ピンク・リバティ新作公演『点滅する女』 山西竜矢&水石亜飛夢インタビュー「爆笑している人の横で、ズドンと刺さっている人もいていい作品を目指しました」

  by ときたたかし  Tags :  

監督・脚本家としても活躍する山西竜矢さんが主宰を務める演劇ユニット、ピンク・リバティの一年半ぶりの新作公演『点滅する女』が、6月14日(水)より開幕します。

ある一家の元に亡くなった長女が別人の体を借りて帰ってくるという、一風変わった設定でお届けする家族にまつわる物語。田舎町で暮らす一家と彼らを取り巻く人々の姿を、姉妹役に森田想さん、岡本夏美さんを迎え、ブラック・ユーモアを交えながら軽妙に描き出します。

開幕を控え、ピンク・リバティの代表であり作・演出を務める山西竜矢さん、出演の水石亜飛夢さんにお話をうかがいました。

■公式サイト:https://pinkliberty.net/flashing-woman/ [リンク]

●ピンク・リバティの新作公演としては、約一年半ぶりだそうですね。

山西:一年以上前から準備はしているので、久しぶりの感覚はあまりないのですが、好きなキャスト、ご一緒したいスタッフさんを集めることが出来て、シアターイーストも素敵な会場なのでとても楽しみにしています。

●今回の独創的な物語は、何がきっかけで生まれたのでしょうか?

山西:僕自身歳を重ね、家族と接する機会が昔より増えたことで、家族ものをやりたいと思えるようになった、というのがまず根っこにあります。それを普通にやるよりは、いつもヘンな設定でやることが多いので、今回は姉の霊が憑りついた別人が一家に現れるという、やや説明しにくい状況に落ち着いた感じです(笑)。

家族のお芝居を語る時に、リアリティだけではなくて、ファンタジックな要素があったほうが面白くなりそうだなという感覚はありました。

●物語の感想はいかがでしたか?

水石:あまり詳しくは言えないのですが、山西さんが「爆笑している人の横でズドン! と刺さっている人もいていい作品にしたい」と言われていたんです。それは僕もそう思いました。僕自身、鑑賞した後から考える、余白が多い作品が好きなんです。観る人次第でどうにでも捉えられる脚本が好きなので、山西さんのユーモアセンスが好きでしたね。

山西:基本的にはエンタメ性がある物語だと思っていて、笑えもするし、泣けもします。ただ、はっきり「泣いてください!」「笑ってください!」というよりは、どの気持ちになってもらってもいいですし、なれると思う作品な気がしています。特に最後、感想や受け止めが人によって変わるような作品にしたいと思っています。

水石:ご家族で観に来られた場合、劇場を出た後にヘンな空気になる方たちもいるかも知れない。それはそれでお客様の反応が楽しみです(笑)。

●水石さんは、どういう役柄なのでしょうか?

水石:森田想さん、岡本夏美さんの妹と姉がいる役です。最近も弟役を演じたのですが、あんまりもう似合わなくなってきたなと(笑)。

山西:水石君は、情けない役が似合いますよね。カッコ悪い役がとても素敵。ちょっと変わっているので(笑)。

水石:いやいやそんなことないですよ(笑)!

山西:いや、とても不思議な人です(笑)!

●山西さんの印象は、いかがでしたか?

水石:すごいといううわさはお聞きしていたのですが、言葉選びが秀逸だなと改めて思いました。わかりやすいですし、誰も傷つかない、傷つけない、的確だなと感じました。

●最後になりますが、ファンの方へメッセージをお願いいたします。

水石:僕もいろいろな映像、舞台もやらせていただきましたが、会話劇みたいなものは意外とやったことがなかった気がしていて、ここまでいろいろな人に観てほしいと思った作品も久しぶりなんです。僕のツボに入ったから僕自身も面白いと思いましたし、応援してくださっている方は楽しめると思います。想像以上に楽しいと思うので、ぜひ劇場に来てください。

山西:おそらく皆様のイメージよりも笑えたりもしますし、イメージ通りの悲しい作品でもあります。エンタメとして成立している作品だと思うので、いろいろな方々に見に来ていただければと思います。ぜひご来場ください、

■ストーリー

蛍が集まると、小さな宇宙が生まれるのよ─
姉の語るおかしな話が、私は好きだった。

初夏。緑眩しい、山あいの田舎町。

父、母、兄と共に実家の工務店で暮らす田村鈴子は、家族の間にある静かな歪みに悩んでいた。表面的には仲の良い田村家だったが、5年前、家族の中心だった長女・千鶴が亡くなってから、その関係はどこかおかしくなっていた。

そんなある昼下がり。一人の見知らぬ女が、田村家を訪れる。

「千鶴さんの霊に、取り憑かれてまして」

女の奇妙な言葉をきっかけに、ぎりぎりで保たれていた彼らの関係は、大きく揺り動かされ─

一年半ぶりのピンク・リバティ新作公演は、喪失に苦しむある家族に訪れた幻想的な夏の一幕を、ブラック・ユーモアを交えて軽妙に描き出す、さみしくも美しい家族劇。

<ピンク・リバティ 新作公演 『点滅する女』>

作・演出:山西竜矢

音楽:渡辺雄司(大田原愚豚舎)

出演:森田想、岡本夏美、水石亜飛夢、日比美思、斎藤友香莉、稲川悟史(青年団)、若林元太、富川一人(はえぎわ)、大石将弘(ままごと/ナイロン100℃)、金子清文、千葉雅子(猫のホテル)

日程:2023年6月14日(水)~6月25日(日)

会場:東京芸術劇場 シアターイースト

チケット料金:
前売4,800円
当日5,000円
前半割4,500円(6月14日~6月16日)
高校生以下1,000円

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo