「人狼ゲーム」など数々のヒット作を放った原作者の川上亮さんが長編映画第二作目の監督と脚本を務めた映画『札束と温泉』が現在、全国順次公開中です。
高校の修学旅行で温泉宿を訪れた女子高生のリサ、ひかる、恵麻、美宇の4人が、ヤクザの愛人が持ち逃げした札束の詰まったバッグを発見したことから起こる混乱を“疑似ワンカット”で撮りきった本作。複数人の思惑が交錯してすれ違いがすれ違いを呼ぶクライム・コメディとなっています。
その本作に担任教師の渡辺隼人役で、数多くの映画や舞台で主演を務める小越勇輝さんが出演。自身のイメージにない情けない先生を好演しています。ご本人にお話をうかがいました。
■公式サイト:https://satsutabato-onsen.com/ [リンク]
●川上亮監督とは『人狼ゲーム デスゲームの運営人』(20)でご一緒されていますが、今回の再タッグはいかがでしたか?
もう「ありがとうございます!」という感じでうれしかったです(笑)。川上さんとは『人狼ゲーム デスゲームの運営人』で主演させていただいた時に、初めての監督作品で僕も映画が初主演だったので、作品が始まる前にどうしていこうかとお話する時間も作いただいたんです。その後、一緒に作品を作った後、僕が出ていた舞台を観に来てくださったり、そのつながりの中で監督をまたやりたいというお話をも聞いていたんです。
●どういうようなオファーがあったのですか?
「とても情けない役だから、お願いするのは悪いな」とおっしゃっていたのですが、でも「やります!」とお返事しました。お声がけいただいて、僕のことを気にかけけてくださっていて、とてもうれしかったですね。
●確かに今回の高校教師役のキャラクターは、イメージにはない情けない役でしたね。
ただ、愛嬌というか嫌な奴に見えない要素について、リハーサルの時から川上さんと話してはいました。言葉だけ見ると、「そんなこと言う?」みたいなことはありましたけれど、そういうことを平気で言えちゃうかわいらしさ、アホさみたいな部分は大事にしたいなとは思いました。
●ちなみにもしも高校教師になるなら、どんな教科を担当したいですか?
道徳ですかね(笑)。ディスカッション、人と意見交換が出来るほうが面白いと思うんです。何かを教えるだけでなく、人の考え方を知れるほうが面白いです。発見があると面白い。広げていく作業が楽しいですよね。
●改めて川上亮監督と再タッグされてみていかがでしたか?
映画が大好きで脚本もご自分で書かれているので、こだわりや想いが強い方ですね。監督をそこまでやったことがないからこそ、何が出来て何が出来ないかも探りながらやっているとは思うのですが、でも分からないからこそ、こういうことが出来るのではないかと、言える強さがある方なんです。僕たちは、そんな監督の希望を形にしたいと思いました。
●現場の雰囲気はいかがでしたか?
限られた日数の中でギュッとした撮影期間でしたが、そのギュッとした中でも監督を筆頭にスタッフのみなさん、キャストのみなさんがいい作品にするのだと、ひとつになっていく過程ですよね。その瞬間に立ち会ったことで、モノ作りは素敵だよなと改めて思いました。
●今振り返ってみて、『札束と温泉』はどういう作品になりましたか?
とてもドタバタしてます(笑)。カメラワークの面白さ、疑似ワンカットで撮っている面白さ、キャストが魅力的に見える作品になっているのではないかなと思います。彼女たちが持っているエネルイギー、今しかないエネルギーがきっとあると思っています。リハーサルにちょっとしか参加していないのですが、その時も現場に行った時も感じましたが、これからいろいろなところで活躍していくと思うのですが、そのエネルギーが今回の作品世界とあいまってスクリーンから出ていくと思うんです。それもひとつの見どころなのかなって思います。
●まるで見守っている先生のようですね(笑)。
確かに!上からで偉そうでした?(笑)でも、そう思うんです。僕自身はみんなと絡みたかったのですが、そういうシーンがなかったので、そういう感想になったのかも知れません。
●最後になりますが、みなさんへメッセージをお願いいたします!
このタイトル、この記事を目にした人は全員観に来てほしいです。撮り方の部分も面白いと思います。疑似ワンカットの作品ってたくさんあると思うのですが、今回は挑戦的なので、そこは魅力だと思いますし、気楽な気持ちで簡単に足を運んでいただけたらうれしいなと思うので、観て感想をたくさん広げていただけたらなと思います。
■ストーリー
高校の修学旅行で訪れた温泉宿で女子高生たちが、ヤクザの愛人が持ち逃げした札束の詰まったバッグを発見する。カネを取り戻すために現れる殺し屋、別の生徒からゆすられている担任教師。複数の思惑が絡まり、温泉宿を舞台に、混乱が混乱を呼ぶクライム・コメディ。
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