すべてが謎!「警視庁公安部」の組織は一体どうなっているのか?

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

「公安」という言葉、よく耳にしますよね? 少し怖い響きですが、私たちの生活、安全、安心を守っていてくれる大切な警察の部署です。実は街中で許可を取ってデモをしている人々の周辺には必ず公安の警察官がいます。気がつかない方も多いのではないでしょうか?

今回は、すべてが謎に包まれた「公安警察」の組織や担当している事件について、公安に友人がいる現役警察官のY氏(45歳)にお話を伺いました。すべてが隠密と呼ばれている公安警察。さてどのような話が飛び出すのでしょうか?

公安は日本の諜報機関

丸野(以下、丸)「公安警察というのはどのような組織なのでしょうか?」

Y氏「公安警察というのは、非常に情報が少ないのです。日本国内で左派勢力が幅を利かせていた時代に、《防共》と《治安の維持》を行う組織ができました。それが公安です。警察までも監視してしまう、いわば《警察のお目付け役》になりますね。その中には秘密組織まであり、情報を集めることに躍起になっています。ずっと秘密裏の仕事を続けています」

丸「その中枢はどこなのですか?」

Y氏「警察庁警備局ですね。公安は日本の数ある諜報機関の中でも最強です。なにしろ、警察官が諜報活動を行っているわけですから。捜査権、逮捕権、武器の携帯までも有する最強の集団なのです」

丸「そうなんですね」

Y氏「個人でそのような情報を取るには、やはり警察官の権限などがなければムリですね。同じ諜報機関である《防衛省情報本部》でもやはりムリでしょう。まず、拳銃使用許可などが出ない。武器なし、捜査権なしでは電波の上での情報収集しかないわけですからね。幹部自衛官でも認められた時に拳銃の携行が認められるんです」

丸「それはまさしく最強の機関ですね」

機密情報はどこに届くのか?

Y氏「情報本部と公安調査庁が収集した情報は、内閣に上がります。そこで警察庁や公安委員会に報告されるわけですね。さらに、これを鑑みて、日本全国の治安維持に利用しているのが、警察にある諜報機関です。何かあった場合は容疑者を逮捕、取り調べして、疑わしき者は検察庁へと送ります」

丸「逮捕権もありますもんね」

Y氏「警察内部ではこの諜報業務を《警備》が担っています。要人警護やテロ行為に立ち向かう部署ですが、警察は諜報を主に行っている公安というものを警備として位置づけているわけですね。日本共産党などをはじめとする左翼や右翼団体、外国からのスパイの活動などを常に監視しながら、それらに関する情報収集に当たっているわけです」

丸「へぇ~」

Y氏「さらに幅の広い情報や昔ながらの活動から欠如してしまっている情報まで広範囲に収集しているほど、彼らは幅を利かせています。これらを警察内で《幅広情報》と呼びます。この情報の中には、マスコミの動向、政治の情報などスキャンダルにも精通しているわけなんですね」

Y氏「警察庁は行政機関になりますので、公安は《警察庁警備局公安課》の下に準じています。役割としては4つ。ひとつ目が情報収集とその整理、ふたつ目が国に危機を及ぼす内乱罪やスパイ活動・武力行為・外患罪(※それに手を貸す行為)に対する監視、みっつ目には破壊活動防止法に値する暴力行為の取り締まり、国家防衛に関する情報漏洩になどの犯罪に対して対応しています」

警視庁公安部の組織って?

では、実際の公安部の組織編成を見ていきましょう。

・公安総務課(主に反戦デモ、左翼の政治団体への対処。さらにサイバー攻撃の捜査なども行う)

・公安第一課(極左暴力集団の捜査や情報の収集にあたる)

・公安第二課(革マルの捜査や労働争議対応)

・公安第三課(右翼団体の捜査や情報の収集などを行う)

・公安第四課(統計管理や資料の作成にあたる)

・外事第一課(欧米情報の収集や東欧・ロシアのスパイ活動の監視などを行っている)

・外事第二課(中国や北朝鮮のスパイ活動の監視、戦略物資の輸出などを食い止める※東アジア担当)

・外事第三課、第四課(中東地域のテロ行為、国際テロ情報を担当)

・公安機動捜査隊(テロ事件が実際に起こった時の捜査や鑑識などテロ対策の執行部隊)

全国の公安各課でも内部情報を募っている

丸「すごい組織ですね」

Y氏「しかし、警視庁公安部だけでなく、全国の公安各課でも情報収集していますよ。恐ろしいでしょ? 誰が活動家で、どこがアジトで、どんな活動をしているのか。それを知るのが仕事です。この情報収集のことを《作業》と呼びます。内通者の抱え込みは隠語で《ゼロ》。警視庁や警察庁では《チヨダ》と呼びます。国内のこと以外は、外事警察が活動を行い、日々情報収集をしているわけですね」

日本の秩序と安全を守る公安警察の存在はあまり知られていません。しかしながら、尊敬に値する仕事であることは間違いないわけです。
私たちが日々平和な暮らしを手に入れられているのも警察官の方々の努力のたまものということです。

※イメージは写真ACより

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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