アメリカに来て覚えた単語は、Hail。普通に「ヘイル」と言うだけで、十分アメリカ人に通じる日本人には発音しやすい英語です。
昨日の午後2時過ぎにエンパイアステイトビル近くを歩いていると、車道の交差点で大きな音がして、音の出どころに目をやるとゲンコツくらいの氷でした。ラテンのノリのいい音楽を爆音で流していたガラの悪いにぃちゃんが車道に落とした?、と思って見るものの、あんな大きな音は出ないのでにぃちゃんの仕業ではなく、きつねにつままれた気分で横断歩道を歩き、エンパイアステイトビルディングを前にした5番街34丁目の青空を見上げると、氷の塊がまるで映画の世界の、非現実的な現実を目の当たりにしました。
長らくお待たせいたしました。そのHailですけどヘイルは雹です。漢字も読みにくいですね、雹と書いてひょうと読みます。その雹がエンパイアステートビル前に空からジャンスカ落ちてくるのです。
街ゆく人々の行動は突然の大雨のように、軒先や店舗に入り込み、私も同じく5番街34丁目のドラッグストアーの入り口に避難しました。人々の口から発せられる言葉はHail、Hail、Hail!
見上げた空は青空。午前中は雨だったので、そのためか目の覚めるような青色の空から、大小の雹が地面に落ちてきます。人々が避難した時間は5分くらいでしょうか。
私もおもむろにドラッグストアーから出て、34丁目を西に向かって歩き始めます。この通りにはメーシーズのデパートもあります。人々はまだ不安のようで空を見上げています。私だって空を見上げます。
アメリカって災害の規模も甚大ですが、雹というものがあんなに大きなものであるのを知ると、自然の驚異を感じました。路上には空から落ちて叩きつけられた雹がゴロゴロ。大きさもまちまちで、文庫本を一回り程小さくした大きさのものもあります。
素人が氷を作ると中に空気が入ったままになりますが、路上の雹は空気のようなものは入っておらず、半透明で見た目は水晶が少しくすんだ感じでした。相当硬いのでしょうね、形がそのままなのです。空から降ってきて相当の衝撃で地上に叩きつけられても壊れていないのです。自然の産物って偉大!
被害者はきっと出ているとニュース検索しても見当たらず。あの不思議な光景に出くわして好運でした。なんせ青空から雹が降ってきて、それが美しいのですよ、見上げた青空の視界にエンパイアステートビルも収まるとは、我が心のテレビカメラ、いい働きをします。
雹が降る時に出くわしたことはありますが、せいぜいふりかけみたいな軽いもので、人々が非難するようなものではなかったのですが、アメリカって雹までスケールがデカいです。スペクタキュラーな青空から降り落ちる様々な形の水晶みたいな雹、ああ、いいものを見せてまらいました、しかもタダ!