンロード(無料)し、『借りぐらしのアリエッティ』ポスター付近のARマーカーを読み込み、アリエッティと同じ目線で巨大な植物と虫たちがあふれる世界をARで体験できるというもの。 画像、映像はスマートフォンに保存できるので、記念にもなります。

そして終盤は、「風の谷のナウシカ 王蟲の世界」。番組の放送が始まった1985年は、スタジオジブリが“スタジオ開き”をした年でもあり、日本テレビが特別番組で『風の谷のナウシカ』を初放送した年。「金曜ロードショー」とスタジオジブリのヒストリーにおける原点作でもあります。

本展では稀代の造形作家として世界に多くのファンを持つ竹谷隆之さんらが作成した造形物をもとに、映画に登場する“腐海”の空間を表現したエリアがあります。圧巻のクオリティーで作られた王蟲、大王ヤンマ、ムシゴヤシなどが待ち受ける空間で、現在多くのゲストを魅了しています。

また、「風の谷のナウシカ 王蟲の世界 王蟲AR」のARコンテンツのほか、プロ仕様の構図で写真撮影ができる遠隔カメラ「マチカメ」で、腐海のなかで王蟲と一緒にいるかのような写真を撮影することができます。

東京展はチケットが取れづらい状況がありますが、ホテル宿泊とセットになったプランなどもあるようです。そして東京の後は、秋に富山に会場を移して開催予定です。

“金ロー“とジブリのヒストリーを辿る圧巻のデータベースが楽しめる本展。1985年を起点に、スタジオジブリ作品の公開年、そして「金曜ロードショー」で初放送年が、どういう時代だったのかを振り返りながら、各時代の記憶と記録を通じて作品の魅力に迫ってみてはいかがでしょうか

■開催概要
【東京展】
2023年9月24日(日)まで 天王洲・寺田倉庫B&C HALL/E HALL

【富山展】
2023年10月7日(土)~2024年1月28日(日) 富山県美術館

撮影=塚本桃

(C) Studio Ghibli

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo