ジャン=ポール・ベルモンドの命日であり一周忌にあたる9月6日(火)、「ジャン=ポールベルモンド傑作選」上映作品の新字幕を数多く(20作品中9本)担当した松浦美奈さんと、長年交渉を続け傑作選を実現させた配給プロデューサーの江戸木純さんによるトークイベントが開催。“ベルモンド映画”と“ベルモンド愛”が炸裂する熱いトークイベントとなりました。
フランスの“至宝”と呼ばれ、世界中の映画ファンから愛され、あのジャッキー・チェンやトム・クルーズも彼の映画から学んだと言われるアクション映画界の伝説(レジェンド)、ジャン=ポール・ベルモンド。惜しまれつつ、昨年その生涯を閉じました。あれから1年、コロナ禍にもかかわらずスマッシュヒットを続ける大好評企画「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」もこの第3弾でファイナルとなるそうです。
上映中の『ブレット・トレイン』をはじめ、数多くの作品の字幕を手掛けている松浦さんが、「傑作選1」の時に観客として『オー!』を観に行った際に、配給プロデュ-サーの江戸木さんと劇場でバッタリ出会い、「傑作選2」より字幕をお願いしたという逸話を披露。ふたりのベルモンド映画愛が感じられるスタートとなりました。
昔は、洋画がテレビでオンエアされることが多く、特にフランスの娯楽映画が数多く放映されており、70年代にはベルモンドが大人気で彼の主演作はお茶の間に浸透していたそう。江戸木さんは、「テレビでオンエアされなくなり、ベルモンド映画を観ることができる機会がほとんどなくなったので、傑作選への思いが始まった」という経緯を説明しました。
同トーク前に上映された『冬の猿』の話では松浦さんが、「みなさん、この映画の時、ジャン・ギャバンがいくつだったか知っていますか? 58歳ですよ!」と名優の貫禄ある演技について語ると、江戸木さんは「ベルモンドは29歳でした。あの酔っぱらい方に運動神経や体幹の良さが出ています(笑)」とコメント。ベルモンド作品を数多く翻訳している松浦さんによると、ベルモンド映画は説明台詞が多くなく、見せる映画が多いことや、今回の上映作品の『薔薇のスタビスキー』翻訳の際には、時代背景や人名などの日本語資料がなく、苦労したという話も。名脚本家が脚本や台詞を担当しているベルモンド映画のフランス語はスラングが少なく、美しいという翻訳者ならではの貴重なエピソードも語っていました。
また、ベルモンド38歳時の『勝負をつけろ』は、ベルモンド36歳時の『ラ・スクムーン』と同じ暗黒街映画の巨匠ジョゼ・ジョヴァンニの原作であり、この2作を見比べるのが面白いという「傑作選3」の楽しみ方が語られたほか、松浦さんは「ベルモンド映画は、ロングショットでアクションをしっかり撮り、スターだから必ずベルモンドがアップになる。もうそれで満足」「怪盗二十面相のベルモンドは植木等みたい」と語り、江戸木さんは「『パリ警視J』など警視なのに法律破りまくりで、あれはほぼ犯罪者でしょう」「『怪盗二十面相』と『薔薇のスタビスキー』はベルモンドが全編嘘をつきまくる嘘とホラ吹きのスペクタクル!」と、笑える見どころについて解説を行ない、大いに盛り上がりました。
最後は、「何をやってもベルモンドの演技が上手いから、ベルモンド映画全部面白い!」とおふたりの絶賛で締めくくられました。「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3」は、新宿武蔵野館はじめ全国5か所でスタート。公開館の新宿武蔵館には、ベルモンドディスプレイ前に献花台が設置され、希望の来場者の方に折り紙で折っていただいた花が飾られています。
「ジャン=ポールベルモンド傑作選3」公開情報
新宿武蔵野館、テアトル梅田、名演小劇場ほか全国順次公開中
提供:キングレコード
配給・宣伝:エデン
Belmondoisback.com [リンク]