さてさて・・・
2011年の記事で誠に恐縮ではありますが、
本家?に書かせて頂いた海外シリーズ。
『さや侍』主演の野見隆明が号泣!
松本人志監督も目をうるませた・・・
約8,000人が、会場で大合唱!-第64回ロカルノ国際映画祭
シネマトゥデイ 8月14日(日)4時0分配信
現地時間8月12日夜、第64回ロカルノ国際映画祭の最大イベントである野外劇場で
松本人志監督作映画『さや侍』が海外初となる公式上映され
約8,000人収容する会場では終始笑いがあふれた。
上映終了後は観客たちが輪になって大合唱をしながら深夜にもかかわらず、
会場を後にする松本人志監督を囲んで勝利の凱旋のような雰囲気に包まれた。
主演の野見隆明も会場端でスタッフの肩を借りて号泣、
松本監督も目をうるませるなど感動的な上映となった。
今年のロカルノ国際映画祭は、2年前から本映画祭ディレクターを務める
オリビエ・ペレ氏の熱烈なラブコールにより、
「松本シネマ」と題して『さや侍』をはじめ『大日本人』『しんぼる』の
特別上映が話題を呼んでいた。
舞台あいさつでは、ガチガチに緊張していた野見がうまくコメントできない横で、
熊田聖亜、板尾創路らがしっかりとあいさつし、会場をわかせた。
松本監督も、扇子に書いたカンペを読みながら、
「オッティモ!(最高!)」とさけぶと会場がこだまで返すなど、
終始和やかな雰囲気で上映された。
松本監督は「あまりにも会場が大きくて想像以上。
観客に受け入れてもらえてすごく光栄です。
うれしいと同時に、次はどうしようかと考えてしまいますね」
と述べた。
同日の朝に行われた公式記者会見で、
「日本のほかの監督作品もコンペティション枠で上映されていますが、
その方々へのエール等はありますか?」というある記者の質問に対して松本人志監督は
「野見さんを、どうか起用してあげてください」と切り返し、
国内外のプレスから大きな笑いが起きた。
(取材・文:スイス特派員・高松美由紀)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110814-00000001-flix-movi
・・・で、そんな盛り上がった映画祭だったのですが、
こんなインタビュー記事を発見してしまいましたので、
相変わらず意訳+誤訳だらけですがご紹介させて頂きます。
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“大日本人”松本人志はテレビのコメディに疲れている
しかし、彼は”刑事コロンボ”を愛する男
– indieWIRE
http://www.indiewire.com/article/locarno_interview_hitoshi_matsumoto_im_a_little_tired_of_tv_comedy/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed
”松本人志”の名前は、
アメリカの家庭ではあまり知られてはないかもしれないが、
日本では彼はテレビのスーパースターだ。
彼が映画監督を始めたとき、
主にお笑いコンビ”ダウンタウン”の片方として知られていて、
松本は数年前に新しい仕事のチャレンジとして映画を撮り始めた。
彼の本業であるコメディがテレビや舞台に向くように、
監督としての松本の仕事の方は、滑稽で、シュールで、
単純な言葉で表現するのがとても難しい。
不思議な天使のペニスによって囲まれた部屋に閉じ込められ、
窮地に陥る男性の物語『しんぼる』。
彼の映画製作デビュー作『大日本人』は、
やる気がなく、仕事を嫌がるスーパーヒーローの作品で、
その後を追った、2作品目となった。
それらの作品と比べると、
松本の映画3作目(すでに日本で公開している)は、
より分かりやすく”具体的な内容”だろう。
松本の過去の作品の回顧展に合わせて木曜日に、
ロカルノのグランデ広場のセクションで上映された『さや侍』。
殿様による無理難題に主人公の”さや侍”(野見隆明)は素直に従う。
彼は家族を捨て、職務を放棄した罪で逮捕された後、
殿様の無表情な息子の笑顔を取り戻すための30日間が彼には持っていた。
断続的なドタバタコメディと、張り詰めた感情的な家族ドラマ。
(主人公をリードし、非難するのは彼の娘だ)
この作品は、唯一松本だけが、やってのけることが出来るような、
蛇行するように曲がりくねった風変わりで型破りな物語である。
ロカルノFilm Festivalで名誉を受ける1日前に、
松本は世界中での彼のキャリア、今まで受けた栄誉と、
それの認知について応えるためにインタビュアーと翻訳者と共に座った。
その間、日本語でNHKがカメラを回し続け、ネットワークでつなぐ。
恐らく今回の松本の6時間のイベントを、今秋に放送するための撮影だろう。
(※2011年当時)
【インタビュアー Eric Kohn】
―あなたは以前に”お笑い”が貧しい子供時代に逃げ道を作ってくれたと仰っている。
『さや侍』はコメディの中の”贖い”と”救い”の本質を見出した。
あなたが個人的なプロジェクトとして、それを狙っていたのでしょうか?
