荒木飛羽、大好きな作品での初主演を述懐「撮影が終わった後、もうちょっと令児でいたかったなと思いました」 MBSドラマ特区「少年のアビス」放送中

  by ときたたかし  Tags :  

若手注目株の荒木飛羽さんが、大人気コミックの実写ドラマ「少年のアビス」で主人公の黒瀬令児を好演しています。同原作は2020年より「週刊ヤングジャンプ」で連載をスタート、累計発行部数100万部突破の大人気コミック。生まれ育った環境に縛られ絶望の淵にいた高校生の主人公が、ある出会いをきっかけに生きることは何かと希望を追い求め、持ちかけられた“心中”から始まるというスーサイドラブストーリーです。主人公・黒瀬令児役を演じた荒木さんにお話をうかがいました。

■公式サイト:https://www.mbs.jp/boys_abyss/ [リンク]

●今回の主演作品、出演が決まった時はいかがでしたか?

今まででたぶん初めてくらいのプレッシャー、緊張が大きかったです。なので撮影現場に入ることが不安だったのですが、主人公の令児を演じるにあたり、その感情も含めて彼の表現に使っていければと思いました。

ただ、もともと原作が大好きだったので、嬉しいという一言では表せないほど、自分の中で幸せな感情が大きくなっていきました。

●原作がお好きだったんですね。

もう、話し始めたら止まらないくらいの物語なのですが、令児から見ると夕子(片岡礼子)は大切なお母さんなのですが、いびつな親子関係なんです。すべてをあきらめていたのですが、ひとりの憧れの女性と出会うことで、信じられないくらい大きく揺れ動いていく。

令児だけでなく、ひとりひとりの登場人物の感情の動き方、出し方、みんなが求めているものが、とてもきれいだなと思いました。

●今回のドラマは、オリジナルのストーリーもあるそうですね。

それがまったく違和感がないなと思いました。「少年のアビス」の良さを活かしたまま、いびつなものを入れてくれています。読み応えもあり、本当にドラマの「少年のアビス」として、原作とは少し違った面白味も加わった脚本だなと思いました。

8話まであるのですが、脚本をいただいた時にすぐに読み始め、あり得ないくらいのスピードで全部読み終えてしまい、感情が引き込まれる感じが原作のままだったので、とても楽しみでした。

●初主演はいかがでしたか?

そうですね。初主演で大好きな令児を演じさせていただけて、本当にプレッシャーに押し潰されそうだったのですが、撮影現場に入ってみると本当に温かい人たちに囲まれ、みなさんのアビス愛が伝わり、安心しました。初主演で令児を演じて、本当に幸せだったなと思いました。終わった後、もうちょっと令児でいたかったなと思いました。

●彼を好きになってしまう感覚ですか?

演じている時に本当にその人を生きている感覚で、カットがかかると何をしていたのかあまり覚えていないことも多かったりするのですが、それでも今回はナギとのシーンを覚えていたりしました。撮影期間中も本当に泣きそうなほど体調が悪くなることもあり、それくらい令児になっていたのだと思います。

●肉体的にも精神的にも大変そうです。

大変は大変なのですが、令児でいられたことは本当に幸せでした。

●初めて物語に触れる方たちには、どうすすめますか?

令児の母親に対する気持ちをはじめ、ひとりひとりの登場人物の感情のぶつかり合いが複雑なので、そこは見どころだと思います。あとは令児を演じるにあたり、お母さんの存在・縛りをいつも頭の片隅に置いていて、それを踏まえてセリフを言っていたというかお母さんがトリガーになって全部が動いていると思うので、そこに注目して観ていただければと思います。

■ストーリー<第4話>

憧れの小説家・似非森浩作(和田聰宏)から抱きしめられ、関係を迫られた秋山朔子(本田望結)。突然の出来事に驚いた朔子は、そのまま部屋を飛び出してしまう。一方、黒瀬令児(荒木飛羽)は、担任の柴沢由里(松井玲奈)から1000万近い預金の入った通帳を渡され、そのお金で東京に行くことを促される。しかし、その代償として由里からは“ある条件”を提示される。そして放課後、朔子の家に遊びに来た令児は、朔子とお互いの秘密を暴露し懺悔する『告解ごっこ』をすることに。そこで朔子の意外な心の内を知ってしまった令児は、とある行動に出て…。

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo