X線レーザーは、X線のレーザーである。X線は波長が短く、1pm(ピコメートル)~10nm(ナノメートル)程度しかない電磁波である。波長がおよそ10pm(ピコメートル)よりも短い電磁波であるγ線(ガンマ線)はX線の一部である。
レーザーというと、DVDなどで使われるレーザーが身近にあるが、これらは、可視光や紫外光の波長領域、つまり波長が数100ナノメートルの光を出すレーザーである。これに対し、X線レーザーの波長は、0.1ナノメートル以下である。この波長は原子の大きさ程度に相当するため、原子や電子の分布といった、今まで見ることができなかった非常に小さな世界を映し出すことができる。 今回、 高輝度光科学研究センター、大阪大学、東京大学、理化学研究所、科学技術振興機構の5者は12月17日、X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」において、原子レベルの表面精度を持つ集光鏡により、世界で最も強いX線レーザーのマイクロビームの実現に成功したと発表した。
XFELは極めて強い光のため、通常の虫眼鏡のような屈折レンズにその光を入射した場合、屈折レンズがほんの少しの光を吸収しただけでも、温度上昇によりレンズが破壊され、集光ビームを安定して利用できない。
そこで研究グループは、XFELを集光するために反射鏡を利用して、光を1点に集める方法を採用することにした。鏡の表面にすれすれの入射角(約0.1°)でXFELを照明し反射させることで、鏡材料へのXFELの吸収を桁違いに低減可能とし、さらに、反射現象を利用することで100%に近い反射率が得られるというわけだ。
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参考HP アイラブサイエンス:世界最短波長のX線レーザーでアルミを200万℃に一気に加熱 マイナビニュース:X線自由電子レーザーの密度を4万倍に強化