【松本人志】
特にそのことには焦点を合わせませんでした。
私は本当に好きなのは誰にもない独創的な発想であり、
これは元からあったアイデアでしたし。
―これは、従来の侍映画(時代劇)のイメージからは非常に遠く感じました。
あなたは、観衆の予想を裏切ろうとしていたのでしょうか?
すでにある映画を踏襲したくはないですね。
私は、私自身の独創的な発想である映画を製作したいんです。
私が作るあらゆる作品が、以前作ったことがあるものの1つであるわけではありません。
ほとんど全ての侍映画にあるような、侍の姿を想像してください。
この映画では、そのようなシーンが全然ありません。
ほとんどの侍の映画では、刀が出てくるはずです。
この中であなたはそれを見なかったでしょう。
―あなたの作品のトーンは非常に独特なものです。
それについて教えてください。
それはコメディからシリアスに変化するという私の意志です。
あなたは、それがただコメディか悲劇のどちらかであると言うことはできませんが、
ただ、お笑いは悲しみに通じるものがあって、その境目=グラデーションがありません。
それは、急に変わったりもします。 この意味では、
この作品は非常に新しいジャンルへのアプローチなのです。
―『しんぼる』と『さや侍』は生命をテーマにしている作品と、
両方とも受け取れます。ところが、
第一作目の『大日本人』は、より明確なメッセージ性がありません。
あなたはこの仕事におけるこの変化について教えてください。
私にとって、初の映画作品ということで、
テーマよりも映画にオリジナリティをもたらすことが特に重要でした。
―あなたは独創性に関して話し続けていますが、
あなたが、あなたの作品のテーマについて詳しく説明するのを、
楽しんでいないように私には聞こえ始めています。
あなたは『しんぼる』と呼ばれる映画の宗教的な解釈について議論するのを
どうしたら避けることができますか?
私には『しんぼる』で別に宗教映画を作ろうという意図はありませんでした。
それは結果としてそのようになったというだけで。
あなたはあまり深くそれを解釈する必要はありません。
ただ、そのようになりました、というだけで・・・
そのことに関して心配し過ぎていたというわけではありません。
例えば、私たちの前にあるソーダのこのガラスがこぼれることになっていたとしましょう。
たぶん、誰かがその”しんぼる”を押すことでそうなったと考えることも出来るでしょう。
それを想像することは、ちょっとしたカタルシスですよね。
―では、あなたの仕事は、どのように世界の異なる地域で認められると思いますか?
私は日本でもよく考えるんですけど、
日本ではお笑い芸人として有名になり過ぎてしまったので、
私が映画を作るとき、認められるには返ってそれが邪魔になってしまう。
完全に他の活動のついでとしてという形でいつも見られているんです。
その点で、海外では純粋に映画監督として見てくれて、
そして日本と比べられないほど高く評価してくれます。
それは日本の有名なお笑い芸人だから、ではありません。
だから、全く違いますね。
―あなたを自分のものを作る気にさせた映画が、ありますか?
私は、他の映画制作者からのインスピレーションを得るのが好きではありません。
しかし、今回の『さや侍』を作っていたとき、
私は『ペーパー・ムーン』については考えさせられていましたね。
―あなたは、現在のテレビのお笑い芸人としてよりも、
もっと映画製作者として認識して欲しいと思いますか?
それはとても難しい質問ですね。
私は、ここのところ今のテレビのコメディー番組に少しうんざりしていて、
そして今後の映画制作に取り組むために多くのアイデアを練っている。
だから自分自身もっともっと頑張らないといけないですね。
―現在、アメリカで『大日本人』のリメイクの予定があります。
あなたはこれで何かを作るつもりはありますか?
もちろん、私の映画がアメリカで好評を博していたことがとても嬉しいです。
ただ、映画が日本の人の観点から撮られるかどうかわからないし、
アメリカの監督になるかどうかについてもわかりません。
むしろ私自身がとても興味ありますね。
私がこれを決めなければならないというのではありません。
むしろ決めるのは見て下さるお客さんだと思いますから。
―話は変わりますが、あなたはアメリカの映画やテレビを見ますか?
『刑事コロンボ』は好きで見ていました。
主演のピーター・フォークの死はとても悲しいことですね。
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刑事コロンボの話は初耳でしたが、
それにしても、ロカルノ国際映画祭が大盛況で良かったです。
親子の絆は、やはり国境を越えるんですね。
そして、2作目の『しんぼる』に関して、
宗教的な意図を質問されていたのが非常に興味深かった。
キリスト教の国の方でしたら、
間違いなくそう意識せざるを得ないようなラストでしたから・・・
インタビューに上がっていた『大日本人』のリメイクや、
次回作?がどうなるか全く分かりませんが、
益々目が離せませんねコレは・・・
まあ、あまり疲れ過ぎない程度に頑張って頂きたいところですが。。。
(インタビューの写真は、かなりお疲れ気味なようですが)