声優・福山潤インタビュー TVアニメ『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』は、「みなさんも共感できるストーリーと設定の作品です!」

  by ときたたかし  Tags :  

⽇本最⼤級のWeb⼩説投稿サイト「⼩説家になろう」で累計1億2,000万PV超えした⼩説をTVアニメ化した、『⽼後に備えて異世界で8万枚の⾦貨を貯めます』が現在、ABCテレビ・テレビ朝⽇系列全国24局ネット「ANiMAZiNG!!!」枠にて放送中です。

18歳の少⼥・ミツハが両親と兄を事故で失い、ショックによる⼤学受験失敗。ほかにも両親の保険⾦を狙う輩、進学か就職か、家の維持費や⽣活費など数々の出費に直面。ところが謎の存在より「こちらの世界」と「異世界」を“⾏き来”できる能⼒を与えられたことで、頼れる者のいない安泰な⽼後のため、ふたつの世界で10億+10億の合計20億円<8万枚の⾦貨>を貯めようと奮闘する物語です。

そのミツハの兄、剛史役の福⼭潤さんに作品の魅力を聞きました。

■公式サイト:https://roukin8-anime.com/ [リンク]

●この作品への出演が決まった時、まず何が楽しみでしたか?

いわゆる異世界転生モノというジャンルの作品に僕自身が最近関り始めていまして、この数年で異世界転生モノというジャンル、それこそ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」などですよね。その流れのなかで老後のために金貨を8万枚貯めますって、内容はわかるのですが、どういうことなのだとうと(笑)。でもそれが、ひとつのいいフックですよね。

今までの異世界転生ジャンルを礎にして、イントロダクションを省略できる強みがあるんです。設定ではなく、イントロダクションを共有できてしまうジャンルは強いなと思います。いきなりドラマにいけるので。

●確かに詳細な説明が要らなくなっていますよね。

しかも面白いことに、いきなりブッとんだ設定でも地に足の付いた設定でも、異世界転生モノということでみんなが納得してくれるんです(笑)。作品を展開する上でこれ以上の強みはないなと思い始めたところで、今回のお話でした。お金をどう貯めてどう使うのか、経済活動なのか生きる糧なのか、そういうものを異世界を使ってどう描くのか、僕自身も世界観だけでなく、ストーリーへの楽しみはありました。

●実際、物語の感想はいかがですか?

冒頭で大胆なことをしていてもドラマにいきなり入れるので、1話から疾走感がありますよね。特にこの作品は生きるためにお金を稼いでいく物語なのでテンポ感があまり要らないはずで、テンポ感があると情報が矢のように流れていってしまう恐れがあるところ、そういうことも含めて監督たちはいろいろ考えているなと思いました。とても感心しましたね。

導入もギャグっぼいのですが、それも主人公のミツハの前向きな性格がギャグっぽいわけで、無理矢理ギャグをやっているわけではなく、彼女の設定に上手く落とし込んでいるんです。異世界転生モノどうこうというよりも、楽しいアニメーションを作りたいのだなと思って監督たちは作っているんだなと思いました。

●キャラクターを演じる上で大切にしていることは何でしょうか?

原作の先生、コミカライズの先生が聴くと怒るかも知れないのですが(笑)、僕の中で1話の台本をいただいて感じたことは、「本当にミツハのお兄ちゃんってこういう人だったの?」という疑問を僕は持とうと。いや、それはどっちでもいいのですが(笑)。

でも、実際に描かれるのはイマジナリーとしてのお兄ちゃんと、過去の様子、ミツハ視点の、ミツハの主観としての姿なんですよね。客観的に家族を描いてないんです。だから僕は<可能性として>ミツハがそういうお兄ちゃんとして見ていただけなら面白いなと思っているんです。そのことは、どこかで意識していることではありますね。

●最後になりますが、楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

老後の資金問題は、いまやもう全世代に関係していることだと思います。異世界転生というジャンルにおいても、多くの方が現実世界の力を使って異世界で無双してきた世界の中で、金銭面においてアドバンテージを得ようとしている作品だと思います。半ばみなさんも共感できるストーリーと設定の作品になっていると思っています。

あとは何をおいても前向きに人生を生きることは必要で、確かに今の世の中、世知辛いことばかりがありますが、前向きに何かを踏み出して行った先に何かあるはずなんです。それはメッセージではなく、不文律だと思っています。それをエンターテインメントのカタチとして、ひとりの少女が天涯孤独になったけれども、異世界と現実を往来しながら、老後に安心して生活できるお金を貯めようじゃないかという奮闘記が本作です。大変ドラマチックかつ面白く映ると思いますし、ミツハがいかにして8万枚の金貨を手に入れていくのか、一緒に見届けていただければ幸いです!

■ストーリー

最新話:2/11放送! 第6話『おねだりベアトリスちゃん』

パーティーで再会したボーゼス伯爵家に招待され、泊まることになったミツハ。夜、ノックされたドアを開けてみると、そこには不安そうな表情のベアトリスが立っていた――。

放送:2023年1月よりABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット「ANiMAZiNG!!!」枠にて毎週土曜26:00〜

(C) FUNA・講談社/「ろうきん」製作委員会

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo