メディアは 暴力被害の クリス・ロック に味方が増え ウィル・スミスに 不利の傾向

  by あおぞら  Tags :  

 アカデミー賞授賞式が終わり5日も経過しているのに、アメリカのメディアはウィル・スミスの ”ビンタ事件” の話題が沈下する様子はない。

 当初は、病気の妻の髪型を茶化され舞台に上がり、プレゼンターのクリス・ロックにいきなりパンチを食らわせたウィル・スミスが注目され、概ねその行為に批判をする人たちは少なかったように思えた。

 しかし、時間経過とともにウィル・スミスへの批判の声があがっている。ジム・キャリーはCBSの朝のニュース番組のインタビューで、先の事件について問われると

「今朝、発表していただろう。私はウィルに2億ドル(約240億円)を要求する訴訟を起こすって。あの動画は永遠に残るんだから。あちこちで拡散される。その屈辱は長い間続くだろう。観客席から怒鳴ったり、ツイッターを通して非難したり、何か言ったりするのはいい。しかし歩いてステージに上り、何かを言われたからと誰かの顔を引っ叩く権利などない」

(※発言はhttps://www.vogue.co.jp/celebrity/article/jim-carrey-i-would-have-sued-will-smith-for-200m-after-slapより転用)

 仰る通りである。実際、日曜夜の事件以降からテレビで何度繰り返し放送されていることだろう。何度も放送されることで、痛みを耐えるクリス・ロックの顔が気の毒に思えてくる。

 個人的にはクリス・ロックの笑いのスタイルは好きではないが、意外にこのコメディアンは思慮深いことがわかり、暴力被害者のロックが困った状況に追いやられないことを願う。

 思慮深さがわかったのは、アカデミー賞授賞式の司会進行は3人の女性によって取り行われた。その中の1人である黒人コメディエンヌであり、また女優でもあるワンダ・サイクスに、アフターパーティーでクリス・ロックが謝罪した言葉を目にしたからだ。

Chris Rock apologized to Wanda Sykes after the Oscars: “It was supposed to be your night”
クリス・ロックはオスカーの後にワンダサイクスに謝罪した:「それはあなたの夜になるはずだった(司会のあなたこそが注目される夜…という意味)」

 クリス・ロックはカメラ前で悪態をつき、人の見ていないところでアカデミー賞授賞式の司会者の一人に謝罪した。善行を人の見えないところでするクリス・ロックの味方は更に増えることだろう。

(Photo:gdcgraphics-https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Chris_Rock_2014.jpg)

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