夢のような研究成果が発表された。燃料棒の設計を変えただけで、原発軽水炉で、高速増殖が可能になるという。
これが、もし実現可能ならば、危険な金属ナトリウムも使わず、今まで処分の難しかった核燃料廃棄物が、中性子を吸収してPu239という燃料に変わる。これにより、通常は85年程度で枯渇すると言われたウラン資源を100倍活用できる。素晴らしい研究成果である。
早稲田大学(早大)は12月26日、放射能の密封性を損なうことなく水対燃料体積比を低減できる、核燃料棒を隙間なく束ねた新燃料集合体を考案し、世界で初めて「軽水冷却原子炉による高増殖性能」を計算上ではあるが達成することに成功したと、同大大隈会館にて行われた会見にて発表した。
会見を行ったのは、早大理工学術院 先進理工学研究科 共同原子力専攻の岡芳明特任教授。今回の発表に関する詳細な内容は、12月21日付けで「日本原子力学会欧文誌」オンライン版に掲載された。
国内では「もんじゅ」がそれに当たる「高速増殖炉」は、発電をしつつ消費するよりも多くの核分裂性物質(燃料)を生成できるため”夢の原子炉”と呼ばれ、世界中で研究開発が行われている。その主流である「ナトリウム冷却高速炉」は冷却材として液体ナトリウムを用いるための対策設備が必要で、まだ実用化に至っていない。
また、日本でも建設数の多い軽水冷却原子炉(加圧水型、沸騰水型、改良型沸騰水型など種類は複数ある)での高増殖性能も長い間にわたって研究されているが、こちらも今もって達成されていない。
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参考HP 早稲田大学プレス:世界初、軽水冷却原子炉による高増殖性能について マイナビニュース:早大、世界初の軽水冷却原子炉で高増殖性能を計算上達成