暑くなってくると冷たい飲み物が常時ほしくなる。保冷機能の付いたステンレスボトルは多く販売されているが、その特性からスポーツドリンクがダメだったり、果汁がダメだったりと制約が多いのも事実だ。
そして絶対にダメだったのが炭酸飲料だ。考えれば分かることだが、炭酸とは二酸化炭素が溶け込んだものでそれが泡となって出てくる。保冷するために密閉しているステンレスボトルに炭酸を入れると内部の圧力が高くなる。そもそも圧力容器ではないので、内圧が高くなると耐えられなくなり最悪の場合破裂事故につながる。
しかしピーコック魔法瓶工業が出してしまった。なんと「保冷専用炭酸飲料対応ボトル」というものを発売した。文字通り炭酸を入れることができるので、もはや入れる飲料を選ばないと言っても差し支えない。内容量は600mlと800mlがある。
真空二重構造なのは通常のステンレスボトルと変わりはない。特殊なパッキン構造で内圧が上がり過ぎるとガスを抜く設計になっていて、簡易型の圧力鍋のような構造なのだろうか。内瓶にはワンランク上の耐食性の高いSUS316を採用しているので、塩分を含むスポーツ飲料なども可能。パッキンや樹脂部は抗菌加工を施し衛生的に使用でき、大き目でローレット形状のフタは手に馴染みやすく開閉しやすい特徴を持つ。
同社によると、ボトルのデザインはサイダー瓶をイメージさせるシンプルなものだそうだ。氷や飲料を入れやすい広めの瓶口と、直飲みできる細目の飲み口があり、扱いやすい設計になっている。容量は氷と一緒に入れることを前提に余裕のある600mlと800mlの2サイズに設定。
飲み物を入れるときには2つの栓を取るが、飲むときには上の栓だけを取って飲む。ちょうどスポーツドリンクを入れるボトルに似ている。
炭酸飲料をペットボトルから入れてみる。最初から冷たいのであればそのまま入れて栓を締めればよいが、スーパーなどで売っているロックアイスでは大きすぎて入らない。家庭の製氷機で作られる氷ならば問題なく好きなだけ入る。
氷が溶けて水っぽくなるのを防ぐために氷は最低限にすればよいが、元からの保冷性により少しの氷で十分に冷えた飲料を保つことができるので、そのあたりの心配はない。
これにより通常の持ち歩きシーンの他に活躍しそうなのがスポーツ観戦シーンだろう。例えば野球観戦にはつきものの生ビールはプラスチック製のカップに注がれて渡される。楽しみ方は人それぞれだろうが、ひいきのチームが守備中の間にビールを飲むというスタイルだろうか。しかしあっという間に攻撃に移ってしまうとビールどころではない。
攻撃中は1球ごとが注目だ。そうなるとビールは手に持ったままかカップホルダーのある球場ならばそこに置いておくのだが、攻撃が終わることろには残念ながらぬるくなっているケースも多い。そこで本品に購入したばかりのビールを注いでおくとどうなるのだろうか。実際に球場に応援にいった女子にやってもらった。
実際に生ビールを購入してすぐに本品の中に注いでみたところ、温度はずっと冷たいままに保たれ、内圧が上がっても特に問題はなくビールを飲めたとのこと。ただし、ビールは泡が細かいので注ぐ時に他の炭酸飲料よりは抜けが早いので、実際にはビールよりもチューハイやサワーの方がより効果的に飲めるのではないかとのことだった。
アルコールに限らず、炭酸を冷たいまま保てるのでこの夏はあらゆるシーンで役に立つのではないだろうか。
※写真はすべて記者撮影