高杉真宙&関水渚インタビュー:心温まる恋と絆の物語、映画『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』出演で想うこと

  by ときたたかし  Tags :  

偶然のいたずらでひとつ屋根の下で暮らすことになったふたりの恋と、家族の繋がりを描くハートウォーミング・ラブストーリー、『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』が全国公開となります。海辺の町の小さな診療所で医師として働く俊英と、彼がかつて一目惚れをした女性に“ソックリ”な亜子が出会い、そこから始まる心温まる恋と絆の物語。俊英役の高杉真宙さん、亜子役の関水渚さんに本作の魅力についてうかがいました。

■公式サイト:https://itsuitsu-eiga.com/ [リンク]

●日常や家族のリアルな描写も印象的でしたが、物語の最初の印象はいかがでしたか?


高杉:「関水さん演じる亜子ちゃん、大変そうだな」という印象が強かったです(笑)。ページをめくるたびにイベントごとが起こるというか、亜子ちゃんは川に入ったり、服を破ったり、タンスを壊したり、本当にさまざまなことをやらかす子だっだんです。

●実際、大変でしたか?

関水:確かに大変なシーンはあったのですが、基本的には日常のようにみなさんとほのぼの過ごしていくシーンが多かったですかね。だから撮影が始まって5日目くらいにはきよさん(芹川藍)をはじめ、仲良くしていただきました。それが反映されていると思っていて、そのおかげで本当に仲良しな映像が撮れたと思っています。みなさんとの時間が楽しかったですね。

高杉:亜子ちゃんはかなり物語の中心にいて、彼女が中心で話の軸が動いていくんですよね。なので、そのエネルギーがすごいです。僕は普段受けが多くて、たまに発信するキャラクターを演じることもあるのですが、消費のエネルギーが2~3倍は違ったと思う(笑)。それを毎日のようにやらなければいけない亜子ちゃんは、本当に大変だったろうなと思います。

関水:全体としては自分の気持ちを素直に伝えられない、向き合えない若いふたりが、少しずつ自分にも向き合い、人に対しても心を開いていく、物語を通して生きやすくなっているなと思いました。冒頭のふたりよりも、いい意味でゆるんでいく。それが客観的にみてよかったです。

●おふたりはそれぞれ役柄をどのように理解して演じたのですか?

高杉:俊英は、基本的にはとても頑固な印象があります。でも根底にあるものは、想いが強い人。だから何事もその根底があるというところから始まるので、演じる上で理解が大変なことは少なかったです。後は亜子ちゃんに引っ張っていってもらう感じだったと思います。ただ、みんな自己中心的なキャラクターだなと思いながら演じていました(笑)。

関水:映画の中の亜子は上手くいかないことから目を背けていますが、「でもわたしはそれでいい」と自分で思っていた時期だったのかなと理解しました。「わたしはこれでいいの、構わないで!」と口では言っているけれど、かまってほしいから自分のキャパ以上に大胆なことをしているのかなとも思いました。それでもまだ、捨てきれない想いみたいなものも残っている。ちょっとまだ子どもみたいな真っ直ぐさも残っている子だし、それこそ人からの影響も受けやすいから、この家に行くことでリラックスできたのかなと思いました。

●この作品から受け取ったものや、響いたテーマは何でしょうか?

高杉:人と人が出会うタイミング、別れるタイミングは重要だなと思いました。基本的にみんな生々しいのでキャラクターっぽくないし、全体的にそばにいる隣人のような感じがするので、(映画的に)きれいにまとめようとしていないですよね。正しいことを言っている人がひとりもいない。そういう世界で描くからこそ、出会いと別れの大切さが如実に出ると思うんです。人は出会い方、別れ方がとても重要だなと改めて思いました。人とのつながりが、そういうところからも見える感じがしました。

関水:撮影期間中、みなさんと楽しくお話している時、ほのぼのと世間話をしている時、本当に楽しくて、まさしくタイトルのように、こういう毎日がずっと続けばいいのになと思っていました。こういう生活はずっと続くこともあるだろうし、終わってしまうこともある。そのほうが多いかもしれない。それでもずっと続けばいいのになという感覚を、「寂しいからもう味わいたくない」とは思わなかった。最初から思わなければ終わっても寂しくはないけれど、この素晴らしい感覚はまた感じたいなと思いました。プライベートの世界でも、終わっちゃうかも知れないけれど、それまでは大事にしたいなと思いました。

●今日はありがとうございました!

■ストーリー

海辺の診療所で、祖父と共に働く医者の俊英。彼の前に、ある日、憧れの女性にそっくりな亜子が現れる。胸ときめくも束の間、“こじらせ女子”の亜子に振り回され、彼の理想像は粉々に。だが、あきらめきれない夢と現実の間で傷つく亜子の素顔を知るにつれ、淡々と生きていた彼の何かが変わってゆく。そして、亜子もまた、俊英や“じいさん”、家政婦の“キヨさん”と囲む家族のあたたかい食卓に、かけがえのないものを見出していく…。偶然のいたずらで、ひとつ屋根の下で暮らすことになった二人の恋と家族の”繋がり”を描く、ハートウォーミング・ラブストーリー。

<高杉真宙>
■ヘアメイク 堤紗也香
■スタイリスト 荒木大輔

<関水渚>
■ヘアメイク:伴まどか
■スタイリスト:後藤仁子

映画名:『いつか、いつも……いつまでも。』
公開日:2022年10月14日(金)全国公開

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo