がん細胞の増殖を規制すると思われていた遺伝子の正体

  by 香椎みるめ  Tags :  

英国カーディフ大学の生命科学学部の研究によれば、乳がんに関連する遺伝子が予想外の“役割”を有していることが明らかになった。大学の公式サイトが伝えている。

乳がんに関連する遺伝子の一つであるBcl3は、これまでの体外研究において、乳がんの細胞増殖を規制する性質があると考えられてきた。ところが、カーディフ大学の研究チームは、乳がん細胞を規制するとみられているBcl3を、逆に抑制する体内調査を実施した。その結果、がん細胞の増殖が進行するどころか、他の器官へのがん細胞の転移を防ぐ効果が認められたという。

今回の研究チームを率いたリチャード・クラークソン博士は「我々が予想していなかったBcl3の“役割”が明らかになりました。体外における研究だけでは分からなかったでしょう。乳がん治療に役立つはずです」と述べている。斬新な“Bcl3阻害薬”の実用化は急ピッチで進められている模様だ。

画像: 今回のニュースを伝えるカーディフ大学のホームページのキャプチャー
http://www.cardiff.ac.uk/news/articles/discovering-a-new-role-for-a-breast-cancer-gene-10007.html

香椎みるめ: フリーのライター、英日翻訳者、校閲者の三刀流。平成生まれ。性別は秘密。ウェブマガジン「GIGAMEN」で10年、計1890本以上の記事を執筆。サッカーの観戦記から始まった物書き屋は、「Yahoo!ニュース」や「ガジェット通信」に掲載された経験も活かしつつ、今は日本市場へ参入する海外企業の皆さんとタッグを組みながら、ありとあらゆる「文字を書くお仕事」をこなす日々。

Twitter: GigaMirumeK