一粒万倍日×天赦日×寅の日に TISSOTの五番街の旗艦店で 起きたエピソード

  by あおぞら  Tags :  

 昨日の3月26日は一粒万倍日×天赦日×寅の日でした。どうやら12年に一度あるという好運日。専門家によるとこの日には財布を買うのが最適とされていた日、私は”時を買い”に行きました。ハイ、時計です。

 20年以上愛用していたTISSOTの腕時計が壊れてしまったのが昨年で、それ以降はスマホを時計代わりにし、左手首は腕時計なしのフリー状態でした。実はその時計に束縛されない自由さも謳歌していたのです。

 しかし、最近思わぬところから臨時収入があり、こういう場合は何か記念になるものを買いたく少し逡巡すると浮かんできたのは腕時計でした。腕時計は数本ありますが、昔の時計に電池を入れて新たに使い始める気にはならず、3月26日の一粒万倍日×天赦日×寅の日に五番街にあるTISSOTの旗艦店に初めて行ってみることにしました。

 20年前に買ったTISSOTは、メーシーズの時計売り場で購入しストラップの調整は時計売り場ではなく、メーシーズの上階にあるお客様センターが一括してやっており、多少待たされた記憶があり、それだけ大きなデパートは扱う顧客数が多いので仕方ないと感じた記憶が残っていました。

 ですから今回は直接TISSOTの旗艦店に行ってみようと土曜の朝に、10度を切る寒い日だったので仕立てのいいブルックスブラザーズのコートを着て出かけました。

 鰻の寝床のような店内は極めてシンプルなデザインで綺麗に陳列された時計や、ショーウインドウに飾られたディスプレーが美しかったです。

 先客は若い中国人カップル。店員さんは他にいなかったのですが、すぐに女性店員が奥から登場し接客してくれました。私の買い物法は実に手っ取り早く、既に購入品を決めているのでそれを買うのみなのです。ショーウインドウに購入予定の商品が並べられていたので、ゴールドと目新しいピンクゴールドの両方を見せてもらいました。

 感じの良い女性店員にピンクゴールドを薦められ、私自身もその色に決めていたのでスンナリ購入しました。購入時に私の名前や住所を記入するのですが、名前を見てすぐに「日本人?」と言い、即「こんにちは」と客扱いも上手いです。

 そして、3月26日は一粒万倍日×天赦日×寅の日で好運日であることを伝えると、嬉しそうに他の店員さんにオウム返しで伝えます、カワイイ! そして、その女性店員の名札を見て驚愕、Toraです👀 Toraなんてフ~テンの寅さんしか浮かびませんが、目の前にいる細身の女性店員のお名前はTora!勿論、当日は『寅の日』であることはお知らせしましたら、更に喜ばれました。

 ストラップ調整には20分の時間を要するので、近所の近代美術館で時間を過ごすことにしました。都合のいいことに美術館の会員なので入場無料でヒマつぶしが出来る好運振りです。

 ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、ゴーギャンなどをさぁ~っと流し、TISSOTの旗艦店に戻るとジャストフィットの腕時計完成です!一粒万倍日×天赦日×寅の日の大仕事を終えて、バスに乗り帰路に着く予定が、バスの車中で真っ新の時計を見ると何か変⁈ TISSOTの文字盤のSSの右側のSに何かが被っていて、TIS OTとまるで模造品です。これはイケマセン‼ 

 踵を返してTISSOTに出戻りすると、先の女性店員の姿は見えず、男性店員の方が対応してくれ、先ほど購入の私が即戻る姿に不思議な反応は見えました。不良品といえる時計を見せつつ説明すると「これは珍しいですね、でもいけませんね。折角の3倍好運な日にしては、随分でしたね…」と言い、老舗時計店の店員の対応はエスプリが利いています。
 
 男性店員がバックオフィスにその時計を持って引っ込むと、先ほどの女性店員Toraさんが登場し、随分恐縮されています。どうやら0.0ミリ単位の異物が混入していたようです。実に珍しいことだそうです(そうでしょうね)。Toraさんは早速、時計の交換をしてくれストラップ調整をその場でしてくれると仰り、店内で手持無沙汰の私に「どうぞ、こちらのラウンジでお待ちください」と売り場の背後のラウンジに通されました。

 これはいい経験でした。Toraさんから受け取った最初の時計に異物が混入していなかったら、通されることはなかったVIPが座るラウンジです。私自身も高級店に行く際は、最終面接に行くくらいに服装&見た目と態度に気を配りますので、それもあったのでラウンジに通されたと思ったのです。

 ラウンジは売り場からは見えませんが、距離はほぼ直結なので女性店員と異物混入が珍しい話しをしていると、中近東風の男性でダメージジーンズを穿いた男性がラウンジの様子を覗きながら勝手に入ってきましたが、女性店員は止めることも出来ません。そうすると太めの中近東風の仲間の男性も勝手に入ってきて、一人掛の高級ソファーにどっしりと体を預けスマホをいじります。

 本音をいいましょうか?「厚かましい!」 私程度の客は本来ラウンジを使用できないのですが、たまたま店側に粗相があったので、お詫びの意味で2回目のストラップ調整時間は、ラウンジで待っている間に手早く調整してくれたためで、店側の配慮だったのです。

 裏側で声がするので声のする方へ偵察に来る中近東風の男性のデリカシーのなさ、そしてそこに居座る無神経さ。女性店員は「ダメです」とは言いにくいですよ。そうこうすると仲間内と思われる男も入ってくるとは。

 中近東風のそいつらはこの文章を目にすることはないでしょうから、ハッキリ書きますが日本男性はそんなことはしません。同じアジア人で、もし中国男性ならする可能性もありかもしれません。

 アジアの国際機関で働く友人曰く、アジアのある国々の男性は押しが強く遠慮と言うものを知らず恥ずかしいくらいと言っていたのを思い出しました。

 日本人からしてみれば五番街のTISSOTの旗艦店に行くならば、多少は身なりを整えろよ!と言いたいですし、お金持ちかもしれないけれど、身なりは悪いし、マナーもない人がラウンジにいる居心地の悪さよ。

 私は日本人の慎みを心得ているつもりだから、ラウンジでは行儀よく座ってビジネスクラスの乗客を装いましたよ。それに店側の粗相がないとラウンジには通されなかった一般客であることも知っています。

 兎に角、昨日の3月26日は一粒万倍日×天赦日×寅の日は、いろんな珍しい経験が出来、異物混入の時計を手渡されましたが、逆にそれがあったので、VIPラウンジ体験と、また招かざるラウンジ客の実態も垣間見れまさに超ラッキーな好運日でした。

 

ニューヨークから発信しています