人によって日本一の基準は違うと思うが、筆者にとって「日本一ヤバいラーメン屋」はココ。深夜2時ごろにオープンし、早朝5時に閉店。正直なところ激ウマなわけじゃない。でも多数の人が「おいしいわけじゃないけどヤミツキになるし好き」と価するラーメン屋。
味がイマイチなのに愛されるラーメン屋
安易に「イマイチ」とか「まずい」とか言いたくないが、現実としてそういう声が多いのは事実。うまくないのに大行列ができる? 想像できるだろうか。営業日、毎夜、深夜に大行列ができる、イマイチなラーメン屋。でも愛されるラーメン屋。
ラーメン屋『大丸』
日本一ヤバすぎるラーメン屋は『大丸』(愛知県名古屋市千種区今池5-38-23岐阜正ビル1階)。深夜2時頃になると、すでに大行列。店主は気まぐれなので、2時になっても開店しないことがある。それでも我慢して待つお客さんたち。
周囲の街灯は弱めだし、店舗には看板も何もないので、ほぼ暗闇。
そこで静かに、黙って、店主が回転するのを待つ。並んでいる層は若者が多め。
接客はぶっきらぼうだけど良い人
深夜2時過ぎ、ようやく開店した店舗。着席してラーメンができるのを待っている間に「長い間待たせてしまってごめんね」とお菓子が配られる。店主から客のひとりに大量の御菓子が渡されるので、それを客が客に渡していく。そして外に並ぶ客にもお菓子を渡す(客が)。
優しい。優しすぎる店主。でも店主はコミュニケーションが苦手なのか、接客はぶっきらぼうだ。でも良い人。わかる。良い人。とても気さく。
うどん入りラーメンの爆誕
ちなみにメニューはひとつしかないので、黙っててもラーメン(550円)が出てくる。カウンターにはうどんが盛られた丼があり、そのうどんを客がセルフサービスでラーメンに入れていく。
ちなみに、かつては日本蕎麦やそうめんもラーメンに入れ放題だった。
焼きそばの粉末ソースをかけて食べる
客席の背後に冷蔵庫があり、そこには焼きそばの粉末ソースが入っている。その焼きそば粉末ソースをうどんとラーメンにかけて完成。味が足りない、もっと味を変えたというひとは、卓上のキッコーマン醤油をかけて食べ進める。
ダシ感が薄く醤油感が強いスープの存在感
うどんと中華麺が混ざり合った味。中華麺はボソボソなのでもっと茹でたい気持ちに駆られるが、そんなオーダーできるはずもなく。
なによりダシ感が薄く醤油感が強いスープの存在感がスゴイ。麺にスープが染み込まないので、スープと麺が分離したハッキリとした味わい。具はチクワやカマボコ、もやし、肉である。かなりボリューミー。
<大丸がヤバすぎる理由>
深夜2時から早朝5時まで営業
営業時間になっても開店しない日が多い
うどんと中華麺を混ぜて食べる
焼きそば粉末ソースをかけて食べる
人を魅了するその魅力がヤバイ
このラーメン屋『大丸』がヤバイ理由。それは、うどんが入っているから、焼きそば粉末ソースをかけるから、3時間しか営業しないから、味がイマイチだからではない。「それでも愛されている」のがヤバイのである。それでも好き、それでも通ってしまう、それでも愛してしまう。人を魅了するその魅力がヤバイのだ。
愛されつつも閉店してしまった『大丸』
残念ながら、この『大丸』はすでに閉店している。愛されつつも閉店してしまった『大丸』だが、いまでに多くの人たちの思い出として心の中に残っているはずだ。店主、長きにわたってラーメンを作り続けてくれたありがとう。
人生でいちばん衝撃を受けたラーメン屋『大丸』のラーメンはこちら。ラーメンにうどんをのせ、そこに焼きそばの粉末ソースをかけて食べる。具はチクワやカマボコ。味が気に入らなかったら醤油をかける。しかも深夜2時から早朝5時までしか営業しない。なのに大行列 笑 pic.twitter.com/MVNFGjpesc
— クドウ@地球食べ歩き (@kudo_pon) June 18, 2023