大園桃子🍑 と言う 不思議  

  by あおぞら  Tags :  

 2、3年前に大園桃子のことを知った。かわいい顔して鹿児島訛りで話し出した時、てっきり、『かわい子ぶりっ子の計算高い女』と思ったほどにワタシは意地が悪い。

 それからバラエティー番組に引っ張りだこになり、その鹿児島訛りは計算ではなく、訛りが抜けないことを知った。ご本人は「頭が悪い」と仰るが、実際問題、そういう方で本当に頭の悪い人を見たことがない。

 芸人との相性が特によかった。大御所から中堅まで。一言発すれば笑いになるし、それは芸人の力を借りるでなく、本人に相当の面白みがあった。

 芸能界と言う自己主張が激しく、人を蹴落としてのし上がる世界で、この方の空気感は全く違っていた。人に対して敵意はないし、自然体で、人から愛される要素に満ち溢れ、媚びへつらうことなく清々しさを感じた。

 乃木坂46、三期オーデションの際、舞台で泣き続けたという。審査する側は話しにならないのでは?と思いがちだが、肝心かなめの秋元康が魅了された。もし、他の審査員が反対するようなら説得にかかろうと思いきや、全員大園桃子に心を持って行かれた。

 無欲の勝利が大園桃子の特徴で、それゆえ、あれだけの人気者でも活動期間5年で引退した。まぁ、なんと思い切りのいい女傑だろう。この行動はアイドルではなく”女傑”と呼びたい。

 昨年の9月に芸能界を引退して、てっきり故郷の鹿児島に帰るのではないかと思ったら、東京にそのまま暮らし自身のブランドを立ち上げビジネスを始めた。

 勿論、会社を興すのには一人では何もできないし、高校生から活動しはじめたアイドルの5年は仕事に追われ、他の勉強に目を向ける暇もなかったはずだ。しかし、しかし、引退後、自身のファッションブランドを立ち上げた。

 無欲の勝利の大園桃子には、手を差し伸べる人が多いのだと思う。つくづく羨ましい。同じく鹿児島出身の上白石萌音・萌歌姉妹のようにガツガツしていない育ちの良さが、薩摩おごじょの特徴か? つくづく守られていると思う。

 今年に入りYouTube『背伸びな暮らし』を始めた。自身で書かれた『背伸びな暮らし』も文字が美しい。検索すると書道を習っていたことを知る。ピアノも弾く、剣道も2段の腕前、頭が悪いはずなどない。これは薩摩おごじょ特有の謙遜か?

 動画では朝食を作る様子が顔を外して撮影される。人間心理で外されると余計に見たくなる。それでも、ちょっと見えた大園桃子はアイドル時代と比べ長い髪をバッサリ切って大人びて見える。その元アイドルは包丁を持ち、丁寧に人参を、大根を切りとん汁を作る。桃子らしい、ここでとん汁である。また、好きになるではないか!

 動画では自身のプロデュースするPhilme(フィルム)の洋服を身にまとい、そこはかとなく上品なデザインで体のラインを出さない奥ゆかしさがある。それでいて大変女性らしく、まるでフェルメールの絵画の女性に着せたいようなデザインである。

 乃木坂46の元アイドルは新しい道を歩み出した。ここで乃木坂46由縁の乃木神社のことを記したい。乃木神社のご祭神は乃木将軍である。東京生まれの乃木希典は結婚相手に「鹿児島の女子しか嫁に貰わぬ」と言い、薩摩生まれの静子と結婚した。

 篤姫といい、乃木静子といい、鹿児島生まれの女性は夫に尽し、凛として、静かなる意志を感じさせる。

 泣き虫だった大園桃子が、乃木坂46の5年間の活動を終え、アパレルブランドを立ち上げ経営しているのは、乃木神社を住まいとしていた薩摩おごじょ、乃木静子を守り神として寵愛をうけているからではないか?と、不思議な縁を感じている。

ニューヨークから発信しています