テキヤ稼業が激変!76歳元テキヤが語る「コロナの影響」とは?

どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

大好評のテキヤ記事第3弾は、このコロナ禍で激変したテキヤ稼業。変異株をまき散らしながら相変わらず蔓延中の新型コロナウイルス感染症。昨年夏から年初にかけて、全国的に祭りなどの季節行事の開催が見送られました。もちろん、それらに伴う露店の出店なども中止。

年に何度も我々を楽しましませてくれたテキヤさんの露店。子供たちだけではなく、大人ですら夜店の灯りに吸い寄せられるわけです。

感染の拡大を防止するために仕方のないことなのですが、困窮するのがテキヤ稼業に身を置く露天商のみなさん。商売する場所を追い立てられ、苦境真っ只中のテキヤは、現在どのようにコロナ収束を見つめているのでしょうか……。

今回は、いつもインタビューでお世話になっている元テキヤ構成員のG氏(77歳)に、テキヤはこのコロナ禍をどのように暮らしているのかを聞いてみました。

自治会でも自粛せざるを得ない露店

丸野(以下、丸)「新型コロナウイルスが感染拡大してから、テキヤ稼業も様変わりしたんじゃないですか?

G氏「普段の仕事は、若い衆(従業員)たちと一緒に神社などで祭りに出向き露店に立つわけだけど、出店するときには警察署なんかの関係先に話を持っていくわけ。だから、許可申請も下りることはないし、露店を出店するときにお世話になる町会や社寺、商店街の人たちも会いたがらない。今では、なんとなくコロナの正体がわかってきたけど、初めのころは《ペスト》や《エボラ出血熱》のような未知のウイルスだったものだからね」

丸「でも、そこまでのウイルスではないということがわかってきたわけですよね」

G氏「でも、みんな腫れ物に触るような雰囲気になって、町おこしもクソもなくなってしまったよね。後輩の露天商は、緊急事態宣言前に出店を取りやめた。お客の多くは地元でその街の歴史を見てきた高齢者ばかり。誰が既往症を持っているのかわからないし、年を取るとなんらかの病気があって当たり前だから。気になるのは、露店の営業許可を出す警察のメッセージが曖昧だということ。後輩なんかは何度も相談に出向けど、“各自の判断に任せる”という言葉ばかり。死亡者でも出たら困るので、自治会でも完全自粛に……」

若い衆はUber Eatsへ、親方は貯金を切り崩す

丸「祭りも花見もなにもできないですもんね……。一度春先に自粛を緩和して、花見客が大勢出たときにもクラスターなんかが発生しましたよね?」

G氏「人が出歩くとピークアウトになっても、感染者がまた増える。それの繰り返しなので、やっぱり露店を出せない事態が続いている。春先は人が増えるのに露店は出せない。再び先行きの見えない緊急事態宣言が出てしまって、若い衆は別のアルバイトをはじめた

丸「どんなバイトですか?」

G氏「Uber Eatsや、手配師がいる神農組織ならビル管理の仕事。火災報知器のチェックや清掃なんかにてんてこ舞いしてる。後輩なんかは可哀想なもんで、若い衆に仕事を回すために自分の貯蓄を切り崩して手配に回ってる。売上げなんて皆無。それでも、いつ緊急事態宣言が解除されるかわからないので、その準備や食材の確保に追われているわけ。売り上げも上がらないのにね」

丸「現役のテキヤさんがUber Eatsで働いているなんて知りませんでした。うちの近くの神社では、露店の再開もあったのですが、やはりテキヤさん全員が食べていけるわけではないんですね」

G氏「それでも、売り上げは通常営業のときの約半分程度。それは、人流が元に戻っていないということ。減っては増えて、減っては増えてを繰り返しながら、“今後テキヤとしてどうしていくのか”を考える毎日だと言ってたね」

ただでさえ減り続ける花火大会や盆踊り大会はさらに目減り

丸「地域のつながりも減り続けていると思うのですが……」

G氏「花火大会や盆踊り大会は年々中止か縮小になってる。それを嘆く自治体も多いんだけど、なにしろ執行部役員が高齢になってきているからね。商売替えも視野に入れているテキヤも多い。今回のコロナは特別。以前は感染症が流行したとしても営業は続けていたんだけど……」

丸「コロナウイルスは特別なんですね」

G氏「人や地域のつながりがなければ、お祭りは成り立たない。ひょっとすると、全員が鞍替えを考えた方がいいのかもしれないね。もう数回、夏と正月のかき入れ時を逃している。今年もこの調子だと、花見なんかも自粛するムードが流れるかもしれない。もういい加減、万歳しようとしているテキヤも多いよ

行政の支援すらない中で……

丸「店舗などであれば行政支援があると思うのですが……」

G氏「休業要請をしている《感染拡大防止協力金》なんてのは、所在地のある固定店舗だけ。露天商はしっかりとした店舗を持っていないので対象外の扱いになっているね。彼らが不憫な理由はそれだけじゃない。テキヤとしてその地域の人々と一緒になって祭りを盛り上げてきたのに……その気持ちがある。間違えているのが、テキヤは暴力団ではないということ。暴排条例が全国で施行されて、その地域、地域に根付いた祭りから煙たがられる存在になった。なにかトラブルを起こしたわけでもない、でも一般の人たちはテキヤを排除しようとする。そこの言われなき風評被害が厳しい

丸「新型コロナウイルスで営業自粛している中で、声をかけてくれる人たちはいないんですか?」

G氏「事あるたびに心配の電話が入ることもあるようだね。露店が出ていないと淋しい……と。やっぱり高齢者も出店を心待ちにしているというよ。地元の名士や自治会の人々からの激励してもらえる。それが彼らにとっては、心のビタミン剤になっているというね」

G氏の話ではテキヤの高齢化も進んで引退する露天商も少なくない……それに比例して、テキヤになる若い衆の数も減っているそうです。昔でいう《3K》は、危険ではなく、“きつい”、“汚い”に“給与が低い”という複数の要因が関係しているようです。

このコロナ禍で《先が見通せない商売》になってしまっているテキヤ稼業。ぜひコロナが早く収束して、この日本古来の文化に生き残ってもらいたいものです。あなたはどう思いますか?

(C)写真AC
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丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』やその他有名週刊誌で執筆、『プレジデントオンライン』の待機中。 『丸野裕行の裏ネタJournal』や『初めての不動産投資マガジン』のポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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